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どこまでもすすむ  作者: 花鶏
回想編
13/17

町が全く見えないよ~でもすすむ

《あ……お……》


《朝だ、おきろ》


「あ、さ」


重い頭を振りながら起きる。

目に太陽の光が入り込み否応なしに覚醒を促される。


「アリエル、どの位寝てた?」

《まあ、6時間位かな》

「ぐ、寝過ぎた」

《まあ、敵やモンスターは現れなかったぜ》

「それは良いが……追手が現れないのはおかしいな」

《見当違いな方向を探してんじゃね?》

「むう、それなら良いが」


しかし、やはり辺りを見渡しても建造物は見えないな、少し不味いか……行き先を限定させないために情報を聞き出す時、町の位置を聞かずに気絶させたが失敗か?食料や水も後2日位しか持たないし。しかし不味いなこの保存食……固形スティックの保存食しかないけどこれってパッサパサだから喉渇くし、本国に帰ったら固形じゃなくゼリー状とかにしてくれって文句言ってやる。


「うむ、ごちそうさま」


さて、出発するか。そう言えば昨日、あんまり考えずにアリエルの力を使ったけど、結構凄い威力だったな。

《まだまだだぜ、俺の力の2~3割位しか使えてない》

「そうなの?」

《ああ、まあ使ってるうちになれてくるだろ、とりあえずバンバン使え》

「そんなバンバン使って俺に影響ないのか?」

《まあ精神力?みたいのは減るんじゃね》

「精神力?」

《ああ、小さい精霊の欠片を使う場合はあんま感じないだろうけど、俺位の聖霊の欠片の場合、お前の精神の力を代償に力を行使すんだよね》

「それって使いすぎると体に異常出たりするのか?」

《まあ、だるくなったりするだろうな、もちろん精神力を使い切ったら力は行使できなくなるぜ》

「じゃあ無駄に使って、もしもの時に使えなくなったら不味いだろ」

《使わなきゃ何時までも力の使い方は上達しねえ》

「むう、じゃあどの位使うと限界かってわかるか?」

《そうだな……昨日使ったウィンド・カッターとウィンド・ウォールが3で、ウィンド・ブレットが2だとして、お前の最大値が60位だな》

「お、結構使えるね」

《まあ、寝て最大値まで回復してるしな、気になった時は、俺に聞けば何時でも現在の精神力の値を教えてやるよ》

「精神力の値はSPと呼称しようと思いますが?」

《SP?》

「ああ、spirit pointの略」

《まあ、良いんじゃね?》

「因みにSPを使わない力は無いのか」

《俺には無いな、まあサーチなら1だけど》

「サーチ?」

《ああ、お前を中心に風を起こして周りの状態を調べるって技だ、力の使い方に馴れれば半径2~3キロくらいまでサーチ出来るけど、今のお前じゃ2~300メートルが限界かな》

「2~300メートルでも凄いぞ、索敵に持って来いじゃないか」

《まあ、そうだな》

「よし、なら歩きながら、たまにサーチを使うようにしよう」

《了解~》

「とりあえず、サーチ」


俺の体を中心に微風が波紋のように広がって行くのが解る。頭の中に微風の通った場所の地図の様な物が見えてきた、結構詳細に見えるが岩や木の陰は解りにくい、多分風が当たって無いところは見えないんだな。


「よし、人やモンスターはサーチした中には居ないな」


じゃ、歩きますか。







くそ、まったく人っ子一人見えない。あつい、もう朝から4時間は歩いてるぞ。


「とりあえずサーチ」


ん~頭に入ってくる情報は~、何もなしか~、お?端っこの方に柵みたいのが見えるぞ、何だ?とりあえず向かってみるか。

柵の様な物はまさしく柵だった、しかし地平線まで続いてる柵だな、何だろう。


柵に近づくと看板がある、が読めない。絵も描いてあるが、これはモンスターが柵の中に居てドクロマークが描いてある。多分この中にモンスターが居るってことか?なら行かないほうが良いな。取り合えず柵沿いに移動してみるか。


柵沿いに移動する事3時間、ゲートの様なものが見えてきた。


「サーチ」


ふわっと微風が起こる。

うむゲート周辺に人はいない、ゲートに2人か、武装は、しているけど詳しくは解らないな、多分大きさから2日前に戦った奴らと同じライフルだな。隠れて近づいて反撃を受けないように奇襲かな?

「アリエルSPは?」

《いま39だな》

「よし」


気づかれないようにゆっくり進む、敵まで200メートルて所だな。


「アクセル」


体がフワッと軽くなった、走りだす、アクセルの効果で普段の2倍位の速さで走る、まさしく加速だ。敵が気づいてライフルを発射してきた、しかし当たる前に左右にステップしながら接近する。


「ぎゃ」


敵の一人に蹴りをくらわす、側頭部に見舞った蹴りはアクセルの効果で普段の2倍のスピードでヒットした、スピードが上がり威力も上がったようだ、頭蓋を破砕したようで、倒れた敵は一言悲鳴を発した後痙攣している。もう一人の敵は恐怖に体がすくんだのか、ライフルを構えながらも、固まったかのように、細かく震えながら此方をうかがうだけだ。確かに普通の人間にしたら恐ろしいだろう、ライフルの弾をよけながら接近してきて、目にも止まらないハイキック、頭蓋を破砕する嫌な音に、目が飛び出し、耳や鼻や口から血を吐く同僚をまじかで見れば、恐怖に慄くのも解る、しかし、今のところ君を殺したく無良いんだよね、情報がほしいし。


「武器を捨てろ」

「ヒィ」


体を震わせるだけで武器を捨てられないようだ、まさしく恐慌状態。不味いな、こうなると何するか分かんない、下手したら殺しちゃうよ?こっちは歩きっぱなしでちょっとムカついてんのに、手を掛けさせんなよ。


「殺しはしない、ゆっくり武器を捨てろ」

「はひぃ」


だめだ、武器を捨てようとしない。仕方がない、近づいて武装解除させるか。


「少し近づくぞ」


手を伸ばし、近づこうとする。


「ヒィー」


いきなりライフルを発射してきた。


「クソ」


右側に飛び退く、しかし至近距離の攻撃だったために左腕に掠った。服が切れ鮮血が舞う、掠ったといってもライフルの弾だ、肉は抉れただろう、痛い。結構ムカッと来た。


「トルネード」


敵の足元から竜巻が巻き起こる、直径2メートルほどの竜巻が空高く舞い上がる。


「ぎひゃ」


カッとしてやった、後悔はしていない。

嘘です、後悔してます、竜巻に巻き込まれた敵は体中切り裂かれ、空高く舞い上がり、竜巻の発生源から10メートル位離れた所に吹き飛び、空高く頭から落下した影響で、頭部が潰れたトマト状態だ、竜巻は近くのゲートを破壊してやっと消えた。


……やってしまった、唯一の情報源を殺ってしまった。

《あ~あ、殺っちゃったね~》

「ぐ、取り合えず殺ってしまったのはしょうがない」


壊れてぐちゃぐちゃなゲートを調べる、何かないか?

無い、何も無い。

敵の持ち物を調べる、蹴り殺した敵の持ち物は、ライフル、ライター、タバコ、ライターだけパクル。もう一人は、チョコバー×3、飴×5、水筒……何こいつ?遠足じゃねえぞ、まあ有り難いからパクルけど。

しかしやばいな、町に行く手がかりすらない、周りを見渡してもやはり何もない。


「アリエル、SPは」

《残り15だ》

「15?減りすぎじゃない」

《アクセルが4、トルネードが20》

「トルネード20?」

『そう』

「まさしく、やってしまった、無駄にSP使った」

《もう少し冷静に殺れよ》

「むう、いて、落ち着いたら左腕が痛くなってきた」

《アドレナリンが切れたんだろ》

「クソ」


服を脱ぎ傷ついた腕を見る、2センチくらい棒状に肉が抉れている、深さはさほど無い救急キットを出し消毒して、止血シートを張っておく、この止血シートかなり高性能で、この位の傷なら2~3日すれば傷が消えてしまう。


「ちょっと疲れたな、幸いゲートの一部が残っている、風雨は凌げるし少し休もう」

《長居するのは不味いんじゃないか?》

「少しだよ、ちょっと休むだけ」


少し崩れたゲートの中に入って、スペースを見つけ横になる、異様に疲れた。

《多分トルネードのせいだろ、慣れてないのに一気にSPを使ったため、疲れが一気に来たんだ》

「そうか……」

《なんかあったら起こす》

「うん、おね……が、い」


回想編?長いな、もうちょっと早く終わらせるつもりだったんですが……。


読んで下さってる皆様ありがとう<(_ _)>


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