委員長から学ぶ異能力とは1
「そんなことがあったのか…なんかごめんな?」
「ううん大丈夫!それに今はこの学校でのお友達もたくさ〜んいるしね!」
そういう彼女の明るい顏。それこそが周りの人を引きつけるのだろう。
「さてと、今の話が異能力とどんな関係があるかだけど。簡単にまとめるわね。」
異能力が生まれる瞬間。
それは強く想うことだ。
乙音響の場合。歌うことが彼女にとっての存在照明であった。
「私はここにいる!」
その強い想いから生まれたのが乙音響の異能力『言霊の強化』だ。
「こんなところかしらね。」
「私がこの能力に気づいたのはつい最近なんだけどね…あはは。」
「そうね、もう少し話すことがあるわ。」
どの異能力も強力なもの故、限定というものが存在する。
ある決められた条件を満たさなければ異能力は発動しないというものだ。
これまた乙音響の場合、先ほど話した歌うことは彼女にとっての存在となる。これこそが限定に大きく関わってくる。
自分の存在を認識していること。
それが彼女の限定である。
視覚、聴覚、触覚。どんなことでも乙音響の存在を認識している人物にのみ有効だということだ。
「なるほど…いつでも誰にでも効く。ってことはないんだな。」
「えぇ、そして最後に一つ。これが私たち異能力者にとって最も重要なことね。」