仮面
暗い部屋で僕は一人、座っている。
もう何時間、このままだろう………。
何も考えない。
何も考えたくない。
考えても何も生まれない。
もう自分がわからない。
未来とか将来とかぶち壊したくなって……。
もう自分をだしつくしたよ。 君の前で……。
それでも何も……変わらない。
もう僕には何もない…
暗い部屋にキラリと光る鋭いナイフ。
左手首にあてて、震えてる………。
無表情の顔から、落ちる涙。
変わりたい。
でも僕は僕でしかなくて………。
変われない。
ナイフを何度も、何度も振りぬく。
切っても切っても悲しみは消えない。
もう痛みも感じないから………。
今までのこと振り切るように切り続ける……。
もうやめたい。
人生なんて疲れるだけだから…。
でも少しだけ、楽になった。 そう思いたかった。
次の日もいつもと同じように学校に行く。
「おはよう。」
友達にあいさつされる。
「おはよう」
僕は返す。
嘘の明るさ。
嘘の笑顔。
もう本気で笑うこともないのかな………。
左腕をリストバンドで隠して僕は笑う。
仮面をかぶった笑顔で笑う。
夜になればまた………。
でも大丈夫。
無理してるうちに無理が普通になって、また本気で笑える日がくるから。
そう信じてる。。