不幸へ1人
第一章 始まり
僕は囀 圭以。今日は大学の入学式である。
真新しいスーツを身に纏い入学式に向かう。だが、その足取りはあまり軽いものではない。
だって、僕は・・・・・
「本日は誠に・・・・」
見知らぬ教室に見知らぬ人。それも当然だ。もう昔の知り合いがいないところに来たのだから。
別に試験でミスをして友達とバラバラの大学になった・・・というわけではなく、僕は自分からここにくることを望んだのだから。
そんなことを考えてるとあっという間に入学式は終わりを迎えた。
そんな僕に待っていたのは衝撃のイベントと始まりだった。
「親交旅行・・・・」
ゼミとの交流を深めるための旅行らしい。大学に入ればこういうイベントごとは避けられると思っていたがどうやら甘かったようだ。
そんな憂鬱に浸っていると肩を叩かれた。
「よぉ!同じゼミだろ?仲良くしようぜ!俺は神崎涼っていうんだ!よろしくな!」
なんというかめんどくさいのに話しかけれた感じがした。こういうときの対処方法はだいたいわかっている。
「よろしく。囀だ。」
こういうふうに無愛想にすれば大抵のやつは俺に関わりづらいとみて、違うやつに話しかける。