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腐敗の種


ソード・ワールド2.5 GM持ち回りキャンペーンリプレイ ep5


「腐敗の種」


■登場人物


ロージー:メタロスの神官。街道が大好きな22歳の女性。


ミコト:うさぎの魔法使い。人間でいう12歳の少女。芯が強く丁寧語。


ミード:ドワーフの戦士。お酒大好きな陽気な18歳の男性。


タマーナ:ルーンフォークのグラップラー。無表情で口数が少ない女性。


イリセア:エルフの弓使い。キザで格好つけたがる35歳の男性。一人称「私」。


■オープニング:ジャミンからの依頼


GM:「では皆さん、前回の冒険から1週間後。パルウィートの宿屋に滞在しているところから始めます。そこへ“パンのおじさん”ことジャミン・ファクトリオがやってきます。」


ジャミン:「君たち、すまないけど一つ依頼を受けてくれないかい?」


ミード:「おっ、仕事の話か? それはいいが、酒代は出るのか?」


ジャミン:「報酬は一人3000Gだよ。全額前払いするから安心してくれ。」


ロージー:「街道を歩く護衛依頼!? もちろん受けます!」


GM:「ジャミンの依頼は、環状都市ザイエルまで行商人の護衛をするというものです。馬車1台のみで、街道を通るので危険は少ないと思われます。」


タマーナ:「……ザイエル。ルーンフォークの技師、多い。」


GM:「ええ、タマーナさんは以前腕に変な部品が食い込んだとかで、それを外したいと言っていましたね。ザイエルなら腕のいい技師に会えるかもしれません。」


ミコト:「それはちょうど良いですね。では、準備を整えて出発しましょう。」


イリセア:「フッ……いいだろう。我々の力を見せつけてやろうじゃないか!」


■中央街道


GM:「皆さんは行商人と合流し、馬車を護衛しながらザイエルへ向かいます。」


ロージー:「皆さん! この王都パルウィートと環状都市ザイエルを結ぶ街道こそフローテア地方最大の中央街道です!」


GM:「ロージーが興奮して街道について語り始めます。」


ミード:「ほう、じゃあこれは“ロージーの街道講座”の始まりか?」


ロージー:「皆さん! この街道は別名“八色街道”とも呼ばれており、四方に美しい景色が広がって──」


タマーナ:「……長い。」


イリセア:「フッ、街道に浪漫を感じるのもまた旅の醍醐味だ。」


GM:「そんな感じで旅を続ける皆さんですが、やがて宿場町に到着します。」


ロージー:「おおっ! ここが“フローテアのへそ”ですよ!」


GM:「しかし、その瞬間……ドドドドドという地響きと共に叫び声が響きます。」


村人:「暴れサーベルタイガーだーっ!!」


GM:「サーベルタイガー2体が宿場町を襲ってきました!」


ミード:「おっしゃ、腕が鳴るぜ!!」


ミコト:「仕方ありませんね……応戦しましょう!」


ロージー:「きゃあっ! これは……手強そうですね!」


イリセア:「フッ……我々にとってはただの獲物だ。」



■サーベルタイガー☓2との戦闘



GM:「サーベルタイガーの1体が低い姿勢で身を沈め、鋭い眼光で獲物を狙っています! 先制判定をどうぞ!」


(先制判定)


GM:「皆さんの素早い対応により、先手を取ることができました!」


ミコト:「魔法で援護します……《ファナティシズム》!」


(魔法判定成功!)


GM:「ミコトの放った魔法が仲間たちを支援する。」


ミード:「よっしゃ! まずは俺の一撃だ!」


GM:「ミードが前へ飛び出し、渾身の斧を振り下ろす!」


(命中判定成功!)


GM:「ミードの斧がサーベルタイガーの肩口にめり込み、獣が苦痛の唸りを上げる!」



サーベルタイガーの反撃!


GM:「しかし、もう1体のサーベルタイガーがカウンターのように襲いかかる! タマーナに狙いを定め、素早く跳びかかる!」


タマーナ:「……くっ。」


(回避判定失敗!)


GM:「タマーナは鋭い爪を避けきれず、戦闘不能に。生死判定をお願いします。」


(判定成功!)


イリセア:「さて、トドメといこうか。」


(射撃判定成功!)


GM:「イリセアの矢が鋭く飛び、サーベルタイガーの喉元を貫いた! 獣は悲鳴を上げ、ついに力尽きる!」


GM:「残る1体も皆さんの猛攻により追い詰められ、ついに倒れました!」


ロージー:「みなさん、ありがとうございます……!」


GM:「戦いを終えた皆さんに、宿場の管理人が感謝の言葉を述べ、謝礼として1人500Gを手渡します。」


ミード:「よっしゃ! これでうまい酒が飲める!」


GM:「こうして皆さんは再び旅路へと戻るのでした。」


ロージー:「ふぅ……この程度のことで道を塞がれるわけにはいきませんね!」


GM:「その後、皆さんは宿場町でアイテムの補充などを行い、再びザイエルへ向かって進みます。」




■奈落の魔域シャロウアビスの出現


GM:「準備を整えた皆さんは、再び旅を続けます。ロージーの街道講座が相変わらず続く中、やがて遠くに白鐘山脈、そしてその麓に環状都市ザイエルが見えてきます。」


ロージー:「見えました! あれが環状都市ザイエルです! もう一息ですね、急ぎま──」


GM:「その瞬間、突如として街道の中央に黒い亀裂が走り、シャロウアビスが出現します!ロージーは前を見ていなかったため、そのまま闇の裂け目に飲み込まれてしまいました。」


ミコト:「ロージーさん!?」


イリセア:「フッ、まったく油断が過ぎるな……だが、放っておくわけにもいくまい。」


ミード:「おいおい、いきなり消えやがった!? こりゃまずいぞ!」


タマーナ:「……助ける。」


GM:「皆さんが駆け寄ると、そこには黒い霧が渦巻き、異界の空間が広がっています。どうやら奈落の魔域シャロウアビスが現れたようです。」


ミコト:「急ぎましょう、ロージーさんが危険です!」


GM:行商人の護衛は、イリセアの騎獣と他の人に任せて、皆さんは意を決してその中へと飛び込むと、目の前に広がるのは、崖に囲まれた不気味な窪地。その中央には古びた屋敷がそびえ立っていました。


イリセア:「……妙な場所だな。嫌な予感がする。」


ミード:「おい、ロージーのやつどこだ? 叫び声も聞こえねぇぞ?」


GM:「屋敷の前に目をやると、ロージーが地面に尻もちをつきながらこちらを見ています。」


ロージー:「す、すみません……私の不注意でこんなことに……。」


GM:「しかし、それを見ていた屋敷の門番たちが動きます。彼らは武装し、皆さんを警戒するように立ちはだかります。」


門番:「何者だ!? ここに立ち入ることは許されん!」


ミード :「おいおい、喧嘩売るなら買うぜ?」


GM:「門番たちは姿を変え、骸骨の姿に変化! スケルトンガーディアン2体との戦闘になります!」



■戦闘:スケルトンガーディアン


GM:「スケルトンガーディアンが武器を構え、襲いかかってきます! 先制判定をどうぞ!」


(先制判定成功!)


ミード:「俺が先にブチかますぜ!」


GM:「ミードが斧を振り上げ、骸骨の頭部へと振り下ろす!」


(命中判定成功!)


GM:「強烈な一撃がスケルトンの頭部を砕くが、骨の体はまだ動いている!」


ミコト:「魔法で援護します……《ファナティシズム》』」


(魔法判定成功!)


GM:「ミコトの魔法が仲間を包み込む」


スケルトンガーディアンの反撃!


GM:「1体のスケルトンがジェスフェーヌに狙いを定め、鋭い剣を振り下ろす!」


(回避判定失敗!)


GM:「ジェスフェーヌは避けきれず、剣が胴をかすめて血が流れる!」


ジェスフェーヌ:「ヒヒーン!」


タマーナ:「……壊す。」


GM:「タマーナが一気に間合いを詰め、強烈な蹴りを放つ!」


(命中判定成功!)


GM:「強力な蹴りが骸骨の胴体を直撃し、骨が砕けて飛び散る!」


イリセア:「では、この戦いに終止符を打つとしよう。」


(射撃判定成功!)


GM:「イリセアの矢が骸骨の額を正確に貫き、最後のスケルトンが音を立てて崩れ落ちた!」


GM:「スケルトンガーディアン2体を倒し、屋敷への道が開かれました!」


ロージー:「ふぅ……何とか突破しましたね。」


ミード:「よし、中に突入しようぜ!」


GM:「こうして皆さんは屋敷の中へと足を踏み入れます……。」



■屋敷の中


GM:「皆さんが門番を撃破し、屋敷の扉を押し開けると、目の前に広がるのは豪華な玄関ホールです。天井にはシャンデリアが輝き、左右には2階へと続く階段があり、正面にはひときわ大きな階段があります。その階段の前には、奇妙な機械が鎮座し、球のような何かを次々と生み出しているようです。」


ミード:「おいおい、いきなり不気味な機械のお出ましか?」


イリセア:「フッ、こういうのはまず壊してみるのが手っ取り早い。」


ロージー:「ちょ、ちょっと待ってください! あの機械、何か生み出してますよ……!」


GM:「機械が生み出しているのは、小さな魔法生命体『バルバ』たちです。皆さんが屋敷に入ったのを察知し、襲いかかってきます!」


ミコト:「これは……戦うしかなさそうですね!」


GM:「バルバ(5体)とオリジナルモンスター『バルバジェネレーター』との戦闘になります!」



■戦闘:バルバ&バルバジェネレーター


(魔物知識判定成功)


ミコト:「バルバジェネレーター……これが原因ですね。まずはあれを止めましょう!」


GM:「バルバ5体とバルバジェネレーターが戦闘を開始します! 先制判定をどうぞ!」


(先制判定成功!)


イリセア:「フッ、まずは雑魚から片付けるとしよう。」


(射撃判定成功!)


GM:「イリセアの放った矢がバルバの1体を貫き、そのまま消滅させる!」


ミード:「こいつらちっこいが、ウジャウジャ湧いてきやがるな! まとめてぶっ飛ばすぜ!」


(範囲攻撃判定成功!)


GM:「ミードの拳が空を裂き、バルバを一気に2体粉砕する!」


バルバの反撃!


GM:「残ったバルバたちが一斉に跳びかかり、前衛3人に爆撃する!」


(抵抗判定)


ゴーレム:「!!!」


ジェスフェーヌ:「ヒヒーン!」


ミード:「剣の加護があるからノーダメージ!」


GM:「タマーナは後衛から階段をかけあがり、一気にバルバジェネレーターのところへ!」


(命中判定成功!)


GM:「タマーナの蹴りが直撃し、2つあるバルバジェネレーターの片側は爆発する!」


GM:「しかし、バルバジェネレーターは最後の力を振り絞り、異様な光を放つ!」


バルバジェネレーターの反撃!


GM:「機械が警告音を発しながら、最後のバルバを生み出し、皆さんへ向かわせます!」


イリセア:「往生際が悪いな……これで終わりだ。」


(射撃判定成功!)


GM:「イリセアの矢がバルバジェネレーターの中央に突き刺さり、装置は爆発的に崩れ落ちる!」


ロージー:「やりました! これでもう増えませんね!」


GM:「バルバジェネレーターが崩壊し、バルバたちはすべて消滅しました。屋敷の玄関ホールは静寂に包まれます。」


ミード:「ふぅ、なんとかなったか。さぁ、奥へ進もうぜ!」


GM:「皆さんは再び屋敷の探索を続けるのでした……。」


■屋敷探索


GM:「さて、屋敷内の探索を続けることができます。次にどこへ向かいますか?」


ミコト:「私は書斎が気になります。何か手がかりがあるかもしれません。」


ミード:「おう、なら俺は厨房を見てくるか。」


イリセア:「ふむ、私はサロンへ向かおう。」


タマーナ:「……私は書庫を。」


GM:「皆さんはそれぞれの場所へと足を踏み入れます……。」


■書斎


GM:「書斎の中には立派な書き物机があり、その背後には妖艶な美女の石像が置かれています。」


ミコト:「この石像……何か意味がありそうですね。」


GM:「見識判定をお願いします。」


(判定成功)


GM:「この像は異境の地で信仰されている腐敗の女神ブラグザバスを表しています。」


ミコト:「……嫌な予感がしますね。」


GM:「机の上には魔法文明語で書かれた本があり、始まりの剣と生贄を使って神を降臨させる方法が記されています。さらに、『ある神官の日記』を取得しました。」


ミコト:「これは……大変な情報ですね。」


■厨房


GM:「厨房には最近まで使用されていた形跡があり、角には地下水を汲み上げる魔動機式ポンプが見えます。」


ミード:「ここで何か食料を補充できるか?」


GM:「食料は見当たりませんが、1台の小柄な魔動機が鎮座しています。ボタンを押してもエラー音と共に『音声or指紋認識:エラー』と表示されます。」


ミード:「チッ、使えねぇな。」


■サロン


GM:「サロンにはいくつかのソファとテーブルが置かれています。」


イリセア:「くつろぐにはちょうどいいが……。」


GM:「探索判定をお願いします。」


(判定成功)


GM:「テーブルの引き出しから屋敷の見取り図を入手しました。」


イリセア:「これは有用だな……。」


■書庫


GM:「書庫にはたくさんの本が揃っていますが、何冊かが抜き取られているようです。」


タマーナ:「……不自然。」


GM:「探索判定をお願いします。」


(判定成功)


GM:「1000Gの価値がある本を数冊発見しました。」


タマーナ:「……持っていく。」


GM:「こうして、それぞれの探索が進んでいきます。」



■主の間


GM:「皆さんが屋敷の奥へ進むと、重厚な扉の前にたどり着きます。扉には古びた紋章が刻まれています。」


ロージー:「……ここが、この屋敷の主の部屋でしょうか?」


イリセア:「フッ、怪しさ満点だな。慎重に行こう。」


GM:「扉を開けると、広い部屋が広がっており、その中央にはボーンナイトが立ちはだかっています。その背後には、不気味な紫色の球体が浮かんでいます。」


ボーンナイト:「主の屋敷を荒らすめ! 死をもって償うがいい!」


ミード:「おっと、歓迎はしてくれねぇか!」


GM:「ボーンナイトとの戦闘になります!」


■戦闘:ボーンナイト


ロージー:「うわっ……! 何か強そうです!」


イリセア:「フッ、ならば私たちも全力で応じるまで!」


GM:「ボーンナイトとの戦闘開始です! 先制判定をどうぞ!」


(先制判定成功!)


ミコト:「皆さん、全力を尽くしてください! 『《ファナティシズム》!』」


GM:「ミコトの魔法が輝き、仲間たちの闘志を引き出す! 全員の攻撃がさらに鋭さを増す!」


ミード:「よし、いっちょ派手にぶった斬ってやるぜ!」


(命中判定成功!)


GM:「ミードの巨大な斧が唸りを上げ、ボーンナイトの鎧に深々と食い込む!」


タマーナ:「……追撃。」


(命中判定成功!)


GM:「タマーナの蹴りが鎧の隙間を正確に捉え、ボーンナイトがわずかによろめく。」


ボーンナイトの反撃!


GM:「ボーンナイトは巨大な剣を振り上げ、ミードに襲いかかる!」


(回避判定失敗!)


GM:「剣がミードの肩に深く食い込むが、彼は踏みとどまる!」


ロージー:「負けません! 『神聖なる光よ、傷を癒せ!』」


(回復魔法成功!)


GM:「ロージーの魔法が輝き、ミードの傷がふさがる。」


ミード:「うぉりゃーー!一ノ蔵スマッシュ!!」


(命中判定クリティカル!)


GM:「ミードの渾身の一撃がボーンナイトの兜を粉砕し、騎士の体が砕け散る!」


ボーンナイト:「我が使命……果たせぬとは……無念……。」


GM:「皆さんの奮闘により、ボーンナイトは崩れ落ちました。しかし、背後の紫色の球体が不気味な光を放ち始めます。」


ミコト:「あの球……危険です!」


GM:「机の上に開かれた本があり、そこには『腐敗の種』についての記述があります。」


ロージー:「これは……恐ろしいものですね。」


GM:「この球体を破壊すれば、この奈落の魔域を抜け出せるかもしれません。」


タマーナ:「……壊す。」


GM:「皆さんは球体を攻撃し、最後の一撃が決まると、空間が大きく歪み──」


■脱出


GM:「次の瞬間、皆さんは光に包まれ、気がつけば元の街道に立っていました。」


ミード:「お、おい……戻ってきたのか?」


ロージー:「ああ、ようやく……。」


GM:「行商人が驚いた様子で駆け寄ります。」


行商人:「み、皆さん!? もう調査を終えたのですか? たった10分ほどですよ!」


イリセア:「フッ、長い戦いだったな。」


GM:「こうして、一行は無事に屋敷を脱出し、ザイエルへと向かうのでした。」




『腐敗の種』

土に埋め、 ブラグザバスの神力を注ぐことによって起動するマジックアイテム。

起動すると周囲一帯の土を腐らせ、向こう10年は作物が育たないようにする。

効果は神力の強さによって異なり、 並の神官なら1つにつき数十平方m程度だが、

高位の神官ならば1つにつき十数平方km、 もしもブラグザバスが直接力を注いだならば、

十数個の 『腐敗の種』 でフローテア地方すべてをまるごと腐敗させることも可能だろう。

ただし、埋められてから2年ほど神力を注がれなければ何の影響も与えないまま分解され土に還る。


『ある神官の日記』

「ようやくここまでたどり着いた。 祖国で突然このアビスというものに飲み込まれ、 見知らぬ大陸に投げ出されて十数年は経っただろうか。 この大陸ではブラグザバスの名はほとんど知られていなかった。

故にブラグザバス様のお力を借りることすら困難だったが、それは逆に言えばブラグザバス信仰に対する警戒心がほぼないということだ。

私はこの国の土着の神の神官を騙りながら、 ブラグザバス神官としての本懐を遂げる機会を待ち続けた。

そして再び飲み込まれたこのシャロウアビスで、ついにその方法を発見した。

3つの鍵たる剣と、 1つの扉たる生贄。 そしてここで完成させた 『腐敗の種』。

これを使えば必ずやこの国全てをブラグザバス様に捧げることができるだろう。

すでに各地への 『種』 の埋め込みは終わった。 残り2本の剣の行方も目星がついている。

扉たる生贄にはこの国の王女こそが相応しい。 神聖農国の王女が腐敗の女神の依り代となり国を亡ぼす。

これ以上に美しい冒涜はあるまい。 ブラグザバス様、私に加護をお与え下さい。」


『ロージーのオタク特有の街道語り』

「皆さん、この王都パルウィートと環状都市ザイエルを結ぶ街道こそフローテア地方で最も大きな街道、中央街道です。

フローテア地方は全体的に農業が盛んですが、 その農業力を支える農具や設備を生産する工業力はもっぱら西側、 具体的にはこれから向かう環状都市ザイエルと、 その北に位置する岩窟都市ダールが担っており、 つまりこの中央街道はフローテア地方の農業と工業が交わる場所、 まさに大動脈と言うべき街道なのです! あとこの中央街道は別名『八色街道』と呼ばれていてですね、 何故かというとここから北には花と水の都アスダリオの美しい青と薄紅色、 南には邪毒の密林の恐ろしくも深い緑とその中央に位置するセモリナ湖がたたえる神秘的な藍色、 西には厳かな白鐘山脈が頂く万年雪の白と山肌の茶色、 そして東は私たちも堪能した実りの王国パルウィートの黄色と黄緑、 四方に八色の色彩を楽しめる風光明媚な街道だからなのですよ!」



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