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どこまでもすすむ  作者: 花鶏
回想編
16/17

出会いそしてすすむ

30分荒野をすすむ、特に話は無く大人しく連行された。

そろそろ30分かなと思っていたら前方に大きな岩山が見えてきた。


「ついたな」


ダグがかすかに聞き取れる位の声で喋ったが、大岩しか見えない、町などは無さそうだが。


「ついたって?この大岩がギュルヴィの町ですか?」

「ああ?ありゃ岩だ、あれが町に見えるなんてバカか?」

「アウズ、口が悪いぞ、初めて来たなら解らないのもしょうがないわ」

「取り合えず信号を送れ、ヨルズは周囲の警戒を」

「解った」

「へいへい」


ダグの号令で何か支度を始めた。

ヨルズは細長い望遠鏡の様な物で辺りを見渡している。アウズはランタンの様なものを出して大岩の近くまで歩いて行く、ダグは俺の体を縛った縄を持ちながら佇んでいる。


「周りにモンスターや帝国の奴らは居ないわ」


ヨルズが大声で報告してきた。


「良し、アウズやれ」

「はいよ」


ダグの号令でアウズが持っていたランタンの様な物に手を翳すと、ランタンの様な物に火がともった。アウズの前の大岩に少し削られたような穴が開いていた、その中をよく見ると、レンズの様な物があるのが解る、そのレンズに向けてランタンの様な物の火が点いたり消えたりを繰り返した。


「良し、アウズ、ヨルズ集まれ」

「了解」

「おう」


皆がダグと俺の側に集まる、暫くの沈黙の後大岩の一部が軋む様な音を上げる、その一部が競り上がり、人が3人程横に並んで入れそうな入口が出現した。


「良し行くぞ」


ダグに先を促されその入口に入って行く、中に入って歩きながら周りを伺う、洞窟の様な感じだが壁自体が淡く光っており、洞窟の様な薄気味悪さは無い、岩自体が光を放っているのだろう、不思議だ。入口から横に入って、100メートル位入った所で行き止まりになった。


「奥の方に寄ってくれ」


ダグに促され奥の壁際に寄る。皆が一塊りになった所でヨルズが壁をまさぐる、よく見ると窪みがありその中にボタンの様な物がある。そのボタンを押すと同時に立っていた足場がガタガタと揺れた、そして下の方に潜って行く、まるでエレベーターだ、暫くして目の前が急に明るくなったと思ったら、足場に軽い衝撃を受け下降が終わる。


「着いたぞ、此処がギュルヴィの町だ」

「……凄い」


そう凄い、目の前には外で見た大岩の下に作られたと思われる町がある、見渡す限りかなり大きな町だ、街並みも美しく、綺麗に舗装された道、元々の岩から作られたであろう家やビル、街灯も設置されているが、周りの岩自体が光を放ち家やビルも淡く光っている、その光景は幻想的でまさしく美しい。そんな美しい街並みに感動しながら歩いて行くと、目の前に大きな門の平屋だが広そうな建物の中に入って行く。


「取り合えず君には、取り調べ、まあ事情聴取を受けてもらう」

「はい」

「此処はギュルヴィの町の冒険者ギルドだ」

「冒険者ギルドですか?」

「ああ、まあ帝国市民には解らないのも無理はないな、取り合えず治安を守っている組織だと思っていれば言いよ」


ダグはそう言うと、先を促しながら奥に進んでいく、門を潜り、入口のドアを跨ぎ、ホールを横断していく、ホールには受付の様な所があり、その周りに沢山の人が集まっていた、そのホールの奥にまた受付がありその前まで進む、そこには10代後半位の金髪を腰まで伸ばした可愛い女性が座っていた。


「やあグナー、マスターに面会したい」


グナーと呼ばれた受付の女性が立ち上がる、身長は160㎝位か、目は青色で肌は白く、金髪に良く合うと思う。


「ギルドマスターに合う理由は?そこの女性と関係あり?」

「ああ、まあ不審者を連れて来たからね、その対応を相談したいんだが」

「不審者を町の中に入れたの?」

「まあ、怪我もしているし帝国の奴らに追われているそうだし……ね」

「ふ~ん」


グナーが足の先から頭の先まで舐めるように見てくる、結構嫌な視線だ。


「グナー、君の好みなのは解るがその視線は失礼だぞ」

「あらダグ、私の好みの女の子を貢いでくれる訳じゃないの」


うわあ、そっちの人ですか~、うう背中がゾクッとしたぞ。


「はぁ、取り合えず一室を借りたい、そこで傷の手当てを受けさせてあげたいのだが?」

「まあ良いわ、奥の待合室を使いなさい」

「了解」


奥の一室に入る、待合室と言っていたが、部屋には大きめのソファーが4つと、長机、大きめの棚が1つと言う簡素なつくりだ、ソファーの1つに座らされると手の縄を解かれた。


「良いんですか?」

「逃げるのかい?」

「いえ、でも」

「まあ、此処まで不審な行動もしなかったし、それ位は信用しているって事さ」

「はぁ」

「取り合えず傷の手当てをしよう、医者を連れてくるから楽にしててくれ、ああ一応この部屋からは出ないでくれよ」

「解りました」


そう言うとダグは部屋を出て言った、部屋の外にはアウズとヨルズもいたようだ、何かを話しながら一緒に去って行った。

その後しばらくするとダグが医者を連れてきた、しかし大きな傷も俺が事前に治療をしていてすでに傷がふさがり新たな肉もできている、医者は不審がっていたがこれが我が国の技術力だ、しかし無くした血は戻らないので輸血をしてもらい、体を綺麗に拭いてもらった、血だらけだったしね。


「治療は終わりだな、これからギルドマスター、まあ、この組織の一番偉い人に会ってもらう、少し待っていてくれ」

「はい」


そう言ってダグと医者は出て言った。しかしこれからどうなるんだ?なんて説明すればいいんだ?てか此処の立ち位置が解らなきゃ答えにくい。帝国と言う言葉が出てきたが、多分俺が戦ったスノッリ宇宙軍の奴らの事を指すのだろう、そしてその帝国の奴らと此処のギュルヴィの町の人間は敵対している、敵の敵は味方と言うならギュルヴィの町の人間は味方と言う事になるが、そう上手くいくとは思えないし……、まあ成る様にしかならないか、下手な嘘はつかない方がいいかもな。





「先生、血液は採取しましたか?」

「ああ、今犯罪者のデータベースにアクセスして照合している」

「勝手にゲートをくぐって来たと言ってましたが?」

「うむ……お出たな」

「どうです?」

「……不法入国者と出ているが、名前や年齢など不明になっている、て言うか罪状とこの逃げる途中の写真以外不明となっている」

「うーん……怪しい……ですね」

「ああ」

「怪しいなら問いただせば良いだろうが、こんな所で唸るなダグ」


フリーンが居る待合室の少し離れた廊下で、ダグと医者が話していると、大きな男が軽快な口調で話しかけてきた。


「ソール」

「ダグ、取り合えず悩むのは事情を聴いてからだ、そこの待合室だな」

「はい、しかし一応下調べも重要ですよ、それで嘘が解ることも多々ありますし」

「いいから、いくぞ」

「解りました」


そう言うとソールとダグは待合室へと進むのだった。





自分の置かれた状況やこれからの事などを考えていると待合室のドアが開き、ダグと大きな男が入って来た、てかかなり大きい、身長2m位の大男だ、髪は短く刈られた金髪、筋肉隆々で肌は黒く焼けている、歳は30後半位か、健康的なオヤジって感じだ。


「やあ、俺はこのギルドのマスター、ソールだこっちはダグ、君は?」

「ああ私は……」


ん?俺はエイルだがフリーンだよな……何と答えよう、エイルだと男の名前で可笑しいよな、フリーンだと見た目との一致は見られるが、俺的にどうなんだ?体は記憶と魂以外はフリーンだし、フリーンと答えるべきか……。


「……私はフリーンだ」

「ふむ、ではフリーン、なぜ帝国に追われている?」

「一応ゲートをくぐったと言っていましたが?」


ふむ、どう答えるべきか、ダグにはとっさに、犯罪は犯してないが、ゲートを潜ったのがいけなかったのかも、と答えているが……正直に話すべきか……。


「どうした?」


ソールが此方を伺うように聴いてくる、まあ不審がっているんだろう。仕方がない、話すか。


「……その、私はこの星の人間ではないんだ」

「ん?どう言う事だ」


俺はソールに地球という惑星の士官学校の訓練中に、スノッリ宇宙軍に襲われ、脱出艇でこの星に逃げ込み、宇宙軍の奴らに追われている途中でダグ達と出逢ったと話た。もちろん俺がエイルの記憶と魂を持ったフリーンだとか、アリエルの事などは話してはいないが。


「なるほど、まあ嘘はついてい無さそうだが、証明はできない……な」

「はい」

「ソールどうします?」

「まあこの分ならSC(ステータスカード)は持っていないだろう、それで確かめよう」

「なるほど」


そう言うとソールは折りたたまれたノートパソコンの様な物を出してきた、それを開くと中には、手の形の窪みと、トランプカード位大きさの窪みがある。


「これは?」

「これはSC(ステータスカード)作成機だ」


にこやかにソールが語る。


「SCとはなんです?」

「うむ、読んで字のごとく自分のステータスをカードに表示させるのだ、これは一度作成すれば勝手に更新されていく便利なカードだ、その項目は自分の名前、レベル、称号、体力、魔力、筋力、俊敏、運勢、特技、装備、経験値と言うステータスが表示される、その中の称号に自分の所属が現れる、因みに、レベルは最大で100らしい、体力、魔力、筋力、俊敏、運勢は最低がGでF、E、D、C、B、A、Sと上がって行く、しかし運勢は別で基本変わる事はない、特技は特殊能力が表示される、経験値は今まで得た経験値が表示される」

「なるほど、そんな便利な物があるんですか?」

「まあこの星は遥か昔からこう冒険者なんてのがいたからな、それでかな」

「なるほど、ではこの手の形の窪みに手を着けばいいんですか?」

「ああ、少しチクッとするが我慢してくれ」


俺がSC作成機に右手を着けると、ソールがトランプカード位の窪みにカードを入れた、あれがSCなのだろう、SCをセットすると機械音がすると同時に、人差し指の先にチックっとした痛みを感じた。


「良し出来た、さっそく見させてもらおうか」


ソールがSC作成機からSCを取り出す、それを3人で覗き込むと……。





※ステータスカード



フリーン・フェンサリル


LV:8


称号:連合宇宙軍准尉、魂を引き裂かれし者、神の涙を受けし者


体力:E


魔力:D


筋力:E


俊敏:D


運勢:A


装備:連合宇宙軍支給の服


特技:風の聖霊の力(LV2)、水の精霊の力(LV1)


経験値:3200(次のLVまで400)




と出ていた。これは?高いのか低いのか解らん、称号も3つあるし。どうなんだ?と言う視線をソールに向けてみると。


「うむ、嘘は無かったようだな、しかし魂を引き裂かれし者、神の涙を受けし者とはなんだかよく解らないな、まあ能力地的には普通の冒険者て感じか?特技は魔法か?魔法なら()内のLVは最大10まで上がるぞ、しかし運勢Aは高いな」

「そうですか、でどうなりますか?」

「そうだな、取り合えずうちで預かろう、帝国の敵なら俺たちの仲間だ、ただ働いてはもらうがな、働かざる者食うべからずだ」

「具体的には何をすれば?」

「うちは冒険者ギルドだ、その仕事をしてもらう、まあ詳しい話は明日で良い、今日から家の客間に泊ってくれ、娘に案内させよう、ダグ、グナーの所に案内してやってくれ」

「解りました」


グナーって、もしかしてさっきの……そっちの人ですか。

すいません、遅ればせながら更新です。

亀更新でほんとごめんなさい<(_ _)>

今回誤字多いかもです、気になったら指摘していただければ幸いです。


何はともあれ、読んで下さっている皆様に感謝(*^。^*)。

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