第1章 総集編
イッキ読みしたい人におすすめです。テンポ良くはなってますよ。では楽しんで!
これは、世界を巻き込む巨大な戦争の最前線で戦う軍人、ヴィクター・クロウがBLACK NINJAと呼ばれ、この世の全ての戦争を終わらせるまでの物語である。
13年に渡る戦争の真っ只中。最前線で戦っている兵士たちがいる。かの有名なクロウズ隊である。クロウズ隊はここ最近で急激に戦績が伸び始めた隊として、軍の間ではそこそこ有名になっていた。その飛躍的な戦績の伸びを実現させたのは、クロウズ隊を指揮する隊長だ。そんなクロウズ隊の隊員たちはどうやらこの戦いに苦戦しているようだった。
隊員A「クソッ!いくらなんでも敵が多すぎる。」
弾丸が虫のように飛び交っている。敵は障害物に隠れて、こちらからは狙いにくいという状態だ。
隊員B「弾薬が底を尽きそうだ!誰か代わりの銃を!!」
隊員C「おい!しっかりしろ!まだ死ぬな!」
隊員D「殺せ.......」
隊員C「バカなこと言うんじゃねぇ!!全員生きて帰るぞ!」
隊員A「隊長!もう保ちません!」
飛び交う銃弾の数は周辺に倒れている死体の数よりも多い。聞こえるのは「バン!」や「ドッカーン!」なんて幼稚なものではない。うめき声や悲鳴、精神が狂って発狂する者の声、泣き声。そんな耳が情報過多でシャットダウンしそうな状況で隊長であるヴィクター・クロウが下した決断はこうだ。
ヴィクター「いや、いける。やるんだ。」
ヴィクターが立ち上がって取り出したのは、ライフルなどではない。大量の手榴弾だ。ヴィクターはニヤリと口角を上げた。ヴィクターはこれを四方八方、いや、完璧に爆発の範囲を計算した最も効率のよい方向に放った。すると、至る所にいる敵兵の場所をピンポイントで爆破。敵兵の悲鳴や勝てるという希望を無残に散らした。残ったのは隊員たちの沈黙だけだ。
隊員A「すっげーな。流石だよ。隊長。」
隊員B「全員片付けやがった......。どんな脳みそしてたらあんな完璧に飛ばせるんだ??」
喜びも一瞬に終わり、悲しみが訪れた。
隊員C「隊長!!Dが!」
隊員D「隊長......最後に......これを......。」
隊員Dがヴィクターに渡したのは自分のドックタグだ。震える隊員Dの手をガシッと掴んで、ヴィクターは言った。
ヴィクター「Dが死んでも、Dの意志は死なない。お前の墓にはしっかりとコーラを注いでやるよ......。」
隊員Dは最後に微笑むような顔をして息を引き取った。
ヴィクター「この辺に敵兵はいないはずだ。今のうちに退くぞ。もちろん、Dも運んでな。墓を作りに行くぞ!」
隊員一同「 「 「 は い!!! 」 」 」
クロウズ隊が先ほどの戦地から離れて歩いていくと、シュルシュルという不気味な音が聞こえてきた。
隊員A「な、なんだ!なんの音だ!!」
隊員B「わ、分からない!敵兵はこの辺にはいないはずだ!!」
隊員C「良かった!幻聴でも聞こえてるのかと思ったぜ!」
周囲に警戒するクロウズ隊の耳元にコツコツという足音が響いてくる。
??「おやおや。こんなところに人がいるはずではないのだがね。排除しなくちゃいけない。」
若い男の隣に、ヒトの形をした真っ黒い影に翼が生えた。みたいな化け物がいる。とにかく今はこんな説明しかできないぐらい見たことがない。
化け物「ククククク.....、こいつら全員殺すのか??大賛成だぜ.....。」
何か様子がおかしい。目の前にいる"それ"が人間ではないと確信した隊員たちは一目散に逃げ始めた。
ヴィクター「お、おい!お前ら!勝手に動くな!」
??「まあ、逃げても無駄なんだけど。殺れ。」
化け物「クククク.....、あいよ。」
化け物が手をかざすと、逃げた隊員たちを化け物から分身した影が追いかけた。そして、隊員たちは倒れた。死んだのだ。どういう原理だそうなったのかはヴィクターには全く分からなかった。ヴィクターは恐怖で身動きが取れなかった。化け物がヴィクターに矛先を向けると、ヴィクターに眠っていた本能が目覚めて、脚を動かした。ヴィクターはもう誰もいないであろう場所に逃げ込んだ。そうすると、何故か分からないが、影の化け物は追いかけてこなかった。
??「チッ。」
ヴィクター(仲間が全員殺られた!全員だ!!こんなの絶対におかしい!一体何なんだあの化け物は!落ち着け落ち着け.......何故だか分からないがもう追ってこない.....。顔でも洗おう。とりあえず落ち着くんだ.....。)
ヴィクターが洗面所で顔を洗っていると、目の前にある鏡からキュオーーーンという聞いたこともない不思議な音がした。
ヴィクター(何の音だ!さっきのやつか??)
反射的に銃を向けたが誰もいない。
ヴィクター(良かった。大丈夫そうだな......。)
そう思ったのと同時に、ヴィクターは鏡から溢れ出す青色の光に包まれた。
ヴィクター(な、なんだこれは!!)
ヴィクターが目を覚ますとそこには見覚えのない光景が広がっていた。身に覚えのないその場所はどうやら何らかの研究施設のようだった。大きな鏡がたくさん壁に貼られている。いや、敷き詰められるように貼られている。と言ったほうが正しいのかもしれない。
ヴィクター(イカれてるぞ......なんだこの鏡の数は.....。何のためにこんなことを....?)
上の方からコツッと足音がした。
博士「成功だな.....。君がそうなのだな.....。教えてくれ......。君が見てきた全てを......。」
見た目はすごく年を取った老人だ。何かすごく焦っているように見える。よく見ると白衣を着ているからここの研究施設の人かもしれない。だが、ヴィクターが口を開くのよりも、老人が話し出す方が早かった。
博士「混乱しているだろう。若き軍人よ。よく聞くのだ。ここは君からしたら、過去の時代だ。君はタイムトラベルをしたのだ。」
ヴィクター「タイムトラベル?何を言ってんだ!ふざけたことを言ってんじゃねぇぞ!!そんなことができるんだったら、あの化け物を.......俺の仲間を......」
ヴィクターはタイムトラベルなどと怠けたことを言っているこの頭のおかしい老人に向かって必死に抗議した。
博士「化け物というのが何かは分からんが、その通りだ。君には未来を変えてもらう。そう。平和な未来にな。」
ヴィクターは一体この老人が何のことを言っているのかがさっぱり分からなかった。そもそも、タイムトラベルとやらが本当に存在していて、自分が本当に過去に来ているのかも分からないといった状況だった。ヴィクターの頭の中でさっきの化け物への恐怖とこの博士の話のどっちを取るか迷ったが、ひとまずここはこの博士の話を聞くことにした。
ヴィクター「アンタが何を言っているのか全く分からない。俺がタイムトラベルをしただって?ここ....」
博士「混乱するのも無理はない。あまり実感がわかないのも当然だ。口で言っても分かるまい。百聞は一見にしかずと言う。ここが君にとっての過去かどうかは自分の目で確認することだ。」
博士はそう言うと、ボタンを押した。
ウィーンという音とともに巨大なシャッターが上がった。ヴィクターの視界に入ったのは戦争のせの字も感じさせない平和な風景だった。
ヴィクター「これは......、どういうことだ?戦争は?ものすごく平和じゃないか!!だとしたら、どのぐらい過去なんだ??」
全く信じられない光景であったが、街には沢山の人がいて、建造物が壊れたりしていない。どこからどう見ても平和そのものだ。過去とでも言わなければこの平和は説明できないからだ。
博士「残念ながら戦争自体はすでに始まっている。この戦争が始まってからもう5年は経過している。この場所は戦地から結構離れているからな。だからまだこの平和あるのだ。」
ヴィクター「俺がいた時代では戦争が始まってから13年だったぞ。」
博士「13年......、そんなに長く続くというのか.......
この戦争は.......。......つまり君は、8年後の未来から来たということだ。その8年後というのはどうなっている。」
博士はヴィクターに問いかけた。
ヴィクター「ひどい有様だよ。死体死体死体、目にはいる物なんて死体か血のどれかだ。銃声を聞きすぎて、もう耳が変になりそうだ。」
博士「........。嫌なことを聞いてしまったな。」
ヴィクターはさっきから気になっていたことを聞いた。
ヴィクター「なあ、教えてくれないか。俺が最後に見たあの鏡.......。俺をここに連れてきた鏡。あれは一体....?」
博士は「よし来た」というような顔をして、語り出した。
博士「そうだな。君には説明をしておかなければな。ついてきなさい。全て話そう。」
博士はそう言うと、歴史を感じる資料室のような場所にヴィクターを連れてきた。そこには今までの戦争や事件を全てまとめた分厚い資料が一冊置いてあった。(その周りには沢山の資料が山積みに置いてある。)
博士「これが私の5年間だ。戦争に家族は殺され、全てを失ったが、私の最終的な野望はこの戦争を無かったことにし、愛する家族を取り戻すことだ。こんなことは間違っている。と思ったか?だが、君にもあるはずだ。やり直したい過去が。」
博士は話しながら資料をヴィクターに渡した。ハリーポッターより分厚いそれをヴィクターはパラパラと目を通した。
ヴィクター「読むのに時間がかかりそうだからゆっくりしててくれ。俺は読むのが遅いんだ。」
その資料集にはこんなに分厚くなる程度には色々書かれていたが、簡単に要約する。そこに書かれていたのは、この戦争の発端となった悪の元凶であった。
"この戦争の元凶は、エイゼン・ウォーカー。"
ヴィクターはその名前を聞いて全くピンと来なかった。
ヴィクター「こんな名前聞いたことないぞ!エイゼンだって?こいつが全ての元凶だって言うのか?」
博士「そうだ。私も初めてこの名前に辿り着いたときは訳が分からなかった。エイゼン・ウォーカー。この男は確かに色んな事件の写真に写り込んでいる。」
ヴィクター「こいつをぶっ倒せば万事解決…………ってわけでもない。って言いたそうな顔をしてるな。」
博士は険しい顔をしながら、言った。
博士「そうだ。この5年で突き止めることができたのは名前のみ。色んなところに写り込んでいるこの男がエイゼン・ウォーカーだということは確かだ。だが、これほど大きな戦争を引き起こせる権力を持った男が本名を名乗っている可能性は低い。そして、何よりこの男の所在が分からない。いつどこで何をしているのか......。」
ヴィクターは閃いた顔で言った。
ヴィクター「あんた、タイムマシンを持ってるわけだろ??じゃあそれ使えば楽勝だろ。いつどこで何しようがこの写真が撮られたときには絶対にいるわけだ。」
博士「それはもう考えた。だができないのだ。」
ヴィクター「できない......??俺をこの時代にタイムトラベルさせることができただろ?」
博士は悲しそうな顔で言った。
博士「君がここへ来れたのは奇跡なのだ。私は考古学者だから、理系の知識はさっぱりでな。この技術はまだ不完全というわけだ。」
ヴィクター「不完全ってどういうこ.......」
博士はゴホンと前置きをして言った。
博士「まあ、それは置いておいて、君も気になっただろう。鏡の謎についてだ。詳しく話そう。」
少し私(博士)の話をしよう。
まず自己紹介をしていなかったな。私の名前はアーサー・ロイド・ブラウン。皆、私をロイドと呼んだ...........。そういえばあの男の名前も聞いていなかったな。後で聞いておこう。さて、今から話すのは、私がこのタイムトラベルを実現するまでの話だ。少し長くなるかもしれないがしっかり聞きたまえ。
大昔のことだ。
私には息子と妻がいて、家族3人で首都から少し離れた土地で幸せに暮らしていた。これからもこんな生活がずっと続くものだと思っていた。私の職業は考古学者で、世界各地の遺跡や秘宝などについての調査を専門としていた。昔から映画の冒険家や探検家に憧れてごっこ遊びをしたものだ。
おっと、脱線をしてしまったな。本題に戻ろう。幸せに日々を過ごしていた私たち家族であったが、その幸せもあまり長いこと続かなかった。そう、あの戦争がすべての始まりであり終わりでもあった。あまり生々しいことを話すと、君も思い出してしまったりするかもしれないから詳細は言わないでおこう。
戦争によって家族を失った絶望で、何にも手がつかなかった私を慰めてくれたのは、大学時代、供に学問に励んだ考古学者で大学教授でもあった友人だった。私たちの両方が大切な家族を失い、逃げてきた。その友人が私にこう言った。
"あの砂漠を越えた先にあるスペキュラム遺跡には世界を変えるほどの古代兵器が眠っているらしい。"
博士「古代.....兵器......か。」
そう聞いて、私は思ったのだ。その古代兵器とやらで、この戦争をおっぱじめた張本人をぶち殺してしまえば良いのではないかと。流石に言葉が過激すぎたが、それぐらいの気持ちで私はスペキュラム遺跡へと旅を始めた。
もう汗が出てこないのではないかというぐらい歩いたその先にようやくその遺跡は私を招き入れた。遺跡の中に恐る恐る入り、警戒しながら奥へと進むと、そこには目を疑う光景が広がっていた。
そこには、正面の壁に一面の太陽が放つ光が描かれていて、左右の壁に描かれた影のようなものがそれから逃げている様子が描かれていた。
博士「なんだこれは.....??こんなの今まで見たことがないぞ!!」
職業柄、たくさんの遺跡や秘宝を見てきた私だがこのような壁画が描かれている場所など初めてだった。壁一面の太陽の前には台があり、その上に"それ"はあった。私が今まで追い求めてきたこの遺跡に存在するとされた古代兵器だ。
博士「こ、これが.......!!これがそうなのか!!」
私はその木箱を空けた。そこには古代兵器と呼ばれるモノとはほど遠い物が入っていた。数枚の紙切れだった。数枚の今にも破れそうな紙の集合体。私はこんなもののために長旅をしていたというのか。そう思った。
博士「紙.....切れ.......??」
だが、外見だけで判断してこの紙を投げ捨ててしまうのは良くない。私はしっかりと目を通した。そこに書いてあったのは、こうだ。
"光を制するものは全を制する。"
博士「これだ......!!長旅をした甲斐があった!!」
他の部分は知らない言語で書かれていて全く読めなかった。後に解読するそれが今のタイムトラベルを可能にする理論だ。だが、私にはこれを説明するほどの理系の知識がなかった。だから私は有能な科学者を探した。
この理論を解読できる人物がいないか、出会ったことがある人物、新聞などで取り上げられていた人物などに手当たり次第依頼した。だがどの科学者も全員首を横に振った。
博士「急がねば。誰でもいい。誰でも......これが理解できる者であれば.....!!」
急いでいた私は各地を走り回った。いつあの戦争が、この辺りまで広がるか分からないからな。幸い、まだ戦争は小規模であった。だが、徐々に広がっていく傾向が当時からあったのだ。
私たちの集落へと走っていく老人を見つけた。
??(敵かも。敵だ。そうに決まっている!きっと敵国の軍人か何かだよ!敵なら倒さなきゃ!!)
だから私は後ろから老人を勢いよく取り押さえた。
博士「ウグッ!!お前!何をする!」
??「ほら、おじさん!私たちの集落に何かしようとしているんでしょ!!言い訳しても聞かないからね!!」
博士「集落!?何のことだ!この辺に集落があるなんて聞いたことがないぞ!!」
??「嘘つかないで!そんなに暴れるなら....こうっ!!あ、やっちゃった......。どうしよう........。」
倒れた老人を見て、私は少し申し訳なさそうな顔をした。私は老人が持っている封筒を手に取り、中身を見た。
??「どれどれ〜?中身は…?」
中の紙束を見た私は本当に驚いた。予言の通りだったから。私たちの集落に、部族に代々伝わる予言の通りだったから。そう、私たちスペキュラ族に。
??「ちょっと大人しくしてね。」
私はこの老人を集落へと運ぶことに決めた。あの人なら、姉さんなら何か分かるかもしれないから。
??「ちょっと大人しくしてね。」
私はこの老人を集落へと運ぶことに決めた。あの人なら、姉さんなら何か分かるかもしれないから。
??「起きなよ。ねぇ、起きて。少し強すぎたかな.....??」
どれぐらい時間が経ったのかが分からないが、恐らくあの娘にやられたのだろう。中々痛いじゃないか......。
博士「.......。なんだ.....?ここは、どこだ......??」
??「ここは私たちスペキュラ族の住処。みんなこの場所をカレイドと呼ぶんだ。おじさんが持ってる"それ"、姉さんなら分かるかなと思って。ね!ルミ姉!」
ルミノア「全く。あなたったらすぐ外のモノを連れてくる。しっかりとした判断をしなさいと言っているでしょうに。コラ!レイ!聞いてるの??」
レイ「人を連れてきたことはないだろ!それより、このおじさんの封筒の中身解読できた?」
ルミノア「ええ、でもここの部分が少し欠けているのと長いこと置いてあって文字が薄くなっているので解読できない状態。でもまあ、大体の解読は完了よ。」
レイ「だって!おじさん良かったね!」
博士「解読.....できたのか!?私が解読を依頼した人間の全員が首を横に振ったというのに.......。教えてくれ。あなたは一体......??」
ルミノア「私の名前はルミノア。この集落の住人よ。その古文書、多分スペキュラ族の計算方式とスペキュラ語が使われているから誰にも分からなかったんだと思うわ。」
博士「そう.....だったのか。助かったよ。ありがとう。おっといけない。名乗らねばな。私の名前は、アーサー・ロイド・ブラウン。みんな、私のことをロイドと呼ぶ。.......それで、ここには何と書いてあった?私は考古学者だが、数式は分からないし、そのスペキュラ語とやらがさっぱり読めなかったのだ。」
ルミノア「なるほど。それで解読する人間を探していたのね。ここに書いてあった内容はこうよ。」
"光を制するものは全を制する。"
今からここに記すのは光と影を司るスペキュラオスの神秘である。
"光は万物の記憶なり。鏡は其の記憶を写し取り、時を繋ぐ門となる。"
"鏡に写りし刃は、光の礫となりて放たれる。其の威力は鏡の純なり"
"鏡の大きさは器の大きなり。されど、命ある者の光は儚く、鏡の中に留まれる刻は短し"
"鏡を渡る時、因
ルミノア「驚いたわ。スペキュラ族に代々伝わる予言に似たようなことが書いてある。」
レイ「それで、今の言葉で言うとどういうことなの??」
ルミノア「今の言葉で言うと、鏡は光情報を過去と未来で行き来することができる。そして、この辺はそうね。鏡に武器などを光情報にして保存することができる。鏡の大きさと保存できるものの大きさは比例する。なんだけど.......この次の欄が読めないのよ。」
レイ「本当だ。なんて書いてあるか分かんないね。」
博士「ふむ。そんなことが書いてあったのか。つまり......この戦争をなかったことにできる......そういうことか.....!!」
ルミノア「そうね。ここに書いてあることが本当なら、この戦争は止めることができるぐらい強い力にはなるわね。でも、この読めない部分が気になるわね......。って、ロイドさん??」
レイ「おじさんならさっき帰ちゃったよ。ものすごい目つきしてたもん。止められなかったよ。」
ルミノア「心配ねぇ。」
解読版は手に入れたので、さっそく博士は研究に取り掛かろうと走り出した。
私は走った。この技術を形にするのだ。一日でも早く......。急がねば、急がねば.....
博士「というのが私についての話とこの壁中にある鏡の謎だよ。」
ヴィクターは頷きながら何か思いついたように口を開いた。
ヴィクター「あんたの話はよーく分かった。」
博士「うむ。これから君にやってもらうのは、タイムトラベルを駆使して、この悲劇を無かったことにすることだ。」
ヴィクター「ああ、分かったよ。協力する。あの化け物のことも気になるしな。」
博士「ありがとう。嬉しいよ。今までずっと一人だったからな。寂しさが消えるというものだ。さて、おなかが空いただろう。どうだ?まだ平和が残っているこのルミナスシティで食事でも。」
ヴィクターは驚いて、飲んでいたコーヒーを吹き出した。今までの話は全て耳が受け入れていたが、急に耳が拒絶したのだ。
ヴィクター「な、何だって??」
博士「だから、食事でもどうかと.....。
ヴィクター「違う!!違うぞ博士!!その前だ!ここがどこだって??」
博士「ん?あ、ああ。ここはルミナスシティ。戦争に巻き込まれていない平和な街で.......」
ヴィクター「そこだよ。博士、俺の記憶では8年前のルミナスシティはもう戦争に巻き込まれている。」
博士は驚いたような顔で言った。
博士「何だと.......!?」
博士はしばらく考えたあと、ハッと気づいたような顔をして部屋に積み重なった資料の山をガサゴソと漁り始めた。
博士「........。あぁ、なんということだ。ずっと考えていても分からなかったが、この欠けて解読ができない部分.....。なんということだ.....。」
ヴィクター「おい、どういうことだ!説明しろ!」
博士は古文書を震える手でヴィクターに渡した。博士は顔面蒼白という言葉が似合うような顔をしている。
博士「どうやら私は少し早まりすぎたようだ。取り返せないミスを犯してしまったかもしれない……..」
ヴィクター「何が言いたい?」
博士「世界線が変わってしまったようだ……….。いや、正確には君からすればなのだが………..。」
“君から元の世界を奪ってしまったかもしれない。”
ヴィクター「なるほど、俺にも話が分かってきた。ぞ.......」
"鏡を通した光情報の時間移動には世界線の変動が伴う……."
博士「これこそが、この古文書の読めなかった部分の内容……..というわけか。」
ヴィクター「なあ、あんたには悪いが、俺は元の世界に戻りたい。家族だっているんだ。その家族を置いていくわけにはいかない。」
しばらく博士は考えて、
博士「そうだ。物理学者の友人から聞いたことがある。その世界にいた人間が元いた世界に戻らなければ、君のいた世界が消えてしまう可能性すら出てくる。だが……..やっと現れた希望が行ってしまうのは少し惜しいな……」
ヴィクター「あんたはこの装置を作れるまでになったじゃないか。世界線が変わってしまったとはいえ、この装置は成功しているわけだ。そのうちすごいメカを作るだろうよ。」
博士「ありがとう……..。失敗してしまったが、落ち込むにはまだ早いな。君を元の世界へと戻そう。よし、作業に取り掛かるぞ!」
装置が作動され、キュオーーーンという音が鳴り響き、研究室が青色の光で満たされる。
博士から焦りが消えたような気がしたので、ヴィクターは少し微笑んだ。古文書の束から一枚の紙がヒラヒラと床に落ちた。ヴィクターはそれを拾い上げて、何が描いてあるのか見てみると…….。
ヴィクター「なあ!これはあんたが描いたのかい??すごいイカした衣装じゃないか!」
博士「これは、(懐かしむように。)この古文書に書いてあることから可能と考えられる装備や武器、それを息子の好きだった異国の忍者と呼ばれる人間たちの服装と重ね合わせたものだ。」
博士(もうすぐお別れだ。)
ヴィクター「聞いたことあるぞ!ニホンってとこのすげぇ奴らだろ??ニンジャか………(何か閃いた様子で)これ、貰ってくよ博士!」
博士「あ、ああ。」
博士(名前を聞こうと思っていたのだ。)
ヴィクター「向こうの世界のあんたはきっと救われるだろうぜ!この俺、BLACK NINJA様の手によってな!!我ながら良い名前思いついちまったな。」
博士「(クスッと微笑みながら)もし向こうの私に会ったら、しっかりしろと言っておいてくれ!!」
博士(名前を……)
ヴィクター「ああ!分かったよ!ガツンと言ってやる!」
博士(今しかない!)
博士「君の名前は!名はなんという!」
博士(間に合うだろうか)
ヴィクター「俺の名前はヴィクター・クロウだ!!じゃあな博士!!」
青色の光がヴィクターを包み込み、鏡がそれを吸い込んだ。(そう見えている。)小うるさい軍人はいなくなり、残ったのは老人一人。博士は振り返るように言った。
博士「BLACK NINJA…….か。」
その日の夜、博士は眠っていた。静かな街にシュルシュルシュルという音が響き渡る。博士は何か視線を感じて、目を開けた。そこにいたのは、影に目がついたような人間に翼のついたモノと一緒にいる男だった。
化け物「クックックク。こいつだろ?お前が探してたの。」
??「ああ、そうだよ。感謝するよ。見つけてくれて。さて、おじさん。もう片方の古文書を渡してもらおうか。」
ヴィクター「俺の名前はヴィクター・クロウだ!!じゃあな博士!!」
青色の光がヴィクターを包み込み、鏡がそれを吸い込んだ。(そう見えている。)
目が覚めるとヴィクターはタイムトラベルをしたときのあの鏡の前に戻ってきた。時間がどれぐらい経っているのか経っていないのかも分からない。外に出て警戒しながら周りを見渡すと、どうやら完全に同時刻へ帰されたようだった。
ヴィクター(帰ってきたのか.....。あの化け物はいないだろうな.......??)
あの化物がいないかしっかりと確かめた後、隊員の死体を確認した。ヴィクターは隊員たちを土に埋めて、全員の墓を作った。隊員Dの墓にはしっかりとコーラをかけてやった。
ヴィクター「あの化け物......。絶対ぶっ倒してやるからな。」
置き去りにされていた荷物を取って、夢から覚めたように銃を装備して、歩き出した。目的地が決まっていなくて、ただ彷徨うだけの前とは違って、今はしっかり自分でどこへ行けばいいのか分かっていた。
ヴィクター(待ってろよ。博士。)
博士のところへ行くとは言っても、こんな激戦区の場所に拠点を構えている訳がないからとりあえず激戦区から離れた。
ヴィクター(これは逃げじゃない。進むための一歩なんだ。)
ヴィクターがしばらく歩いていると、
??「キャーーーーーーー!!」
子どもの叫び声が聞こえた。ヴィクターはすぐにその声の主を探して走り回った。この地獄のような世界で、一つでも救える命があるのなら救わない手はない。
ヴィクター(どこだ......どこにいる.......??)
ヴィクターはようやくその声の主を見つけた。そのときヴィクターは少し安心したような顔をした。そこにいたのはさっき別れを告げたばかりの博士だった。正確に言うとこの世界線の博士だ。だから、ヴィクターとは面識がない。
??「だって、犬怖いんだもん.......」
博士「落ち着くんだリリィ、ただの野犬じゃないか。あんまり大きい声を出すと、敵兵に見つかる。今のうちに拠点に戻るぞ。」
リリィ「うん....。」
ヴィクター(なんだ。ただの野犬か。良かった。)
ヴィクターはついさっきとはいえ、再会の喜びで博士を呼んでしまった。
ヴィクター「なあ、博士!久しぶりだな!って言ってm......」
ヴィクターが話し終わる前に博士はヴィクターに向けて、何か銃のような物の引き金を引いた。ヴィクターはビリッと音を立てて地面に倒れた。
博士「全く。だから大声を出すなと言ったのだ。敵兵が来てしまったではないか。たまたま電気ショック弾が残っていたから良いものを。」
リリィ「ごめんなさい....。」
博士「仲間を呼んだかもしれん。早く帰るぞ。」
博士は帰ろうとしたが、ヴィクターが大切そうに持っていた一枚の紙が視界に入る。それは、ヴィクターが向こうの世界線から持ち越したBlackNinja(本人が勝手に名付けた)の設計図だった。
博士(....なぜ敵兵がこれを持っている....。)
リリィ「博士、帰らないの?」
博士「ああ、帰るさ。この男を連れてな。」
博士は重たそうにヴィクターを抱えて、拠点へと向かった。
ヴィクター目を覚ますと、そこには4人の人影が見えた。口にガムテープを貼られ、縛られているので話を聞くことしかできなかった。
レイ「誰よ!この男は!あんた敵兵だったらどうするの??もしかしたら敵兵どころじゃ済まないかも....」
ルミノア「落ち着きなさいレイ。敵兵だったら博士たちに気づいた時点で射殺しているでしょう。エイゼンの手下だったら、影がないはずよ。」
レイが確認すると、ヴィクターには影があった。
レイ「影は.....あるよ。エイゼンの手下ではないみたいけど、まだ信用できるかわからないよ!!」
博士「そうだ。だが、なぜこの男が私の資料室にあるはずの設計図を持っていたのかだ。この光の忍者の設計図を......。」
博士たちはヴィクターの口に貼られているガムテープを剥がした。
博士「軍人よ。なぜ光の忍者の設計図を持っているのか洗いざらい吐いてもらおう。」
3人が何を話し出すのかと聞いていると、ヴィクターは今までに起こったことを全て話した。
〜か く か く し か じ か〜
博士「ふむ。鏡に吸い込まれた先が別の世界線.....。この設計図は向こうの私から貰ってきたものだと.....」
ヴィクター「そう!その通りだ博士!ようやく信じてくれたか!!」
ルミノア「そうでもなければ説明がつきそうにないものねぇ。」
レイ「じゃあ敵ではないんだね。リリィ出てきていいよ。」
リリィ「この人、悪い人じゃないよ。最初から分かってたもん。」
レイ「リリィの勘は確かに当たるけど、今回はそうは行かなかったの。ちゃんと確認しなきゃ。」
リリィ「それはそうだけど.....」
リリィの勘はよく当たる。今日の天気を言い当てたり、「あっち行かないほうがいい。」と言った先に爆撃が落ちたりすることがあった。ただ勘が良いだけではないのかもしれない。ヴィクターはそのやりとりを見ながら、博士に向かって言った。
ヴィクター「なあ博士、俺の潔白は証明できただろ??」
博士「ああ、そうだな。君のする話では光の古文書の最後のほうが読めなくなっていたと言ったな。この世界ではそんなことはない。そして、エイゼン・ウォーカーの名前以外何も分からないと言っていたが、この世界ではそんなこともない。」
ヴィクター「何だって??エイゼン・ウォーカーの詳しい情報がこっちの世界線では分かるのか!!教えてくれ!俺はアイツを博士のためにぶっ倒さなきゃならないんだ!博士っていってもアンタとは少し違うのかもしれないが......」
レイ「こっちの博士もあっちと同じよ。ただ、少し違うのは諦めたってところよ。失った家族をね。」
博士「ああ、そうだ。世界線を書き換えてまで、この世界を壊してまで救うことなどしたくはない。愛する息子が好きだったこの世界だからな。......エイゼン・ウォーカーの詳細だったな。ルミノア。」
ルミノア「はいはい。分かりましたよ。」
ルミノアは薄く束ねてある資料をヴィクターに手渡しした。ヴィクターはそれを手に取ると、開いてじっくり読み始めた。
【エイゼン・ウォーカーについての調査記録】
"まず始めに、エイゼン・ウォーカーは、この戦争を引き起こしたすべての元凶である。"
"エイゼンは、スペキュラム遺跡の地下に保管されていた影の古文書を手に入れたと思われる。その後、影の古文書の力を使って、世界を自分の支配下に置くために手下を増やそうと試みる。現在、エイゼンの手下は数え切れないほどに広がっている。"
"ただし、エイゼンの手下に加わった者を見分ける方法が一つだけある。その方法は対象者の影の有無である。エイゼンに忠誠を誓った者は、自らの影をエイゼンに捧げる。"
"だが、手下となった者には意識がなく、文字通り操り人形のような状態となっている。再び生き返るのかは分からない。つまり、エイゼンの手下に見つかったということは、同時にエイゼン本人にも位置情報が割れたということになる。外出の際は十分に警戒すること。"
資料を読み終わったヴィクターはしばらく考えたあと、質問をいくつか投げかけた。
ヴィクター「この影の古文書ってのは初耳だな。向こうの博士は地下なんて多分見つけてなかったぜ。」
博士「ああ、私が行った時にはもうすでに影の古文書はなかった。スペキュラム遺跡の大体の遺跡はこうだ。」
地面に対して対称に地下の空間があり、影が光を埋め尽くすような壁画が描かれている。
ルミノア「エイゼンは影の古文書のほうを見つけて、光の古文書は取らなかったということよ。これがどうにも引っかかるのだけど.....」
レイ「あいつが陰気な奴だっただけだよ!きっと!!何にせよ、光の古文書がこっちにあって良かったじゃない!!」
ルミノア「それはそうだけど.......。」
博士「そういうことだ。他に聞いておきたいことはあるか?」
ヴィクターはこれだけは外せないという勢いで質問した。
ヴィクター「なあ、この資料にはあの影の化け物と若い男について全く書いてないみたいだな。俺はてっきりあいつがエイゼン・ウォーカーだと思ってたぜ。どうやら、モブの手下以外に強い奴がいるようだな。」
博士とルミノアとレイはハッと驚いたようにリリィを見た。リリィは言った。
リリィ「だから嘘じゃないって言ったのに......。」
ヴィクター「なんだ??そのお嬢ちゃんが何かを知ってるみたいだな?」
レイ「何日ぐらい前だったかな、リリィが影人間が来るから気をつけろって騒いでるときがあったんだ。」
ルミノア「自分の影のことを言っているのかと思っていたのだけど.......」
博士は納得したように言った。
博士「なるほどな。その影人間とやらが......あぁ.....まだ名前を聞いてなかったな。」
ヴィクター「ヴィクター・クロウだ。よろしくな。」
博士「そう。影人間とやらがヴィクターの遭遇した化け物のことだったというわけだな。」
全員は完璧に納得したかのように揃って頷いた。
博士「教えてくれ。その影の化け物と若い男について。」
ヴィクターは過去にタイムトラベルする前の出来事の全てを話した。
ルミノア「なるほどね。人型の影に翼を生やした化け物.......」
レイ「そいつと一緒にいる若い男......」
博士「恐らく、エイゼンの手下だろうが、自我がある.....」
ヴィクター「仲間はそいつに影を吸われた......。でも、向こうの配下になることはなかった。全員死んだ.....。」
博士「なるほど......手下にするだけではなく、影を吸い取ることによる殺害も可能ということか。」
ルミノア「これは話が変わってくるわねぇ.....」
ヴィクター「奴らは何を企んでる??エイゼンの目的は何だ??」
3人はヴィクターの問いかけに沈黙という答えを出した。沈黙している3人を置き去りにして、ヴィクターは光の忍者の設計図を掲げた。
ヴィクター「とにかく時間がない!!今から取り掛かるべきだ!全員でこいつを完成させる!!」
博士「光の忍者か??だが、それはまだ理論でしかない......」
ヴィクター「向こうのあんたならやってのけただろうぜ!」
ルミノアとレイが顔を合わせて頷いた。
ルミノア「やりましょう。」
レイ「博士!まずはやってみようよ!ね?」
博士は難しい顔をしながらヴィクターから設計図を受け取った。
博士「ゴホン。では、これから光の忍者開発を........」
ヴィクター「ちょっと訂正がある。光の忍者じゃなくてBLACK NINJAだ。俺が名付けた。」
博士「ええい!勝手にせい!これより!BLACK NINJAスーツの開発を始める!!」
さて、BLACK NINJA計画始動ということなのですが、第2章ではBLACK NINJAの誕生とその功績について書いていこうと思います。衣装をどうするかさっきまでずっと考えていてやっと完成しました。もう受験生になるのに何やってんだろう.....。でもいいんだ。これが今は僕のやりたいこと......。ポートフォリオとして提出してやりますよ!!




