RPG:勇者の泥棒
日本が誇る世界でも有名なRPGと言えばなんだろうか。ポケットの相棒と冒険するやつとか、最後のファンタジーとか色々あるが、今回は竜のクエストを想像してもらえれば多分わかりやすくなると思う
勇者たちはRTAでもしてない限り基本的に街や洞窟の隅から隅を調べようと思うだろう。次の町への情報とか、隠されたアイテムやボス探しとか目的は様々だ。それでその中の一つとして「他人の家に入り宝箱を開ける」「町に置かれているツボや樽を割ってみる」というのがある
民家やツボと言っても意外と侮れないのは、時たま基礎能力値を上げる種系アイテムやアイテムと交換できるメダル等があったり、鍵を使うことで序盤の町でありながら強力な装備品をゲットできる場合があるのだ
塵も積もれば山となる。こうしたことの積み重ねで魔王討伐への準備をしていくのである
ただ、このシステムを知っている人なら一度はこう思ったことだろう。「・・・これ、勇者がやってること犯罪じゃないか?」と
不法侵入、器物破損、窃盗。3アウトで牢屋直行コースは免れない。シリーズを通して鍵さえ手に入れられたら王城内の装備も勝手に持っていくし、(冤罪ではあるものの)盗みを働いた疑いで牢屋に入れられたこともある。一応勇者なのに
NPCだからプログラムされてなければそんな行動できないといえばそうなのだが、勇者というネームバリューだけでこれらの行いがすべて見て見ぬふりをされているわけだ。もしかしたら住人との交渉の結果それらのアイテムを得ているかもしれないが、だとしてもツボや樽を破壊するのはいかがなものかという感じである
さて、なんでこんな話を長々としていたかというと、目の前の民家で実際に勇者(笑)による強盗事件が発生したからである
VRゲームが当たり前になったこの時代でも、NPCのレベルはゲームによってまちまちで、いまだに定型行動しか起こさないNPCがいるゲームも存在する。「real fantasy world」では普通にNPCのAIが人並みの知性を有しているのは依然話した気がするが、その前評判に違わずリアルより会話が弾むなんてことがざらにある。暇つぶしに晩御飯のレシピ相談したら普通においしい料理を教えてもらえて驚いた覚えがある。たまにゲーム由来の食材を出してくるのは勘弁してほしいところではある
話を戻すが、要は今でもあの往年のRPGゲームのようにNPCが自立行動しない場合があるということだけ覚えてくれればいい
一つ一つのNPCに別個のAIを搭載するとそれだけで必要な容量が青天井になるらしいので仕方ないことであるが、そうしたゲームにおいてそもそも勇者をとがめる行動がプログラムされていなかったとき、こうした無法行動は見逃されるわけだ
だからだろうか、どんなゲームに入ってもこうした行動は見逃されるという固定観念が作られてしまう人が存在する。今まさに警備員NPCに連れていかれる彼もそうだ。彼らは共通して「ほかのゲームで出来たからこのゲームでもやっただけ」「たかがゲームなんだから見逃せ」という主張をするのだとか
一般的に考えて、外国で合法だから日本で違法であったとしてもやってもいいなんて確実に言わないし、たかがゲーム、されどゲームだ。ルールは明確に存在する。というか、ゲームにセットになってたQRから説明書を読めるわけだし、入国審査みたいなことも一応オープニングでやったのでそこで法律は遵守するように厳命されていた。まぁ、現代日本でも法律の細かいところを言えない人は私含めて多いと思われるが、それにしたって最低限のモラルは守ってほしい。犯罪者RPがしたい人は喜々としてやるらしいが
最近は説明を聞かないようなやつが多くて困る・・・と思い始めると爺臭くなった気がして気分が落ち込むのでこれ以上考えないようにするとして、この辺りを今回のブログに書こうと思ったところで目の前の露店のおっちゃんに言われたわけだ
「メモしているところ悪いんだがそろそろいいか?それじゃあ、商品の弁償なんだが・・・」
・・・いや、仕方なかったんだ。歩いてて、人にぶつかって倒れたと思ったら「パリン!」という聞きなれた音がしたんだ。すぐ下を見ればそこにはおっちゃんの砕け散ったツボの姿があった
ぶつかった人物が件の勇者(笑)君であり情状酌量の余地があったと私は思うのだが、運悪く勇者(笑)の騒動に注目が集まっていたためそれを証明する手立てはなく、壺の中には液体、それもポーションの類が入っていたということもあって弁償する羽目になった。
弁償はフィールドで薬草を採取することになった。クエストを受けているわけではないから報酬も何もなかったが、最終的に店主のおっちゃんから果物を貰えたので心情的にはトントンとしたい