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黄昏は悲しき堕天使達のシュプール  作者: Mr.M
八章 Return 11月

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87/137

第87話 花壇を彩る紫の花

11月10日。金曜日。

この日。

俺はいよいよ作戦を実行することにした。

金曜日を選んだのは理由がある。

5、6年生だけが6時間目まで授業があって、

放課後、

学校に残っている生徒が少ないからだ。

目撃者になりそうな人間は極力少ない方がいい。


3時間目の算数の授業中、

俺は腹痛を理由に保健室へ行った。

教室を出ると廊下は静まり返っていた。

廊下に誰もいないことを確認してから

俺は2組の教室へ入った。

この時間、

2組は体育の授業であることは

あらかじめ確認済みだった。

俺は服の中に隠していた封筒を

ボス猿の机の上に置いた。

封筒の中には1枚の紙が入っている。

紙に書かれている言葉を俺は頭の中で暗唱した。

『葉山実果が

 お腹の子の父親に宛てた手紙がある。

 詳しく知りたければ17時に屋上に来い』

ボス猿が犯人でなければ

当然こんな手紙は無視するだろう。

質の悪い悪戯と考えるに違いない。

しかし。

ボス猿が犯人であれば必ず現れる。

お腹の子については

犯人しか知り得ない情報だからだ。

その事実を知る人間が

他にいるとなれば犯人は当然無視できない。


昼休み。

俺は1人で屋上へ行った。

屋上には誰もいなかった。

俺は6年2組の教室の

真上にあたる場所まで歩いて、

目の前に立ち塞がるフェンスを乗り越えた。

そして屋上の縁へ近づいた。

俺は腰を屈めて縁から下を覗き込んだ。

花壇が見えた。

紫の小さな花弁が花壇を彩っていた。

あの花はパンジーか。

それともビオラか。

花に対する知識のない俺には

その区別がつかなかった。

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