表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の滅慕 覚え書き的資料集  作者: SH
世界観
2/9

種族

◇人族



 生息域は主に大陸中央部に集中しており、西部にも少数が散在。

 他種族と比べても勤勉な性質を持ち、様々な種との交流から学び、進歩して来たため比較的高い文化レベルを持つ。

 政治形態に置いては、あらゆる種族の中で、もっとも進歩している種でもある。


 信仰する神も多様で、各種神族の他にも竜や祖霊、自然などを神格化し崇拝している。

 かつて地にあり、多様な技術を伝えたとされるレギウス神族を信奉する者が多い。


 魔法に関しては、魔力を感知したり扱う器官が未発達であるため、高い魔力を持ったとしても、呪文、呪具、魔法陣、呪紋、呪符などの補助無しでは、あまり大した事は出来ない。



◇魔族



 大陸東部と西端にのみ生息。

 個体差による力の強弱が激しく、一般の魔族と貴族、貴族と魔王を比較すると、もはや別種の生物とも言える。

 長い寿命を誇るが個体数は少なく、出生率も低い。力の強い者ほどその傾向は高い。


 他の種族は、外敵から身を守るために群れを作り社会性を築く、というプロセスを経て文明を進歩させたが、魔族は個体として生体系の頂点に位置するため群れる必要が無く、戦いによる支配という過程で社会を形成している。そもそも社会性の成り立ちから違うので、倫理、道徳観、行動理念といった点で他種族とは決定的な差異がある。

 その社会性の成り立ちや生態から、同族殺し、同性愛といったほとんどの種で罪とされる行為にも忌避感が薄い。

 非常に好戦的であり、強者が絶対的な権力を持つ。

 権力構造は女性、男性の区別のない完全な能力主義であり、女性に対する評価も見た目の美醜ではなく力の優劣が占める部分が大きい。

 性に対しても奔放で、享楽的でもある。

 政治形態は未発達で、絶対王制。

 国名というものを持たず、王が即位するに際して号(名)を改め、その号を国名のように扱う風習がある。


 総じて強い魔力を持ち、自在に操る事が可能。また、経口摂取ではなく直接魔力を意図して体内へ取り込むことが出来る。さらに、魔力を活力へと変換できるので、食事をあまり必要としない。そのため領地的な野心は低い。


 信仰という概念を持たないが、初めて魔族を統一し、神々を駆逐した災厄の主と呼ばれる魔族へ崇拝に近い感情を持っている。


 大陸で一般的に使われている共通語と文字を使うが、文章にして書きしたためる、といった習慣が薄く歴史を口伝で後世に残す、語り部と呼ばれる役職が存在する。



◇神族



 地母神ダーナの三子により形成される種族。

 寿命による死が無く不老に近い存在。繁殖率は限りなく低い。

 肉体の成長は、自我の成長に左右され、何百年生きたとしても精神年齢が低いと身体も子供のまま。

 親が存命する限り、周囲からは子供として扱われ、本人も自分は子供だと認識するため、千歳を越えても幼い姿をしている者もいる。



◇レギウス神族



 地母神ダーナの末子。地上を司る男神レギウスの一族。以前は地にあり、様々な知識や技術を大陸に住む種族へ伝えたとされる神々。

 大災厄により天上の神々が滅ぼされ、レギウス神族からも多数の死者が出ている。現在では魔族の進攻から身を守るため、主の居なくなった天界に移り住んでいる。


 神王レギウスを筆頭に、四柱の戦いを司る守護神、七柱の文化や芸能を司る神々を主要神とし、その他末端の神々から構成されている。



◇ギアナ神族



 かつての天上の支配者。ダーナ神の次子、両生具有の双貌神ギアナ・ギアスを頂点とする神々。

 大災厄時に滅亡。



◇ディース神族



 ダーナ神の長子、女神ディースと四柱の神から成る、死と滅びを司る神々。

 最終的には、この世を滅ぼす神として畏れられている。邪神、悪神の類いとされているが、来たるべき終末を少しでも引き延ばすため、信仰の対象として手厚く奉り上げられている。


 神族と呼ばれてはいるが、ディース神と四柱の神の中には、自身を神と認識していない者もいる。

 大災厄以来、ディース神族が姿を現したという伝承が無いため、一般的には迷信に近い終末思想だと思っている者も多く、神官の数も少ない。

 ディースの神官達は、不死者〈アンデット〉をディース神の眷属と考え、己の身を高位の不死者と変える事を最終的な目的としている。

 また、レギウス教徒から、ディースの神官達は忌まわしい存在と(もく)されているが、ディース神自身が神王レギウスの姉であるため、表立った敵対はしていない。



◇獣人族



 人から半人半獣、獣へと姿を変える事が出来る獣人〈ライカンスロープ〉の総称。

 非常に多種多様で、種によって持てる能力も様々。また、月齢によっても大きく身体能力や特性の強さが変化する。


 主に人里離れた地域に群れをなして散在している。中には多種との混血が進み、獣の姿になる能力を失っていたり、身体の一部しか変化出来ない個体も存在する。そのため他種族との混血を極端に嫌い、定住することなく群れ単位で移動を繰り返している。


 野生動物に近い暮らしをしているため、文化は極め未発達。群れ中での教育を怠ると、共通語を話せず獣と変わらない状態になる。農耕を行わないため、個体数増加の上限低く、数は少なめ。


 祖霊を信仰しており、人族と比べれば魔力も強く、魔法に対する適性も高い。



◇エルフ族



 森に住む長命な種族。四百年近い寿命を持つ。

 魔力も高く、かつて神族から授かった魔法の知識を、人族とは違った系統へ進化させている。知識に対する秘匿癖有り。

 自然を大切にするが、木々を伐採して有効利用したりもする。あまり品質は良くないが、製紙技術を有し、織物や衣服を作る技術にも長けている。

 他種族との交流を嫌う傾向にあるが、交易などは一般的に行われている。


 信仰においては、自然を神格化した原始宗教が主流だが、かつて様々な知識を伝えたレギウス神族を崇拝する者も多い。


 政治形態は、各部族の長老達による協和制。



◇黒エルフ族



 通常のエルフ族と袂を分かち、森から南方の草原へ移り住んだ種族。世代を重ね、黒い髪と黒い肌を持つに至ったが、現在では魔族の領域中央部の森林地帯に生息域を移しているため、色素が薄くなり、肌は褐色になっている。


 エルフ族よりも身体能力、魔力共に高く、黒エルフの王族にいたっては、通常のエルフの倍ほども寿命が長い。


 政治、宗教の形態、さらに倫理感は魔族に近い。



◇ドワーフ族



 主に、鉱脈を有する山に洞窟を掘り生活している。

 人族やエルフ族と比べると背は低めだが、非常にがっしりとした体格をしており、骨密度、筋繊維の密集度が高いため、とても力持ち。気も優しい。

 治金、鍛冶鋳造の技術に秀で、大陸の文明レベルの底上げに最も貢献している種族。

 ただ、身体的な特徴から水に浮かないので泳げる者がいない。そのため造船技術においては、高い鍛冶鋳造技術と比べると極めて低い。


 他種族に乞われ、街や森に住む者も存在する。


 王は存在するが、基本的におおらかで、宗教なども人族と同じく多様である。



◇オーク



 主に魔族の領域に生息する亜人。

 猪に似た頭部をしており、長い牙の有無で雌雄の区別が可能。

 全身が濃い獣毛に被われており、人族よりやや背は低めだが、がっしりとした屈強な体躯を持つ。気質は勇猛な反面、知能は低い。

 非常に繁殖力が強く、有する農耕技術の低さもあいまって、食料自給率に見合わないほどの高い人口増加率に苦しんでいる。そのため頻繁に飢饉が起こり、定期的に掠奪遠征を行う必要がある。



◇オーガ



 魔族の領域に生息する亜人。

 強靭な肉体と剛力により高い戦闘力を誇る人喰い鬼。雑食なので野菜なども食べるが、基本的には生肉が好物。人間だけでなく、飢えれば他の亜人も食す。

 体格は平均して人族より頭二つ分ほども高い。個体数は少なめ。

 オークと同じくやはり知能は低い。



◇コボルト


 主に魔族の領域に生息する亜人。

 山犬のような頭部をしており、全身が獣毛に被われている。まちがっても可愛いもふもふを想像してはいけません。


 北方には長毛種。南方には短毛種が分布している。

 魔族の領域に住む住人達は、基本的に信仰を持たないが、コボルトは祖霊信仰を行っている。

 狼が自分達の祖先だと信じており、野生の狼を神獣として敬っている。


 オークなどと比べれば知能は高く、集団での狩りが得意。

 身体的には人間に劣るが、素早さと器用さに秀で、戦いにおいては統率された動きが脅威となる。

 たぶん巨乳が好き。



◇古代人種



 西方大陸に生息するアース、カーマイン、ハイレディン、三つの氏族から成る種族。

 大災厄でほとんど滅びたと考えられる稀少種。とても好戦的で、巨大な体躯を有している。外見上は、その大きさ以外ほぼ人族と変わりがなく、遥か古代より西方大陸に存在していたという伝承から、人の祖先ではないかと考えられている。

 放出系の魔法はあまり使えないにもかかわらず、魔族、神族と互角に戦える戦闘力を持つ。その好戦的な性質と戦いぶりが相まって、狂戦士とも評されていた。また、肉体の再生力が異常に強く、四肢を欠損しても復元出来たと言われている。


 人と同じく魔力の扱いが苦手で、独自の魔法技術を持っている。中でも身体強化や付与魔術を極限まで進化させたとされている。

 過去において魔族との戦いで苦戦した経験から、敵である魔族と同様の力を持つ武器や防具を魔法によって作り出し、それらの品は伝説の武具として語り継がれている。また、所持者の怨念に満ちた魂魄を吸収した危険な品も多いため、現在では古代人種を滅ぼした神族が保管している。



◇竜族



 山岳部や海底、北限の凍土などに生息する生物。

 巨大な体躯を有し、小さな個体でも家屋ほどの大きさがある。

 種にもよるが総じて長命で、寿命が長い種ほど知能も高い。また、強い魔力を持ち、竜語魔術と呼ばれる魔法を操る。

 竜語魔術は呪文の詠唱を必要とせず、咆哮により様々な効果を発揮する。


 かつて古代人種に従い神々と戦った皇竜属という種は、特に体も大きく長命。


 全ての種が竜息(ブレス)と呼ばれる攻撃力を備えた息を吐く。

 体内で発火性の毒液や腐食ガスを生成する種も存在するが、皇竜属は竜語魔術により多種多様な効果のブレスを吐く。

 魔族や神族に対抗しえる力をもつが、大災厄の終結後、生き残った皇竜の多くは、災厄の主の後を継いだ魔族の二代皇帝、失望帝により乱獲されて数が激減している。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ