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第5話 異世界生活?

12月7日 改稿

5月20日 修正





「えぐっえぐっ……恐かった、もうダメかと思った」


「もう、いいかげん泣くのは止めなさい。だいたい、貴方はこのくらいじゃ死なないわよ~」


 俺は、数十分前に森の中で犬神家よろしく地面に埋まっているところをセバスさんに救助され、なんとか屋敷に戻って来ていた。

 シャルロッテさんの推測だと踏み込みの力が強すぎて踏ん張れずに上空へ飛んでったという事らしい。

 その証拠にと指差された方を見たら、殴る予定の岩があった場所は大きなクレータを残し跡形もなく吹き飛んでいた。…もうね、爆心地ですよ!ホント。


「う~ん、困ったわね。身体スペックばかり高くする事に目をやっていて、肝心の貴方自身の事を忘れていたわ。今は、改造部分とホムンクルス体との親和性がそこそこだから力まない限り本来の能力を発揮できないみたいだけど……時間の問題かな。徐々に馴染んでくれば、何気ない動作でも殺人的威力を持つようになるわね~、このままじゃ。うふふっ、日常生活もままならないわね~」


 おい!のほほんとした口調で言うことじゃないだろ。ってか、日常生活送れないって致命的だと思うんですけど。


「どうするんですか? 勝手に他人の身体を改造したんですから責任とって面倒見てくださいよ」


「わかってるわよ~そんな睨まなくても。でも、少年に睨まれるのも悪くないわね~ゾクゾクしてくるわ」


 自分で自分の事を少年偏愛主義者だというだけあって、彼女は間違いなく変態だ。真正のド変態だ。お巡りさん、こっちに変態がいますよ~。


「とりあえず、現在の貴方のステータスを測ってみましょうか。セバス、計測器を持って来て」


 うん? ステータスを測るって、RPGとかみたいに自分の能力がわかるって事なのかな。まあ、異世界だから何でもありだと思うけど、えらくゲームっぽいな。


 部屋を出て行ったセバスさんが、人の頭大ぐらいの水晶と金属製のプレートを持って戻ってきた。

 それを受け取ったシャルロッテさんがテーブルの上にテキパキと配置していく。


「もちろん、貴方は初めてだと思うから説明するわね。これは、人の個人情報を視覚化して記録する魔道具なの。一般的に冒険者ギルドや国の機関なんかでも使われているわ。本来は、個人所有できるものじゃないんだけど…私はこれの発明者だからね~」

 

 冒険者ギルドってやっぱりあるんだ。少し年甲斐もなくワクワクしてきた! 冒険者って男の子の憧れですよね^^


 それにしても、ギルドや軍なんかで使うような機密装置を発明するシャルロッテさんって、やはり凄い人なのかもしれない。今の所は、変態でマッドな人って印象が強いけど。


「この金属プレートをここに差し込んでっと…できた。それじゃ、水晶の手形が描いてある所に手を置いてちょうだい」


 言われた通りの場所に手を置くと水晶が輝きだす。

 そのまま数秒間光った後、ピーッと音が鳴り差し込まれていた金属プレートが飛び出してくる。

 プレートには、何やら文字が色々書かれているが・・・全く読めない。

 難しい顔でプレートを眺めていたらヒョイッとシャルロッテさんに横から奪われた。


「えーっとなになに……うわー、貴方って凡人の中の凡人なのね~」


 憐みの目で見てくる彼女に少しイラッときたが、我慢する。今は何が書いてあるのかの方が気になるしな。


「文字読めないんで、説明してほしかったりするんですけど」


「あーはいはい、えっとねー」


 シャルロッテさんは浮かび上がった情報を一つ一つ説明してくれた。

 RPG的に説明すると、筋力、体力、技能、敏捷、魔力、精神、平均のステータスがある。

 筋力、体力、敏捷、魔力は読んで字の如くで、技能はどれだけ身体を自由に扱えるかや作業などの器用さを表し、精神は魔法に対する適性の高さや精神的柔軟性と強さを示していた。

 中でも技能や精神は重要なステータスだそうで、これらの値が十分に高くなければ他のステータスがいくら高くても真価を発揮できずに宝の持ち腐れになってしまうらしい。

それぞれのステータスは、A+ ~E- の十五段階で評価される。また、A+ を15ポイントでE-が1ポイントとしてステータス平均が計算される。一般的には、平均ランクでその人がどのくらい有能なのかを判断されるとのこと。

 人間基準で、Eで普通、Dで良、Cで優秀、Bで一流、Aで人外と言われているらしい。参考に一般的中級冒険者は、平均D- くらいの能力値だそうだ。

それで、俺のステータスなんだが・・・筋力 A 体力 A 技能 E 敏捷 B 魔力 B 精神 E 平均 C+ だった。うん!宝の持ち腐れのいい例だな orz


「納得ね。身体を強化しても、魂に帰属する技能や精神は元のままだから…これじゃ、岩殴ろうとして空飛ぶわけだわ~うぷっ!うふふふ」


「笑い事じゃないです。説明の通りだとすると技能 E じゃ筋力体力 A は御しきれないんですよね? どうすんですか!俺、二度と空を飛びたくありませんよ!!」


「まあ、その身体を使いこなすにはリハビリというか、訓練するしかないんだけどね~。幸いにも技能や精神のステータスは、魔物との戦闘とかをしなくても成長させる方法に心当たりがあるから。ということで、セバス!拷問…じゃなかった訓練の準備するわよ」


「今、拷問って言ったよね!絶対、言ったよね!!」


「気のせいよ~大丈夫、貴方は滅多なことでは死なないわよって【呪縛バインド】!」


 「いやだああああああああ」と叫びながら逃げようとしたところをシャルロッテさんの放った光の帯でグルグル巻きにされる。


「逃げるなんていけない子ね~。ああ~少年が嫌がるのを無理やりってのも乙なものね~ふふふっ」


 でたよ!改造手術の時にも見せた笑顔マッドスマイルが!!


 俺の抵抗も虚しく、そのまま引きずられながら部屋から連れ出される。気分はドナドナだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 この世界に来てから半年が過ぎた。

 

 あの後すぐに、身体能力を制御するためのシャルロッテさん監修ブートキャンプが強行された。

 見てくれこの引き締まった細マッチョボディーを!異世界に来る前とは比べ物にならないだろう。ぶっちゃけ、改造部分と身体の親和性が進み個体として最適な肉付きになったおかげなんだけどね。


 それから新しい身体の特殊能力?の肉体再生についても色々とわかった。

 この肉体再生ってのは、生物なら基本的に備えている自己治癒力を極限まで高めたものらしい。体験してみた感じトカゲの尻尾というよりプラナリアに近い気がする。


 …ハハ、ニンゲンヤメテマスケド、ナニカ?


 そんなわけで、シャルロッテさんの言った通りほぼ不死だ。もちろん、何一つ欠点がないわけじゃない。


 この再生能力が生物の根源的活動によるものである以上、代謝エネルギーが素になっていた。しかも、そこで消費されるエネルギーはかなり多い。

 つまり、何が言いたいかというと…肉体再生を多用するとすっげー腹が減る、めちゃくちゃ腹が減る、超々極大に腹が減るのだ。

 さらに、この飢餓状態のままで肉体再生が行われ続けると自食作用オートファジーが急速に進んだ挙句に肉体が崩壊して機能停止って事態もあるらしい。


 まあ、それでも残った魔核から簡単に復活できるらしいけど…orz




「ユーマ様、今日分のメニューは以上でございます。お疲れ様でした」


 セバスさんの労いの言葉に顔を上げ、差し出されたタオルを受け取る。本日最後の訓練メニューである模擬戦を終えたところだ。

 セバスさんの俺に対する呼称が変わっているのは、俺が名前で呼んでくれるよう頼んだからだ。年上の人から苗字に様付けだと居心地悪くて…。

 名前で呼んでくれる事には快く了承してくれたセバスさんだったが、様付けだけは執事の矜持に関わるから譲れないらしい。


「ありがとうございました!」


 いつも通りセバスさんにお礼を言う。

 なぜなら模擬戦相手を務めてくれたのは何を隠そうセバスさんであるからだ。

 この執事、家事全般はプロ級なうえに、戦闘に関しても達人級なのである。剣、槍、弓、短剣、素手などなんでもござれ状態だった。まさに万能! まさに至高! まさにキングオブ執事である!!


 え!? なんかやけにセバスさんをヨイショしてるって? あたりまえだろ!! 彼は俺を地獄から救ってくれた恩人なんだから!!!


 初期のシャルロッテさん監修ブートキャンプは、無計画そのものであった。

 「身体の使い方を覚えるには、生命の危機下で運動するのが一番よ!」とか無茶な事を言い出して、魔物の『ま』の字もない平穏な生活にドップリ浸かっていた俺を魔物の群れの前に放置したり、「この薬を飲めば24時間休まずに動けるわ」と無理矢理薬を飲まされ、5日間ぶっ通しで訓練させられたりetc.…。


 ・・・壮絶な一ヶ月間だった。


 そんな日々を過ごせば、人がどうなるかは言わずもがなで、憎らしいほど健康な肉体に対し、俺の精神は消耗に消耗を重ねた極限状態を迎えていた。


 その折に現れたのが、俺の救世主で守護天使にしてナイスミドルな紳士執事セバスさんである。


 「お嬢様、僭越ながら申し上げます。急いては事を仕損じるという言葉がございます。今のままでは先にカンザキ様がダメになるのではございませんか?」と一言物申してくれたのだ。

 あのシャルロッテさんもセバスさんの言葉だと耳に届くらしく、あっさりと俺は地獄から解放された。


 俺が繰り返した幾千幾万の血の訴えはスルーだったのに…。


 その後、訓練は、なんとかグリーンベレー並に…常識ギリギリのレベルまで減らされたと思う。


 まあ、実際にグリーンベレーの訓練を知っている訳ではないが、イメージで、そのくらいの厳しさになったという事だ。俺の感覚が狂っている可能性もあるけど…。


 さらに一ヶ月間の訓練の日々が過ぎたが、成果があまり芳しくなかった。したがって、根本から計画に練り直しと大きな変更がなされる。



 後に聞いた話だが、本当はここで初めて、まともに訓練計画を立てたらしい orz



 訓練は、俺のオーガの力とドラゴンの力をシャルロッテさんオリジナルの封印術式で封じ、俺自身を鍛え直す方針へシフトチェンジする。

 封印の影響でステータスは平均C+からE+まで下がってしまたのだが、今までより断然動きやすくなった。

 それから訓練が再始動されると同時に、この世界についての常識も教え込まれ始める。


 最初は、地理。

 現在地を地図と照らし合わせながら様々な情報を補足する形で教えられた。

 この世界の名はアルブームと呼ばれ、大陸が大小それぞれ一つずつあるだけらしい。

 現在の位置は、大きい大陸のガロン帝国領土と自由都市連合国領土を隔てる大森林の奥地だそうだ。帝国を中心に北西にアロメニア王国、北東に草原地帯を挟みリリス皇国、西に海を越えればフェレス王国、そして南に大森林を隔て自由都市連合国となっている。

 人口は、帝国が一番多くて約1000万人、続いてアロメニア王国と自由都市連合国でそれぞれ約800万人、皇国が約600万人、最後にフェレス王国で約500万人といった感じだ。

 人種は、ファンタジーお馴染のエルフやらドワーフなどもいるが人間に比べて少ないらしい。

 戦争について聞いたら、現在は平和なもので200年前の帝国内の平定戦争を最後に起こっていないと言われた。

 『常識的に知っておくべき地理知識講義』が佳境に入った頃、衝撃的な事を告げられる。

 なんと、この世界は隣り合っている別の世界と行き来が可能なんだそうだ。といっても、竜人や鬼人にドワーフが住むルブレス、獣人や妖精族がいるウィリデルパ、魚人や翼人の生活するレウムフォンス、古代の超文明の遺跡が残る廃世界ラーウムラルの四界だけであるが。

 もっと詳しく知りたかったのだが、シャルロッテさんに他の異世界については今はそうなのだという事だけ覚えておきなさいと言われた。

 ちなみに、ここの世界にいる人以外の種族はそれらの世界から移り住んで来たらしい。


 次に、お金。

 単位はゼル。小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨の全部で5種類であり、焼印されている紋章に各国での違いが見られるものの価値は同じだそうだ。

 小銅貨1枚が1ゼルとなり、この1ゼルが十枚で、銅貨になり、銅貨百枚で銀貨となって、さらに銀貨百枚で金貨、金貨十枚で白金貨と教えられた。一般市民の食事代が約50ゼルだから、1ゼル=10円ぐらいだろう。


 魔法についても少しだけ教えてもらったのだが…。

 魔法とは世界を満たしているマナと体内の指向性を持たせた魔力とを反応させて実現させる現象で、魔術とはその現象を起こす為の術なのであるとのこと。

 魔法には便利なものも多く、この世界の住人は全員何らかの適正属性を持ち、個人差はあるものの行使できるらしい。

 俺も魔法が使えると思ってワクワクしていたが、魔法の存在しない世界出身であった所為で、適性属性というものを持ち合わせておらず全く使えなかった。魔力は平均以上あるのに… orz





 

 ってな感じで、俺の異世界生活は半年目を迎えています。

 






お読みいただきありがとうございます。

自分の稚拙な文章が憎いorz

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