ゲーム:プレイヤーとNPCの差異
プレイヤーは移民という形で第一の町「イーワン」に訪れる。このゲームにおいてはリアルに関わる会話はプレイヤーの故郷と言える海の向こうの文化であるいう認識となるので多少の違和感は「まぁ、外国人だし言葉遣いが違うんでしょう」ぐらいで流してくれる。移民はそんなに都合のいい設定じゃない
さて、通常のゲームにおいてはそんな外国人という言葉では片づけられないプレイヤーとNPCで異なる要素がいくつかある
例えばログアウトはリアルがあるプレイヤーにしか起こりえないものであり、フレンド機能におけるウィスパーチャットもフレンド同士で遠く離れていても会話が出来るという点でNPCと違う点と言えるだろう
だが、この二つは意外と簡単に解決された。NPCもログアウトと似た魔法を生みだしたし、フレンド機能も似た魔法を生みだしているのである。カプセルホテルみたいな感覚で個人の異空間を用意する生活魔法が創られたし、フレンド機能も時空魔法で音声だけを相互にやり取りできる魔法が創られている。尚、NPCとプレイヤー間でこの魔法を使うことはできないらしいのでNPCからフレンド機能の登録されることはない
ただこうなると今度はリアル要素の方に影響が及ぶ。宿泊業界と通信業界が商売あがったりになってしまうわけだ。この辺りの経済事情はどのように解決するのか
先ず宿屋は一泊が割高になる代わりにサービスが向上した。食事やルームサービスなんてリアルで旅行に行って少しお高めのホテルに泊まったぐらいのクオリティを有している。個人の異空間はただ空間があるだけで何もないらしく、野宿するくらいならまぁ使ってもいいかなぐらいの性能らしいため、町の中で泊まるならサービスを考慮しても宿屋に泊った方が良いという感じになっているようである
通信業界に関してはさらにシンプルで、魔法のコストをかなり高めたようだ。時空魔法という聞いているだけで明らかに上位属性の魔法なだけあり消費するMPもかなり上げたらしい。魔力で構成された鳥が飛んでいくとかいうメルヘンな見た目の割にほぼ軍事用に近い運用が成されているようだ。プレイヤーのウィスパーチャットは海の向こうの異なる体系の魔法故にMPが消費されるのが微小であるという理解にさせられているらしい。移民設定万能すぎるだろ
魔法の名前がそれぞれ「現世脱却」とか「小鳥の囁き」とかこの辺り運営も多少ご都合主義で頑張ったんだろうなという感じが否めない
まぁ、そんな事情でプレイヤー特有の機能を使っていてもNPCに不可解な目をされることはないというわけだ
しかし、私が思うにプレイヤーとNPCで異なる要素として一番決定的となるものがある。それがリスポーン、俗にいう「おお、勇者よ死んでしまうとは情けない。さすればそなたにもう一度機会を与えよう」というやつである。輪廻転生とか魂とかそういう概念がこのゲームにあるのかは謎だが、それを許すと明らかに世界の構成からしてバグりかねない。あまりにも人間種族有利な世界になってしまう
しかし今どきリスポーンがないMMOは存在しない。これがオフラインとかで規模感も縮小されているならオワタ式でも許されていたかもしれないが、オンラインゲームなので死ぬたびに進行状況がリセットされるなんてしてたらユーザーからキレられる
この部分は割と開発も苦悩したと見える。だからプレイヤーたちの方の生い立ちの方に手を加えることにしたようだ
プレイヤーの故郷は島国だ。多分開発陣としても日本をイメージしてるんじゃないかなと思われる。その影響かログアウトの時は演出として六芒星みたいな魔法陣が足元に浮かぶし、ウィスパーチャットは小鳥の代わりに式神みたいな紙が飛んでいく
つまり故郷の魔法は陰陽術に近いものである。まぁ、その割にはレベルアップなんかで覚える魔法はバリバリ「ファイアーボール」とかなのだがそこは置いておくとして、ここで重要なのは陰陽術がバランスを重んじる術であるという点である。代償をささげることで死に戻り出来るようになっているということで、これをデスペナルティとすることでゲーム的利便性を担保しつつ、世界観にひびを入れないようにしたということらしい
デスペナルティはこの類のゲームにしては割と重い。まずレベルが問答無用で一つ下がる。そして所持金の半分減少、所持アイテムのランダムドロップ、装備している武器・防具の耐久値が極大減少(これで耐久値が0になると破片すら残らず消え去る)、スキルレベルもランダムでいくつか減少する
今言った要素に関しては今後話す機会があるかもしれないがまぁ、そういうものがあるんだな程度で流してくれればと思う
デスペナルティで消せないものがあればその分は他の要素に皺寄せが行くようになっているようで、検証班の一人がインナー装備(防具と認識されない所謂裸である)で死んだ場合、所持金が3分の2削られたり、耐久値が満タンだった武器が問答無用で一つ消し飛んだりしたらしい。そして最終的にすべてなくなった状態で死ぬとアバターの作り直しを要求されるという事態にまで陥ったとか。
そんな感じなのでよっぽど死にまくることがなければゲーム進行不可とはならないだろう
まぁ、上記検証班のせいでプレイヤーがヤバいやつという認識がNPCに広まり、蛇蝎の如く扱われるなんて状況が一時期あったらしいが。今では関係改善できたらしいので今後プレイされる方は安心してNPCと交流してくれればと思う




