第10話 BLACK NINJA計画、始動。
リメイク版の第9話の続きです。
ルミノアは薄く束ねてある資料をヴィクターに手渡しした。ヴィクターはそれを手に取ると、開いてじっくり読み始めた。
【エイゼン・ウォーカーについての調査記録】
"まず始めに、エイゼン・ウォーカーは、この戦争を引き起こしたすべての元凶である。"
"エイゼンは、スペキュラム遺跡の地下に保管されていた影の古文書を手に入れたと思われる。その後、影の古文書の力を使って、世界を自分の支配下に置くために手下を増やそうと試みる。現在、エイゼンの手下は数え切れないほどに広がっている。"
"ただし、エイゼンの手下に加わった者を見分ける方法が一つだけある。その方法は対象者の影の有無である。エイゼンに忠誠を誓った者は、自らの影をエイゼンに捧げる。"
"だが、手下となった者には意識がなく、文字通り操り人形のような状態となっている。再び生き返るのかは分からない。つまり、エイゼンの手下に見つかったということは、同時にエイゼン本人にも位置情報が割れたということになる。外出の際は十分に警戒すること。"
資料を読み終わったヴィクターはしばらく考えたあと、質問をいくつか投げかけた。
ヴィクター「この影の古文書ってのは初耳だな。向こうの博士は地下なんて多分見つけてなかったぜ。」
博士「ああ、私が行った時にはもうすでに影の古文書はなかった。スペキュラム遺跡の大体の遺跡はこうだ。」
地面に対して対称に地下の空間があり、影が光を埋め尽くすような壁画が描かれている。
ルミノア「エイゼンは影の古文書のほうを見つけて、光の古文書は取らなかったということよ。これがどうにも引っかかるのだけど.....」
レイ「あいつが陰気な奴だっただけだよ!きっと!!何にせよ、光の古文書がこっちにあって良かったじゃない!!」
ルミノア「それはそうだけど.......。」
博士「そういうことだ。他に聞いておきたいことはあるか?」
ヴィクターはこれだけは外せないという勢いで質問した。
ヴィクター「なあ、この資料にはあの影の化け物と若い男について全く書いてないみたいだな。俺はてっきりあいつがエイゼン・ウォーカーだと思ってたぜ。どうやら、モブの手下以外に強い奴がいるようだな。」
博士とルミノアとレイはハッと驚いたようにリリィを見た。リリィは言った。
リリィ「だから嘘じゃないって言ったのに......。」
ヴィクター「なんだ??そのお嬢ちゃんが何かを知ってるみたいだな?」
レイ「何日ぐらい前だったかな、リリィが影人間が来るから気をつけろって騒いでるときがあったんだ。」
ルミノア「自分の影のことを言っているのかと思っていたのだけど.......」
博士は納得したように言った。
博士「なるほどな。その影人間とやらが......あぁ.....まだ名前を聞いてなかったな。」
ヴィクター「ヴィクター・クロウだ。よろしくな。」
博士「そう。影人間とやらがヴィクターの遭遇した化け物のことだったというわけだな。」
全員は完璧に納得したかのように揃って頷いた。
博士「教えてくれ。その影の化け物と若い男について。」
ヴィクターは過去にタイムトラベルする前の出来事の全てを話した。
ルミノア「なるほどね。人型の影に翼を生やした化け物.......」
レイ「そいつと一緒にいる若い男......」
博士「恐らく、エイゼンの手下だろうが、自我がある.....」
ヴィクター「仲間はそいつに影を吸われた......。でも、向こうの配下になることはなかった。全員死んだ.....。」
博士「なるほど......手下にするだけではなく、影を吸い取ることによる殺害も可能ということか。」
ルミノア「これは話が変わってくるわねぇ.....」
ヴィクター「奴らは何を企んでる??エイゼンの目的は何だ??」
3人はヴィクターの問いかけに沈黙という答えを出した。沈黙している3人を置き去りにして、ヴィクターは光の忍者の設計図を掲げた。
ヴィクター「とにかく時間がない!!今から取り掛かるべきだ!全員でこいつを完成させる!!」
博士「光の忍者か??だが、それはまだ理論でしかない......」
ヴィクター「向こうのあんたならやってのけただろうぜ!」
ルミノアとレイが顔を合わせて頷いた。
ルミノア「やりましょう。」
レイ「博士!まずはやってみようよ!ね?」
博士は難しい顔をしながらヴィクターから設計図を受け取った。
博士「ゴホン。では、これから光の忍者開発を........」
ヴィクター「ちょっと訂正がある。光の忍者じゃなくてBLACK NINJAだ。俺が名付けた。」
博士「ええい!勝手にせい!これより!BLACK NINJAスーツの開発を始める!!」




