小説家になって困り続ける事。
さて、引き続き僕が執筆において困る事を書いていこう。
前回はタイトルの事を書いた。今回は自分が扱うキャラクター、つまりオリジナルキャラクターについて書こうと思う。
オリジナルキャラクター、長いのでオリキャラと略させて頂くが、オリキャラとは作者が設定を決めたキャラクターのことである。
一次創作であれば全てのキャラがオリキャラになるので語る事も無いが、二次創作においてはオリキャラの存在がその作品の命運を分けると言っても過言では無い…と思う。
二次創作におけるオリキャラは基本的に主人公である。あくまでも『基本的』なので、もちろん例外もあるだろう。
僕が書いていたのは二次創作であり、現実的な話では無いので魔法等の力がある世界が舞台となる物語で、主人公はオリキャラだったのでかなり設定を考え込んだ記憶がある。更に主人公の親友、主人公の息子もオリキャラであり、ストーリーに大きく関わるキャラクターなので真剣に悩んだ。
主人公なんて『ぼくがかんがえたさいきょう』を文字にするだけなので正直、時間はかかるがとても楽しかった。しかし、親友や息子は違った。
戦いも書きたい僕にとっては主人公と拮抗する力を持っていて欲しいが、ストーリー的に主人公は最初弱くて終盤最強にしたかった。そこに合わせて親友の強さも考えるのが本当に苦労した。苦労しすぎて大切な親友ポジションを小出しにしてしまう程だった。
息子も主人公と同じように徐々に強くなるタイプだったのだが、戦闘面で僕が悩んだのは父親超えをさせるかどうかだ。
物語中最強の父親と、それを追い越そうとする息子の構図…激アツである。どちらが主人公なのか分からなくなる程に楽しくなった覚えがある。
あくまでも主人公は主人公。息子は主人公ではないのだ。精神が幼い僕にとっては主人公はいつまでも最強であって欲しい気持ちが強い。しかし、他の誰でもない息子に最強の座を譲って息子の更なる成長を見守る展開もそれはそれでグッと来るものがあるとも思った。
僕はその答えを出すことが出来なかった。謎は謎のままで良い事もある……そういう事にした。直接戦う事無く、お互いの戦力がかなり拮抗していることだけ作中で明かしておき、後は読者の妄想に任せるのも悪くは無いだろうと。
最終回を投稿した後の感想に、主人公と息子の戦いが見たいと言われることが多かったが、頑なに拒んだ。本当に申し訳ないと思う。
しかし作者の僕が決めあぐねているのだ。それは諦めてもらうしかない。頼む、勘弁してくれ…と言った思いでいっぱいだった。ちなみに今でも決められない。
主人公の息子なだけあって戦闘面以外に悩んだ事がある。それは息子にとってのヒロインを決めること。
僕が舞台とした世界では女性キャラが多く、設定次第では選り取りみどりと言った具合だ。ある意味ハーレムではあるし、親子揃ってモテまくるのだが、一途に1人の女性を愛して欲しいと僕は思った。そうなるとヒロインを決めなければならない。原作の設定で、歳を取らない設定なので、主人公の時のヒロイン候補がそのまま息子のヒロイン候補になるのだ。
息子の成長も書きたいと思っていたので幼少期から結婚までを僕は書いた。主人公で無いとは言え、重要な事である。主人公に好き好きアピールをしておいてその息子に乗り換える…なんて事をしたらその原作キャラの印象が悪くなるだろうし、僕自身そんな風には書きたくなかった。
好意は持っているが、恋愛感情は抱いていない。いや、抱いているように見せなかったキャラを息子のヒロインに抜擢したのだ。正直ホッとした。
重要なオリキャラはもう1人いるが、設定的に原作キャラの母親ということもあり、困る事は少なかった。少なくとも前述した3人よりよっぽど楽だった。
僕はオリキャラが少ない方だと思うがそれでも大変だった。新規の小説を書こうと思ってもまずキャラの設定を決める所で心が折れる程だ。センスの差もあるとは思うが。
SFチックな戦闘がある世界観で困る事もある。原作キャラは原作をそのまま流用させて頂ければいいのだが、オリキャラはそうもいかない。
今回はキャラ設定について書いたが、まだキャラクターについて書きたい事はある。それはまた次回に持ち越そうと思う。