第9話 繋ぐ、次の世界にみんなと…あれ?
{{すみませんでした……}}
2人に謝罪するソーン。零士の脳内では深々と頭を下げる姿が見える。
「もうやっちゃったことだし今はしょうがない。フィーニャ、あの”山”のやつって倒しちゃっても大丈夫だった?」
〖ニャ〜、多分〜大丈夫ニャ。数百年に1回、目を覚まして腹が減って大暴れして文明を滅ぼすって言い伝えられてる天災みたいニャものニャし、倒された方が有難いかニャ〗
{{そう言って貰えるならこちらこそ有難い……}}
「しかし、倒しちゃうなんて。ソーンの魔法、本当に凄かったんだ」
{{これでも一応、第一賢者で魔導王なもので……}}
「ははは、謙遜も謝罪もいいから普通にしよ。とりあえずこれを《共有》っと」
〖ニャ?!私の位階が上がったニャ⁉️⁉️〗
「僕に入るはずだった経験値をフィーニャに送ったよ」
先程のソーンのレベル、そしてフィーニャの位階はどちらも肉体や記憶に経験値・エクスペリエンスポイント(EXP)が一定以上蓄積された時の値のこと。
その値が反映されたものをステータスといって、《共有》により見ることが出来る。
ちなみにソーンはこんな感じ。
〜ソーン〜
レベル:86 蓄積EXP:8,600,000P
HP:1,824,000
MP:9,253,600
ATK(物理攻撃):50,700
DEF(物理防御):120,000
MAT(魔法攻撃):52,000,000
MDF(魔法防御):31,500,000
STR(筋力):60,000
VIT(生命力):120,000
INT(知力):9,000,000
DFX(器用):4,050,000
AGI(回避力):780,000
LUK(運):9,700
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うん、凄い数値。
次にフィーニャの場合。
〜フィーニャ〜
位階:63 蓄積経験値:9,826,530P
体力:5,628,610
魔力:3,126,300
物理攻撃:4,856,300
物理防御:2,987,425
魔紋攻撃:685,400
魔紋防御:655,400
筋力:15,126,900
生命力:1,000,900
知力:18,059
器用:6,517,300
回避力:8,915,000
運:50,000
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
うん、体力おばけ。
とまぁ、2人の数値を出したが、これは一般人から比べたら全てが数千倍の数値だ。
うん、凄い人達が同一個体だなぁとしみじみ思う零士。
ちなみに零士は
〜六枳零士〜
レベル:1 蓄積EXP:35P
HP:50
MP:2000
ATK(物理攻撃):50
DEF(物理防御):25(服)
MAT(魔法攻撃):0
MDF(魔法防御):0
STR(筋力):50
VIT(生命力):120
INT(知力):580
DFX(器用):400
AGI(回避力):30
LUK(運):20,000
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なんか運だけずば抜けてる。けど他は普通の一般人レベルだ。
「良かった、フィーニャも位階が上がって」
〖〖上がりすぎニャ!一気に5も上がったニャ!!〗〗
{{俺も久しぶりに上がったが、いきなり3レベルも上がるとは思わなかった}}
「多分あの”山”がやっぱり凄かったんだろうね」
{{えっと、大地龍だったか?}}
〖大地龍グランノ、ニャ。あんなのが倒せるニャんて思わなかったニャ〗
「まぁやらかしただけなんだけどね」
{{やらかしはやめてくれ・・・}}
「とりあえず危機?は去ったしちょっと情報を《共有》するよ」
〖んニャ?わかったニャ〗
ここでやっと、これまでの経緯を《共有》する。
〖ニャニャ?!ニャんニャの?この情報?!対消滅?!やばいニャやばいニャ!!!それも時間もやばいニャ?!?!〗
「うん、だから今は少しでも出来ることをしようっていみんなと話してるんだ」
〖ニャらすぐ他の世界にも伝えニャいと!みんないなくなるのは寂しいニャ!!〗
「うん、どうにかできないか頑張るよ」
{{なら1つ提案なんだが……フィーニャもレイジと共に動くか?}}
〖どういうことニャ?〗
いきなりの提案に頭に???と浮かぶフィーニャ。
{{俺のようにレイジの中に意識を飛ばして一緒に行動するんだ。多分レイジの《共有》を使えば可能なはずだ}}
〖ニャ?!レイジと一緒に動けるニャ?!〗
{{まぁ、レイジの頭の中に入って一緒に画面を見てるだけだがな。ただ、その場で意見の集約ができるメリットがあるからどうかと思ってな}}
〖ニャるほど!いいと思うニャ!それにどーせ暇だしニャ〗
「いいの?この情報誰かに伝えるとか……」
〖大丈夫ニャ!フィーはソロトラベラーニャし、親もいニャいからニャ!それにレイジが何とかしてくれる気がするニャ〗
「な、なんか軽いなぁ…」
{{まぁよし!じゃあやるかフィーニャ。まずは安全な場所に体を預けてくれ。出来次第、瞑想をして魔力を貯めて掌で球体にするんだ。最後にそこに意識を込めるイメージを持ってみてくれ}}
〖それぐらいニャら多分出来るニャ〗
木の上の洞に入り込み、座禅のような体制を取り瞑想を始めるフィーニャ。
そういうと、フィーニャの魔力が掌に集まりだし、魔力球を掌の上に作りあげる。
{{イメージはできたか?}}
〖大丈夫ニャ、行けるニャ〗
{{レイジ!}}
「わかった、《共有》」
フィーニャの手元に共有の黒い穴が発生する。そこにゆっくり吸い込まれる魔力球。
そして、またモニターに穴が開き、そこから”ニャアアアアアアアア”という声が聞こえた気がしたが、そんなのお構い無しに魔力球が零士に飛び込んでくる。
「おっと?!」
また細い糸のようなものが額からモニターに繋がる。
{{どうだ?}}
「フィーニャ?」
〖〖できたかニャ?〗〗
{{おおお!成功だ!}}
とりあえず《共有》成功し、みんな一安心する。
「無事で良かったぁ。なんか簡単に出来てるけどこれ、すごいことだよね」
{{確かに《共有》が万能すぎるな}}
〖〖でもとりあえずは成功ニャ!〗〗
「そうだね、さぁて、時間も無いし次の世界に繋げよう」
{{ちなみに次はどんなとこだ?}}
「次は第5の世界、この僕の世界より科学技術が発達したところだよ」
{{また心そそられそうな場所だな}}
〖〖……〗〗
「フィーニャ?」
〖〖ごめんニャレイジ……無事じゃなかったかもニャ〗〗
「ん?どゆこと?」
〖〖レイジの世界……なんか……目が回るニャ……〗〗
「え?大丈夫?」
〖〖きゅうぅ……〗〗
まさかの科学の世界が合わず、バタンキューなフィーニャ。
こんな調子で次の世界にフィーニャは耐えられるのか?
そんな心配が零士に過ぎるが、時間は待ってくれない。
対消滅まで残り3時間。
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