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第5話 思い付き?そして過去……

あと数話でプロローグを脱します。

 

「ソーン!?いきなりどうしたの?」


[どうしたのだ?レイジ]


「いや、いきなり他の世界から《共有》されて・・・」


 {おーい!レイジー!聴こえたんじゃないのかー?}


「ちょ、ちょっとソーン!ちょっとだけ待って!?」


[うむ、何やら忙しくなってきたな。レイジ、こちらも急ぎ動く。何かあればまた共有してくれ]


「うん、わかった!ありがとうクリストフ!」


[あぁ、また!!]


 そうしてクリストフとの《共有》を終え、直ぐにソーンに切替える。


「ソーン!お待たせ!それでどうしたの?」


 {あぁ、対消滅のことを考えていたら少し思いついたことがあって、直ぐにでも試したかったんだ!}


「ふーん?どんな事なの?」


 {レイジ、お前の力《共有》ってどこまでできる?}


「どこまで??」


 {そう、どこまで、だ。共有の範囲はどこまで、共有の内容もどこまで、共有できるものはどこまで、と思ったんだ。その時1つ思いついた。レイジの《共有》を使えば意識の共有も出来るんじゃないかと}


「意識の共有!?」


 {そうだ、レイジ自らを情報として送る、もしくは俺たち同一の存在と言われるもの達が、自分自身を1つの情報としてレイジに送れるか、ということだ}


 あまりピンと来ていないのか眉をひそめる零士。

 確かに、零士が手に入れたこの力《共有》は分かっていないことだらけだ。




 話しは、少し過去に戻る。


 ーーーーーーーーーーーーー


 この子が、零士が《共有》を使えるようになったのは世界観測の開始から少しした時、自宅のテレビで”1の世界”を見た時、唐突に身体に電流が走ったような衝撃を覚えた時に同時に芽生えた力だった。

 ただ、当時は芽生えただけで使い方はおろか、何が自分の身体に起こったのかすら分からなかった。


 そもそも、零士の世界ではこういった能力のようなものはほぼほぼ発見されていない。サイコキネシス、テレパシー、透視、未来予知、といった超能力いわれるものや、シャーマンやイタコといった降霊術師、錬金術師のような特殊能力者のようなものも名乗る者はいるが、これらは全て実際に確認されたものは無かった。


 この世の何処かに本物はいるかもしれないが、事実見つかることは無かった。


 そう、世界が繋がるまでは。


 零士は、この世界で初めて観測された能力者だったのだ。

 力が芽生えてから初めて能力が発現したのは7歳の頃。

 ”1の世界”に繋がってから1年が経ち、小学校の校外学習で《WEOR》に両親と共に社会科見学に来た時だった。


 入口からエントランスに入ると、中央に零士の世界と”1の世界”の地球儀型モニターがあり、その横の廊下には”1の世界”のリアルタイム観測モニターが20枚並んでいた。零士はその廊下を歩いていると、端にあった最後の1枚のモニターに目が止まる。

 これまでのモニターも綺麗な自然、見た事のない動植物、そして素敵な都市を映し出していた。

 それらにはあまり目もくれず、零士は最後の1枚に夢中になった。


 そして両親に向かってこう言った。


 ”これ・・・僕だ。ねぇお父さん、お母さん、なんで僕がここに映ってるの?”


 衝撃の一言だった。

 この子は今、モニターに映ってる男の子を指さし、”これ”は自分だと言ったのだ。


 両親は最初冗談だと思っていたが、零士が本当に不思議がっている様子を見て、これは違う、この子の中にある事実のみを言っているのだと理解した。


 そして、この状況を見ていたのは家族や他の生徒以外にもいた。


 彼はすごく驚いた表情を見せながらも、何処か悲しげでもあった。

 聞き間違いであってほしかった、その思いが強かった。

 でも、あの子の両親は聞き返し、言い間違えではなく事実だと認識してしまった。


 彼は声をかける。

 ”本当にあれは君なの?”


 少年は答える。

 ”うん、僕だよ?今、声掛けたらびっくりしてたよ”


 なんとも無邪気な声が帰ってきたが、内容に驚いた。

 声をかけた?

 誰に、どうやって?

 そもそもあれがこの子?

 脳裏が思考の波に飲まれていく。


 ”見てて”


 この一言の後、脳裏を埋めつくしていた思考は全て流されていく。


 この子が”おーい!上!上!”と声を発すると、モニターの中の子が声に反応し、頭頂部を映していた上部にある観測カメラ(相手には見えていない)に顔を向け笑顔を見せてきた。


 ”この子はビル、この世界の僕みたい”


 これが最初の《共有》だった。


 彼は目の前の現象に驚きつつもやるべきことを見定めた。

 この子の研究したいと言う気持ちと、この子を他の脅威から守る為にその場でこの子と子の両親に頼み込み、学費や宿泊場所を提供することと、この子の安全を約束する代わりに、この子と共に観測研究を行わせて欲しいを願い出た。


 両親は渋い顔をしていたが、この子の特異性を感じた二人は子を彼に預けることにした。

 何よりこの子が、いや、零士がそう望んだ。


 こうして、零士は彼の導きで世界事象観測研究機関《WEOR》に所属する事になったのだ。


 そして、零士が機関に来たことによって事象観測は一気に加速する。

 零士の能力の研究がまず行われた。

 ただ、非人道的なもの実験や研究は無く、零士が事象観測を行う時に”これはできる?””こういうことはどう?”と言ったように、何が出来るかとどういうことが出来るかといったことにとどまり、あくまで零士のことも”観測”する事を主にしていた。


 それでわかったことは、情報の共有、感情の共有、思考の共有、といったデータ送信とテレパシーのような能力ということ。

 ただ、それも別世界の同一個体とのみの限定的な能力であり、同じ世界の他人や、別世界の他人とは不可能であった。


 それらの研究の中で零士が大いに役立ったのは、世界観測の拡張だった。


 零士が8歳の時、たまたまこんな事を考えた。


 ”ビル以外にも僕と同じ人はいるのかなぁ”


 この思考は思ってか知らずか、世界に伝播した。


 この思考直後から、世界は次々と見つかり始めたのだ。

 零士が機関に入ってから2年後に”2の世界”、半年後に”3の世界”、1年後に”4と5の世界”と繋がり始め、15歳の時、あの”6の世界”と最後に繋がった。


 そして、繋がった理由は最後の世界でわかった。


 シスだ。


 ”6の世界”唯一の生物、シスがいた事だ。

 これでわかった。


 全ての世界に、零士の同一個体が存在していたからだ。

 だから繋がったんだ。


 これは、一種の共鳴。

 血や魂といった、人の根源的何かがこの子らを結びつけた。

 そう、研究者達は結論付けた。

 まだまだ分からないことは多いが、


 でも、結論付けただけだ。

 そこから先は今までと変わらない。

 観測するだけだ。


 これからも変わらず、この子を守り、そして世界を見ていこう。


 彼は、そう決意した。


 ーーーーーーーーーーーーーー


 といったことから、零士は箱入り息子として育ってきた。


 そのため、ただ見守られ無理難題な実験をしてきたことの無い零士にとって、ソーンの提案は真新しいチャレンジのように感じた。


「意識の共有、どうすればいいんだろ」


 {それは多分だが、俺の方がどうにかする話だと思ってる}


「どういうこと?」


 {レイジがこの間共有してくれた情報から感じたんだが、本来他の世界同士が触れ合ったら対消滅しちゃうんだろ?}


「うん、僕の世界を表だとしたらソーン達のいる世界は鏡に映った裏の世界、つまり見えるけど触れられない相反する物資の世界になるって感じ」


 {ってことはだ、なんで俺たちはこうして通じあってる?}


「ん?どゆこと??」


 {相反する世界のはずなのに俺たちだけは、表のレイジと裏の俺たち、《共有》という形で触れ合っていると言っても過言じゃない状況のはずだ。なのに何故消滅しないのか}


「・・・確かにそうだ」


 {そこで俺は考えた。俺たちは零士と同じ存在だからこそ表裏のような関係じゃなくて、表裏一体のような存在なんじゃないかって思ったんだ}


「なるほど、そしたら僕たちだけは対消滅から免れるってこと?」


 {まぁその可能性もあるが、本筋とはまた別だ。いいか、俺たちは対消滅が起きない、ってことはだ。俺たちだけは何かしらの形で触れ合い、世界の壁を超えてるってことなんだよ!}


「うん、確かにそうだ」


 {そして最後、対消滅しないんなら俺たちの意識を、俺たちの魂をひとつにまとめることも出来るのか?レイジにこちらから届けることは出来るのか、ってことになったんだ}


「なんか、壮大だね」


 {まぁな。でも、もし上手く行けば俺たちはレイジ視点から他の世界を見ることが出来るようになるし、もっと交流出来て対消滅を止める案が浮かぶかもしれない}


 最後の言葉に目が覚める零士。

 確かにそうだ。

 今、やるべき事がいっぱいあるんだ。

 なら


「よし、やろう!どうすれば共有できると思う?」


 {レイジが《共有》で情報送るのと逆で、《共有》で俺を吸い出す?もしくはさっきも言った、俺を何らかの形で情報にしてレイジが受け取る、というのしか浮かばなかった}


「うーん、前半のはちょっと難しいかも。ただ2つ目の方は1個上手くいくかも」


 {2つ目のほうか、一体どうやって?}


「前に一度、僕の世界に向けて魔力を伸ばしたことあったでしょ?あれを応用出来ないかな?」


 {あぁ、確か俺の魔力を送ってみたらレイジに吸収されたことがあったな}


「そうそれ!魔力を伸ばしてこちらの世界に魔力をたどり着かせて、その魔力にソーンの意識を載せて僕に吸収させるんだ」


 {なるほど、よしちょっとやってみよう}


 そう言うとソーンは自分の執務室のど真ん中に胡座をかいて床に座り出す。


「あっ、ソーン!あんまり周りに迷惑がかからないようにね?」


 {大丈夫だ!魔力に意識を載せること自体は多分難しくない。魔法を放つ時は魔力に意志を載せないと思ったところに飛ばないからな!応用だ!}


「そうじゃなくて、その部屋に人が来たりするでしょ?いきなり目の前に胡座をかいて座り込んでるソーンがいたら驚くでしょ?」


 {あぁ、確かにそうだな。だがまぁ、大丈夫だろう!意識は魔力に載せて飛ばすが、体感覚を身体に残したままにしとけば、もし誰かが来ても身体に触れさえすれば意識が肉体に戻ると思うしな!}


「うーんまぁ、それでいいなら」


 話が終わり、ソーンは大量の魔力を練り上げはじめ、頭上に大きな魔力球を作り出す。

 どんどん魔力を球に込めていく。


 {よしレイジ、準備はいいか?}


「《共有》発動!いつでもどうぞ!」


 ソーンは魔力球に意識を込める。

 レイジの元に辿り着く。

 レイジと共に世界を救う。


 その一心で、意識を込める。


 そして


 {いくぞ!!レイジ!!}


「おう!!」


 掛け声と同時に魔力球が空に打ち上がる。


 高く高く、空を一直線に貫いていく。


 そして、空に穴が空く。


 その穴に飛び込む魔力球。


 穴の先は・・・レイジのモニター。


 目の前のモニターに穴が開き、何かがこちらに向かってくる音がする。

 身構える零士。


 そして、


 次の瞬間、魔力球が零士の世界に届いた。



《御礼申し上げます》

この度は、拙作を最新話まで読んで頂きありがとうございます。

自作が読まれるのは大変嬉しい事です。引き続き更新をしていきますので、読んで頂ければ嬉しいです。

新規の読者様、もしよろしければページ↓にある


『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして応援して貰えないでしょうか。


多くの人の目に触れることで感想ももらえるようになるので、作品を楽しく書くことができるようになります。


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以上、図々しいお願いかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。

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