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仕事で悩む若者へ。

 仕事は嫌なモノである。大多数の人は嫌だと思って仕事をしているだろう。仕事が大好きだ、毎日でもしていたいと思える人は自分を誇って欲しい。



 僕ももちろん嫌だ。行かなくていいのなら二度と行きたくない。毎日職場が燃えていないかと願う。



 5年以上働いている事もあり、僕はそこそこ良い立場にいさせて貰っている。年上の部下、技術や知識を持たない上司、若いからという理由で余計な茶々を入れてくる他部署の人……まぁ嫌ではあるが程々に楽しくやっている。



 先に書いておくと、今の僕は製造業のオペレーター、所謂ライン工とか現場の人間とか言う奴だ。



 現場に行く前、僕は現場管理の技術職の部署にいた。そこで得た技術が評価されて少し早めに出世出来たのだろうが、まぁ今の僕は元技術職、現役職持ちなのだ。



 そんな僕が今回書きたいのは、今年社会人になった人や来年社会人になる人に対する『上手い生き方』だ。



 僕が実際に経験した事と照らし合わせながら、僕と同じ思いを皆がしないように、その時に取るべきだと思った行動を書いていく。僕の生き方が上手いと言えるかは分からないが、少なくとも今の職場に悩みは無い。まぁこれからの選択肢を増やす為にも一読してみてほしい。



 現場管理の技術職に3年間いた。生産数の調整、不良の対策を練る、オペレーターが仕事をしやすいように現場や設備の改善等々……1人の人間が処理出来る仕事量では到底無かった。これは僕が新人だったからとかでは無いと思っている。2〜30人程いる現場を1人で管理するなどとてもじゃないが出来やしない。



 毎日残業で36協定も大幅に越えるのが当たり前。いや、『残業』になるならまだ良かった。



 タイムカード上では定時には帰っているのだ。つまりサービス残業。正確な数値ではないが、最後の1年間は年間200時間くらいはサービス残業をしていたと思う。朝の8時〜朝の4時まで働いた事もあったがそれもサービス。更に土日も普通に仕事で、休みなんてほとんど無かった。



 それだけの仕事をしたって、現場からは理不尽な要求、無理だと上司に泣きついても知らん顔。疲労とプレッシャーで無理矢理仕事を進めると『上司に相談しろ』とお怒りの声が飛んでくる。



 現場も理不尽だし、上司も理不尽だった。逃げ場なんて無い、心に負ったダメージはただただ受け入れて、耐えるしか選択肢は無かった。



 それでも3年間も耐えたのはもはや洗脳だろう。耐えていたからこそ今の技術や、目上の人に臆することなくもの言えるだけのメンタルを手に入れたとは思うが、マイナスの方が大きい。



 無理な残業から来る過労、上司と現場の板挟みによるプレッシャーからの寝不足等…僕の限界はすぐに来た。



 夏の出来事だが、熱中症で倒れ、僕は意識を失い救急車で病院に運び込まれた。その後、鬱の初期症状だと診断された。そこで目覚めたのだ、今まで僕がやって事が間違っていたんだと気付くことが出来た。



 部署を異動してもらい、現場に行った僕はまぁまぁな頑張りで役職を手に入れ、今は何事も無かったかのように働けている。



 とまぁ、とんでもなく長い自分語りをしたが、ここからが本題だ。あんな経験をした僕でも今を楽しく生きていられるのだから、皆も大丈夫だよと言いたい。



 もちろん個人差があるし、その人の環境によっては今から書くことは全く意味をなさないのかもしれない。だが、誰にでも出来る少しだけ胡散臭い事を書く。



 仕事なんて辞めたい時と思ったら辞めればいい。こう言う人も多くいると思う。実際僕も同じ事を思うし、仕事が辛くて…と悩む若者がいるなら同じ事を言うだろう。



 しかし、それだけでは言葉足らずだ。辞めるにしても、辞める原因を知らなければ次へのアドバイスが出来ない。



 職場の人間関係で悩み、僕に相談をしてきた友人がいる。プライベートな内容なので詳細は伏せるが、受け取り手によってはいじめと捉えられてもおかしくない内容だった。



 正直僕は気にしすぎでは無いかと思ったが、それはあくまでも僕の気持ちであって、職場の人に直接言われた友人の苦しみは僕には分からない。ただ、随分と失礼な事を言う人が居るものだと思った。



 僕が直接その人に会った訳ではないので、冗談なのか本気なのか判断は出来ないが、その悩みを告白された時、僕は辞めていいと思った。どちらにしても、似たような事は今後起こるだろうし、改善も出来ないと僕が判断したからだ。



 冗談にしたって、友人は傷付き苦しんでいるのだから僕はいじめだと思う。僕と歳がそこまで変わらないとは言えまだ若い。新しい場所で頑張るのがいい。



 社会人が頑張らないといけないのは先輩や上司からのいじめに耐える事ではない。自分の仕事をこなし、成果を上げ、数字で貢献、または社会的に貢献することだ。



 君がどれだけ我慢しようが、傷付こうが、そこに給料は発生しない。そんな事に時間を、精神を割いているのであれば自分が輝ける場所を探すべきだ。自分がそうだったのでハッキリ言うが、その耐えてる時間は無駄だ。



 だから僕は辞めた方がいいのではと伝えた。僕が責任をとれる訳ではないので最終的には本人次第であるが、少なくとも自分がその立場なら辞める。



 新人の自分が辞めるなんて……と思う人もいるだろう。実際、友人も1年経たずに辞めようと思い、僕に相談してきたのだ。



 部下もいる僕の目線から言わせてもらうと『辞めるならさっさと辞めろ』と言った感じだ。その席が空かないと新しく人も雇えないし、引き継ぎの量も増える。上司の目線的にも耐えてる時間は無駄なのだ。



 更に言うなら、その仕事を遂行してくれるのは『誰でもいい』のだ。この人じゃないとダメなんてことは無い。自分がいなくなったら…などと考えなくていい。それこそ余計なお世話だ。いなくれば人を入れる、それが社会のやり方だ。辞める決断をしたらすぐにでも伝えるべきだ。



 1番ダメで、1番多いのが『辞めたいのにいつまでも決断出来ない』事である。『辞めるべきか分からない』のでは無く『辞めたい』と自分の意思がハッキリしているのにそれを行動に起こせないパターンが1番ダメだと個人的には思う。



 再就職の事や、辞める事を告げる瞬間を考えたら億劫になるのも分かる。だが、それは一瞬の事だ。長い人生、嫌だと分かりきっている職場で過ごすのが、今少しだけ苦労して新しい道を進むのか…どうせ我慢するのなら未来の自分の為になる我慢をしようじゃないか。



 新しい場所で過去を活かした時、そこで初めて耐えてきた意味が生まれるのだ。今まで頑張って、自分を押し殺して、追い込まれてきた事を無駄にしない為にも、辞めようと決断した時は頑張って勇気を振り絞って欲しい。



 決断した後も迷うと思う。何が正しいかなんて分からないだろう。どんな選択をしたとしても、他の選択肢を選んでいたらどうなっていたのか気になるだろう。



 だが、それは結果論なのだ。『今』を生きる僕達に出来ることは『今、正しいと思った事を選ぶ』事しかない。人生なんて選択の連続だ。その時その時に正しいと思った方に進むしかないのだ。



 もう一度書く。『我慢は無駄』だ。自分が限界だと思ったら辞めたらいい。その選択一つで自分を追い込んでこの世を去ってしまう人すらいるのだ。僕は自分の友人にそうなってもらいたくはない。



 頑張れ。頑張って明るい未来に向かって進んでくれ。君の、同じ悩みを持つ人達の幸せを心から願っている。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 前を向きます。 [一言] 言いたいことは山のようにあるんですけど、とりあえず少しだけ。 辞める続けるの選択も、その後も選択の連続っていうのは本当にその通りです。 決断をして、それでも少しし…
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