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ひと夏の記憶  作者: まなつか
第四章 「あおいうみ」
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第一話 「海へ」《一稀》

「よし、これで全員なんだよね」

 何日ぶりかに桜田の姿を見た。すっかり焼けてしまって病院の中に引きこもっていて真っ白な僕とは対照的である。

 美咲さんはスカートを穿いていて、それがまたよく似合っていた。その隣には高林さんが道端に咲いているようなスミレみたいに静かに微笑んでいた。白いワンピースがよく似合う。

「ちょっと待って。あと一人」

 美咲さんが桜田を制して言う。

「やーっ、すまないすまない!」

「うわっ」

 思わず一歩引いてしまった。

 Tシャツに半ズボン、サングラスをかけたおっさん――もとい、谷川が駆けてきたのだ。

「これで全員」

 美咲さんがそう言った。

「え、谷川も?」

「うん……そう。もし万が一が私にあったら大変でしょ」

「そうだよね」

 なんだか少しがっかりだ。



「おぉ……さすが医者ってことだけあって金持ちだな」

 五人で谷川の高級車で海へと向かっている。

「いやいや、そんなことないよ。ローン組んでやっとのことで買ったんだから」

「へえ」

 運転席はもちろん谷川、隣の助手席に僕、後ろの3つの席に桜田、高林さん、美咲さんが座っている。桜田は恥ずかしいのか黙ったまま外の景色を眺めていた。高林さんと美咲さんは僕が聞いてもどうでもいいと思えることを楽しそうに話している。

「いやぁ、でもやるねえ。夏野もさ」

 サングラスをかけたまま運転している谷川が前を向いたまま言う。僕も前を向いたまま言う。

「何がだよ」

「もう次の日にはデートかい。しかもダブルデートなんて」

「違うよ! 遊びに行くだけだ!」

「まぁ、いい一日になるといいね。笑うことから治る病気だってあるかもしれない」

「医者がそんなこと言っていいのか」

「人間には科学じゃ解決できないこともあるのさ」

「そういうもんか」

「そういうもんですねー」

 陽炎がゆらゆら揺れる道路を車は進み続けた。



「いやー、結構早くついたね」

 バタンと黒いドアを閉める。みんなそれに続いて車から降りる。キンキンに冷え切った車内から熱したフライパンの上に放り投げられたような暑さの外に出るとなんだか目眩を起こしそうだ。

 だけどそんなもの目の前の景色を前にしたら吹き飛んでしまった。

「海だーっ!」

 高林さんが叫んでビーチサンダルをぺたぺた言わせながら砂浜へと駆けていく。

「待ってよ!」

 それを追って美咲さんが砂浜へあがる。

 ザクザクという足音は遠くへ行き、次第に波の音にかき消されてしまった。

「暑いな」

 桜田が手をサンバイザー代わりにしながらつぶやく。谷川は鼻歌を歌いながらトランクからバカンスクーラーを出している。覗くと釣り竿などもあった。

「君……桜田くんだっけか」

「は、はい」

「荷物持つの手伝ってくれないか? ほら、夏野も熱中症に倒れることはあっても死なないから今日は酷使するからな」

「うわひでえ!」

 僕の両手にずっしりと重いバカンスクーラーが置かれた。白い天板がきらきらと夏の太陽を反射していた。




 なんかもう脱力感というか、半ば鬱なのでとうぶん休載させていただきます。

 休載だけに救済求む……なんてね。はは。


 神様でも信じれたらいいんですけどね。信仰心がものすごい薄いので。

 はは……ははは……

 たぶん、そろそろもう一人の僕が別に連載作品書いてくれると思います。

 私は、これで。


 しばらく、さようなら。




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