委員長から学ぶ異能力とは2
鍵。
どんな強い武器でも金庫の中に入っていれば、鍵を使って開けなければ使用できないように異能力にも鍵と呼ばれるものがある。
鍵が破壊されたらどうなるのか?
鍵を失えばその金庫を開けることができなくなる。つまり異能力が使えなくなるのだ。
「さすがに異能力者の命のようなものを見せる訳にはいかないけどね。」
「わ、私は圭吾君になら別に…」
そう響が言いかけた刹那、楓の表情が険しくなり
「ダメよ。鍵は誰にも知られてはいけない存在。あなたもそれは承知の上でしょう?」
「あ、そ、そうだよね…ごめん。」
委員長が言うんだ。やはり鍵というものはそれほど重要なものなのだろう。
「さて…異能力についての説明は終わり。思ったより時間が掛かってしまったわね…今日のところは解散しておきましょうか?」
「あ、じゃあ最後に聞きたいんだけど!」
「…なにかしら?」
「委員長の異能力って結局どんなものなんだ?」
単なる疑問であり興味であった。しかし俺の予想とは裏腹に彼女、二階堂楓の顔は
ビクッ…!
何か怯えているかのように感じた。
「あれ、委員長〜?」
「そ、そうね。さっきも言った通り私のは少し話が面倒になりそうだから…また今度ね。」
そう言って彼女はそそくさと教室を出て行ってしまった。
「…なぁ、乙音さん。」
「ん?」
「彼女…委員長の異能力って知ってるのか?」
「それが私もクラスのみんなも知らないんだよね…ん〜不思議。」