魔王は祈らない~アリシア短編小説
これは長編 魔王は祈らないの短編小説です。
気になった方は長編も是非読んでみてください
あの女たち、絶対わかってない。
零様の! ご尊顔の! 深遠さを!!!!!
──というわけで、私は今日も大広間で騒いでいる。
「なあ……誰かこの人止めて。朝からもう30分くらい“零様の腕のライン”について熱弁してるんだけど」
呆れた声でそう言ったのはマリル=エンデ。第三零座、うちの中で一番口悪い。
「止められるならとっくに止めてます。というか、観測してみたところ“あの話に付き合うと疲労度が2.4倍になる”というデータが……」
第四零座のリゼ。こいつにかかると、会話も実験対象らしい。
マジで、友達できたことあるのか?
「でも……分かりますよ、アレシア様の気持ち。零様の衣に残る魔力の香り……甘くて、透き通っていて……まるで母胎のような安心感が……」
「ファルナ、お前まで妄想に入るな!!!」
マリルが叫んだ。
でも私は満面の笑みで、手に持ったスケッチブックを広げる。
「見てください! これ! 昨日一晩かけて描いた“零様の横顔想像スケッチ:第42稿”です!!!」
「そろそろ完成度が天元突破しそうな気がしません!? しませんか!? そうですか!! でも見てください!!!!」
「やばい……目が本気だ……これは止まらんやつ……」
「観測結果:瞳孔開きすぎ、心拍数高騰、脳内セロトニン過剰分泌。恋です。これは完全に恋です」
「ちょ、分析すんな、分析すんな……!!」
「ふふふ……さあ皆さん……今日はこの“零様の魅力を語る100の言葉”からスタートしましょう……第一章、“その沈黙の美学について”!!」
「もうやめてくれぇぇええええ!!」
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本編は長編 魔王は祈らないです。
是非!