表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ配信開始!】呪われ公爵と身代わり令嬢 【第一章完結済!】  作者: 歪牙龍尾


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/89

5-3

「伯爵家のパーティーに? 何故いきなり……」

 予想もしていなかったピエリスの言葉にリシンは驚く。

 王家の身代わりであることからもわかるようにユーラリア家は選択するまでもなく王子派である。対抗派閥である伯爵家のパーティーにピエリスが行くのは敵地に飛びこむことを意味していた。

「リシン様が鎮圧している貴族の騒動、目的や原因がはっきりしていないと聞きました」

「そうだな。捕まえた貴族達はむしゃくしゃしたなどと感情的な言葉が多い。虚言や誤魔化しでそう言ってる可能性も高いが、何もわかっていないことに変わりはないな」

「ですが、引き起こしたのが全て伯爵派であることは間違いない。そうですよね?」

 ピエリスが確かめるようにそう問いかけると、リシンは「あぁ」と小さく頷いた。

「同じ派閥から引き起こされているのですから、そこに誰かの意図はあるはずです。それが伯爵家に行けばわかるんじゃないかと思ったんです」

 原因も目的も不明な騒動となると事後処理的な対応しかできない。だが目的さえわかれば話が変わる。

 リシンの仕事を減らすためにも、そして何より伯爵派の企みを潰すためにも偵察に行く価値はあるとピエリスは思ったのだ。

「それは確かにそうかもしれないが……。君に招待状を送った理由が気になる。もしかすると」

「罠かもしれない、ですよね。私もそう思います。ですが彼らが森の民との争いを望んでいるなら、聖女を味方にしておきたいとも思うのではないでしょうか?」

 ピエリスの言葉にリシンは小さく唸る。

 呪いに対抗するために聖女は有用だ。敵に回すよりも味方にしようと考える可能性は高かった。

「私以外に、メディラ令嬢に招待状が送られていることも確認しています。呪いに対抗できる人材を集めているとも考えられませんか?」

「君と友人になったというメディラ令嬢か。彼女もまた聖水を作れる者、か」

「ですから、身の危険はないと思うんです。それに招待状に気になることも書いてあって……」

 そう言ってピエリスは少し言葉を詰まらせた。

「何が書いてあったんだ?」

「それが……家族二人も伯爵邸で待っている、と」

 ピエリスは少し躊躇いながらも、リシンの蒼の瞳に見つめられて観念したようにそう呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら最近出した短編となります
生贄の少女と森の狼様
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ