表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
WFWの精霊召喚術師  作者: 栗花落
1章:初めてだらけの世界
11/18

10:仮装備

大変遅くなりました。申し訳ございません。


※ユニークPV1万5千人突破ありがとうございます。

週間、月間、四半期にも小説が入っていたそうです……ありがとうございます。

……嵐のように2人が過ぎ去った後で、私は静かに、しーちゃんへと視線を向ける。


「……それで、一体どうゆう事のなのかなぁ?しーちゃん?」

あくまで冷静に、その顔には微笑みを浮かべて。――勿論、『目は一切笑っていない』のだが……


その様子を見て、少しだけしーちゃんはビクリと肩を震わせたが、私の機嫌をどうにかしようと取り繕いの言葉をかけてくる。

「いや、本当にみーちゃんの為と思って紹介したんだよ!? 絶対、看板になったら、みーちゃんがゲームの世界でもいつでも見れるなぁ……とか思ってないから!!」


――自爆である。しかもここまで自爆していると、いっそ清々しい。


(……はぁっ)

大きくため息をついてからしーちゃんに言う。

「こうゆう事なら事前に説明をお願いしたかったなぁ?」口調はやや冷ややかに。


ビクッっと肩を震わせた、余程私が、怖く見えたのか……しーちゃんは声を出すことができないようで、何度も首を『コクン、コクン』と頷かせていた。


その様子を見て、ふと顔の力を緩めながら「わかってくれればいいんだよー?何も隠してたから断るわけじゃないんだからぁ?」と、今度は心から笑うのだった。



それから、いつも通りのしーちゃんに戻るまで、他愛のない話をするが……先ほどの私の目力や口調に驚いているのか、しばらく「……に……きら……れた」と、横にいる私にも聞こえないぐらいの声音で言葉を繰り返していた。――しーちゃんがそれから元に戻るまで、10分程度の時間を要した。


……やっといつものしーちゃんに戻った所で、話を続ける。

「それで、本当にそんな事で、あの二人を紹介してくれたの?」

まだ、ほかにもあるでしょ?そう、しーちゃんに尋ねる。


「……あとは、きっと召喚獣と精霊さんと契約してるだろうなぁと思って……ほら、見たいから会いたいーじゃさ、何となく迷惑かなぁと思って……空回りしちゃったけど。」

効果音が付いたらきっと『テヘペロ』といったような表情で、しーちゃんはこちらを見た。

……うん、これ目の前で見るとすごくイラッっとするね。


なんとか、顔には出さずに、「そ、そうなんだ」と返す。

「……じゃぁ、紹介しなくちゃね?」フェーリとアイリスに視線を向けて笑いかける。

それだけで、2人とも何をすればいいのか理解したようで、フェーリは私の肩に――アイリスは私の頭の上へと座った。


「この2人が、私と契約してくれた子。こっちの白狐(びゃっこがフェーリ、こっちの女の子がアイリスだよ」――紹介を終えると、アイリスは軽く一礼をし、フェーリは「キュッ」と優しく鳴いた。


その様子を見た、しーちゃんは眼を輝かせていた。

「この風景……いい!ねぇ、SSスクショとっていい?」

……なにやら、ぶれない意思を感じた為、仕方なく「いいよ」という。


それから、しばらくしーちゃんは、「いいねっ!いいよ!その表情!!」とか言いながらSSを取り続けるのだった。

……まぁ、SSとった後はフェーリがモフモフされ続け、嫌になったフェーリが、しーちゃんをゲシゲシ前足で叩いていたのは、ここだけの話にしておこう。



それから程なくして、満足したぁ……と、しーちゃんは「そうそう、それとね」と話を切り出す。

さっきの、もらった装備つけてみたら?と言われ、思い出す。


……んーっ、身に着けちゃったら何となく、断れなくなる気がするんだよなぁ。

と葛藤しながらも、一度は身に着けてみることにする。


アイテム欄を開き、ユリウスさんに渡されたワンピースを確認する。


≪淡青花のワンピース≫

『ノヴァ制作。

装備者の動きを阻害しにくいように、設計されているワンピース。

勿論、日常生活中でもしっかりと使える。ワンポイントとして、白の生地に青い花模様を取り入れている』


――装備効果

Def+10 Mdf+6

――追加効果

無し


今着ている、絹のワンピースは、Defが+3されるだけだから……私は眼を見開く。

え、Defだけでも3倍……!?


……初期装備と比べるとその効果に驚く。

その様子を見たしーちゃんは「驚いたでしょう?」とニヤニヤこちらに目を向けた。

その様子に少し、ムッとしながら武器と、手袋を確認する。


――装備効果

Dex+3

――追加効果

無し


≪無地のグローブ≫

『ノヴァ制作

余った生地をもとに作ったグローブ。Dexに若干のボーナスが付く』


≪試作型薙刀―一軸(いちじく

『ユリウス制作

初めて、ユリウスが制作した薙刀。万全な形……とまではいかない物の

本来あるであろう薙刀に迫る物。』


――装備効果

Str+8 Dex+3

――追加効果

無し



うん……こっちもすごい。

装備してみると、それまで質素だった服が、一気に明るくなった。

それを見たしーちゃんは、「ふおぉぉぉぉぉ!」とまたテンションをあげ、SSを取っていた。


その様子をみたフェーリは、さっきもみくちゃにされた事を思い出したのか、私の後ろへとまわり、隠遁術を使い、隠れてしまった。

そこからまた10分程、しーちゃんのSSを取る手は止まらなかったのである……


……さて、じゃぁ装備をしたところで狩りに行ってみよう!!

つやつやした顔のしーちゃんが、元気よく声を上げる。

「……私もう疲れたんだけどぉ」とジトーと目をしーちゃんに向けるが……

今度は通じなかったようで、「せっかく装備したんだからぁ!」とPT申請が飛んでくる。


「少しだけだよ?」と仕方なく承諾してPTを組む。

「じゃぁ、フェーリ出ておいで……行くよ」と声を出すと、それまで隠れていたフェーリも、どこからともなく現れ、「キュゥ」と鳴く。対照的に、アイリスはあまり疲れてはいない為、フェーリの分まで頑張るぞっとでもいう風に、肩を回していた。


「で、どこで狩りをするの?スライム相手?」と尋ねると、まさか~とこっちを見て、「少し行くと木が生えてきて、その先に森があるでしょ?あの周辺まで行くよ?」と言われる。


「え……?あの、もしかしてスナールドッグが出てくる場所?」と再度訊ねると、正解~としーちゃんは言う。

加えて「よく知ってるね……あそこの適正Lvは6からだよー?」と言われる。


……森に入る前に帰ってきてよかった……というか、私1Lvで行ったんだけど。ほんと死ななくてよかった。

――その言葉を聞いて、街まで無事に戻ってこれた私は、安堵する。


「……ん?ところでしーちゃんのLvっていまいくつなの?」適正レベルを聞いてふと気になり訊ねる。

「8だよ。あの2人ともそうだけど、ログインできてた間は結構狩ってたからねぇ。」と言われた。


――道理で、森周辺の適正Lvを知っているわけだと納得する。

そして、もう一つ訊ねる。

「あのノヴァさんとユリウスさんと知り合ってるって事は当然……武器防具作ってもらってるよね?なんで今、初期装備なの?」


「それはね!ここで見せるとみーちゃんを置いてちゃった気分になっちゃうから。狩りになるときに着けてあげようと思ってね」……それに、びっくりさせたいし。

と最後は聞き取れなかったけど何かゴニョゴニョ言ってたけど……まぁいっか。


それから、しーちゃんは丁寧に、あそこの森はね小規模のダンジョンになっててね。

『イニティウムの森』って言うんだよ。そこを越えて、その先にある洞窟を通って、さらに先に行くと新しい街に行けるらしいよ?と、丁寧に説明してくれる。


……なんとなく重要そうだから覚えておこう。

しーちゃんに「ありがとう」と伝える。照れるようにしーちゃんは笑い、ごまかすように「じゃぁ、狩りの準備をしようか」と言う。


かといって、私は補給する物もないのでしーちゃんの準備に付き合う。

しーちゃんは、HPポーション小を何個か買っていた。

「やっぱり、HPポーションの消耗が激しくてねぇ」としーちゃんは言った。

……そうなんだぁ、と相槌を打ちながら、しーちゃんの準備を見ている私は少しだけ別の事を考える。


(――しーちゃんの武器ってどんな武器なんだろう……防具は?はやくみてみたいなぁ)

しーちゃんの新しい武器と防具が見れる。そう考えると、少しだけ狩りに対しての意欲が沸いてくるのだった。



……準備を終えた私たちは、『イニティウムの森』周辺まで歩く。

その間、何度かスライムが出現してはいたが、やはり攻撃しないと動かない(ノンアクティブ)ので、無視して歩みを進めてきた。


そうしてしばらく、歩いていると『イニティウムの森』周辺に着く。

数日前よりも、少し暗く感じるあたりの雰囲気に注意しながら、敵を探す。

そんな、私を見たしーちゃんは「ほらリラックス!肩の力抜いて……私もいるんだからね?」

と、私の肩を揉んで笑う。


――じゃぁ、まったり狩りでも始めますか!!

この時のしーちゃんは、すごく格好良く見えた。


遅れないように、フェーリとアイリスに合図を送って、しーちゃんに返事をする。

「うん、はじめよう!」「キュッ」


――こうして、2度目のしーちゃんとの狩りが始まった。

ミアは本気で怒らせると相当怖い。

その片鱗は……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ