異能力はすごかった
委員長。そう彼女が呼んだ先には眼鏡をかけた黒髪のロングヘアーをしており、制服は着崩さずキッチリと着こなしている。
まさに『優等生』のような姿をしている。
「えっと…俺に何か用?」
「まぁ先生からあなたの世話役を任されてね。」
「せ、世話役?」
「世話役って言ったら変かしら。ともかくまだ転校して間も無いでしょ?何かわからないこととかあるかしら?」
わからないことって言うか…わからないことだらけなんだよなぁ
「わからないことは色々あるけど…強いて言うなら結局異能力ってなんだ?」
「そうね…って、え?あなたもこの学園に入ったのなら異能力持ちなんじゃないの?」
「あ〜、それは〜…」
実は何も能力持ってないんでーす。…なんて言える訳もなく返答に困ってると隣から響が小声で
「変なこと言うと怪しまれちゃうから!」
…そうだよなぁ
「いや〜、ほら!俺以外の異能力者なんて初めて見たからさぁ、どんなものなんだろうな〜って…。」
「なるほど。ですが私のは少々説明しづらいものでして…乙音さん。代わりにあなたが教えてあげてくれるかしら?」
「りょーかいだよー!」
そう元気に答えると彼女はカバンからイヤホンを取り出して音楽プレーヤーに繋ぎ音楽を聴き始めた。
「あの…なにしてるの?」
「見ていればわかるわ。」
音楽を聴きながら彼女はこちらを見て笑顔で言う。
「圭吾くん大好き♪」
「…は?な、何を突然…」
『ドクンッ』
「え?」
その声を聴いた途端顔が熱くなる、響の顔を直視できない。鼓動が速く大きくなるのを感じる。
そう、例えるなら一目惚れをしたような。
「またその言葉を…まぁ分かりやすいからいいですけど。」
「な、な何がどういう?」
「えへへ〜、私の異能力は『言霊の強化』!…まぁ効果時間は短いんだけどね…!」
なるほど…じゃあさっき俺は一時的に彼女のことを好きになっていたのか。
「こほん…それじゃあ異能力に関して一応もう少し話しておきましょうか。」