表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/22

第8話 時無き戦闘

 

 青白く激しい閃光が辺りを一瞬照らす。

 それに続き、轟く雷鳴が一拍遅れて鳴り響く。

 そして、雷は連鎖する。


 〖ンニャァァァ!?!?〗


 自らの手から放たれた雷の光と音に驚くフィーニャ。

 ただ、なおも鳴り響く轟音と走り抜ける閃光。

 その光景は5分程続き、走り抜けた閃光は最後のマーダーラビットに辿り着いた時、空に向かって一筋の雷を放って終わりを告げた。


 {{ふぅ、収まったか}}


「い、いきなり大技は聞いてないよ……耳が……」


 突如の轟音に耳が遠くなる零士。まるで映画館やパチンコ店から出た時の状態を酷くした感じだった。


 {{あぁ、悪い悪い。燃やすと周りに被害が出ると思ったから雷魔法にしたんだ}}


「それにしても・・・ほら、フィーニャが」


 モニターを指差した先を見てみると、目を回してぶっ倒れているフィーニャがいた。


 {{えっ、もしかして俺の魔法、当たった!?}}


「ううん、当たってはいなかったよ。ただいきなりの轟音と光で目が回ったんだと思う」


 {{それしきの事で?}}


「獣人はデリケートなんだ。動物と一緒で鼻や耳、目や触覚が人より鋭敏なんだよ。だから急な光と爆音で許容範囲を超えちゃったんだと思う」


 {{うっ、それは申し訳ないことをした。直ぐに回復しよう。レイジ、《共有》を頼む}}


「OK!《共有》」


 {{〈ヒール〉、それでもって〈ハイキュア〉}}


 《共有》を通じてフィーニャに対し回復魔法を届ける。

 すると、目の焦点が定まりフィーニャが跳ね起きる。


 〖フシャーーー‼️〗


「あ、キレてる・・・」


 〖シャーーー‼️キレもするニャ‼️いきなり何するニャ‼️びっくりしたニャ‼️〗


「ごめんごめん。前にさ、他の世界の僕たちの話をしたろ?その1人が今、僕と一緒にいてフィーニャを助けようとしてくれたんだよ」


 〖さっきの声の人かニャ、まぁ必死さがあったからそうニャんだろうけどぉ〜〗


「今、気絶してたフィーニャを回復したのもその人なんだよ」


 〖うニャァ、まぁそれで許すニャ〗


 {{す、すまない。いきなり飛ばし過ぎた}}


 〖まぁいいニャ、それで助かったし。それにしてもあの魔攻、凄かったニャー〗


 {{ん?マコウ?}}


「魔攻っていうのは魔紋攻撃の略で、魔紋による攻撃術のこと、ついでに魔防は魔紋防御のことだよ。まぁソーンの世界の魔法スクロールに近いかな」


 {{ンン??スクロール?じゃあこの世界には魔法に近いものは}}


「うん、魔紋以外はないかな。逆に俺の《共有》に近い〈スキル〉は色々あるみたいだけど」


 〖んニャ!スキルはいっぱいあるニャ、・・・んニャ?!〗


「ん?どうしたのフィーニャ」


 フィーニャは猫科のような耳をいきなりピンっと張り、

 髪の毛やスキルで獣化した手足の毛を逆立てる。


 〖何かが”起きる”ニャ〗


 {{「起きる?」}}


 次の瞬間、地鳴りと共に大地が大きく揺れ動く。

 大地が引き裂かれるように地割れが発生し、深い谷を形成し始める。周りの木々は他に飲み込まれるように落ちていき、周囲にいた小動物や戒獣は逃げ惑う。


 ”ンゴオオオオオオォォォォォォォォゥゥゥゥゥゥンンンン”

 大地から全てを震わせる大きな嘶きのようなものが世界に鳴り響く。


 その時、一筋の光が、轟音と共に、あの”山”に落ちる。


 {{あっ……}}


 ”それ”に気づいたのはソーンのみ。

 いや、”張本人”のその人のみしか気づけなかった。


 大地の震えや轟音、森のざわめきが収まり辺りは静けさを取り戻す。


 〖一体ニャにが起きてるニャ⁉️〗


 {{・・・うっ}}


 またも黙り込むソーン。


「ソーン?」


 {{・・・・・・}}



「……なんか……やっちゃったの?」


 {{多分……やらかした}}


 〖ニャにをやらかしたニャ?〗


 零士の中で俯くソーン。

 そして、時間の無い中ゆっくり口を開く。


 {{……さっきの魔法、〈チェインライトニング〉は標的を設定し放つ魔法なんだが、先程は急いでることもあって設定を”付近の人間・亜人以外の敵意を持つ強力な生物”にしたんだ}}


「なるほど、だからマーダーラビットのみを追跡して攻撃してたんだ」


 {{あぁ、だがあの兎を倒しきった、と思ってたんだが、何故か魔法がそこで止まっていなかったみたいなんだ}}


 〖どういうことニャ?〗


 {{・・・まだ、周りに敵意を持つ生物が残っていた、みたいなんだ}}


「それなら、魔法が倒して終わりなんじゃ?」


 {{普通ならそうなんだ、でも違った。終わらなかった。俺たちが会話してる間も〈チェインライトニング〉は攻撃を続けてたんだ}}


「えっと、つまり?」


 {{つまり・・・〈チェインライトニング〉は標的をずっと攻撃していたが、それでは倒せなかった。だから魔法は一度標的から離れ、自然の力を利用し魔法の効力を強化し、トドメの一撃となる雷としてさっき、あの”山”に落ちたんだ・・・}}


「・・・マジ?」


 {{マジ・・・}}


 〖ま、マジかニャ・・・〗


 {{俺の魔法は、設定した行動を”必ず”やり遂げるまで止まらないんだわ。ある意味の自律行動ができるんだけど、まさか倒し切るために自己強化までするとは思わなかった}}


 〖ん?必ずなのかニャ?〗


 {{あぁ、必ずだ}}


「え?つまりあの”山ドラゴン”を・・・」


 {{うん、多分倒した・・・}}


 〖・・・〗


「・・・」


 {{・・・}}


 ・・・・・・・


 {{あ、レベル上がった}}


「〖あ、じゃないわ(ニャ)!!!!〗」




 世界対消滅まで残り3時間半。


《御礼申し上げます》


この度は、拙作を最新話まで読んで頂きありがとうございます。


自作が読まれるのは大変嬉しい事です。引き続き更新をしていきますので、読んで頂ければ嬉しいです。


新規の読者様、もしよろしければページ↓にある


『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして応援して貰えないでしょうか。


多くの人の目に触れることで感想ももらえるようになるので、作品を楽しく書くことができるようになります。


作者のモチベーション維持のために協力して頂けると嬉しいです。


後、フォローもしてもらえると助かります。


以上、図々しいお願いかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ