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お仕事恋愛シリーズ

私は原作者であって、脚本家ではありません。~でも原作は守らないとは言っていませんよね?と噛みついたら溺愛が始まりました?~

作者: 千桜

よろしくお願いします。



ちゃんと長編の方も頑張っておりますので見逃してくださいませ!

「おめでとうございます!日和先生。Web小説が書籍化のみで漫画化ではなく、そのまま映像化何て始めての快挙ですよー!私、興奮しております!」


今まですっとLINEでのやり取りばかりで電話何てかかってきたことの無い、担当の編集者さんからの電話…。名前も忘れた…。ヤバい変な汗出てきた。出るまでに数秒間悩んだのに…。内容も頭になってこない…。映像化?


「ありがとうございます?映像化とは?なんの事でしょうか??書籍化したのも2年前でそこそこでしたよね?」


電子書籍のみの発行で、まぁまぁの売れ行きではあったもののそれだけで、その後は短編ばかりをWeb小説であげていたから私的には忘れ…過去の作品になっていた。


「あぁ!申し訳ありません。ちゃんと説明させていただきますねー。この度、日和先生の作品の映画化のお話が来ました!橘 琉依監督ご存じですか?橘監督が先生の作品のファンでいらしたようで是非原作を使わせて貰いたいとの事です!私、橘監督好きでー恋愛よし、ヒューマンドラマよし、歴史ものよし。何でも御座れなんですよ!受けますよね?受けるしかないですよね?」


「えーーー。辞退…。」


「私の話聞いてました?先生?」


君は私の担当編集者じゃ無いのか…その橘監督の担当なのか…。辞退って言っても聞いてくれなさそうだなー。電子書籍化でも、加筆したり、訂正したり、編集されたりで、本来の仕事としながらだから、すっごく大変だったんだよなぁ…と遠い目になってしまった。私はなるべく関わらない感じでならいいかなぁ。


「原作として提供するだけなら良いですよ?私は出来るだけ何もしたくありません。原作のストーリーを弄らないならセリフが多少変わっても構いませんので…。」


自分の作品に愛情は無いのかとか突っ込まないで下さい。ファンの皆さんすみません。我が身が大事なのです。あまりに違ったら別物として見てくださいって注意喚起しますからー。


「日和先生はそれでよろしいのですか?脚本家の先生を入れたら日和先生の原作者としての意見など何も言えなくなりますよ?」


「映画のセリフを場面考えながら書くなんて私には出来ませんよ。ムリムリ。ストーリーを変えられたらダメですが、ある程度は譲るつもりです。唯、ヒーロー役は推しがいます!!アテガキと言っても良い!」


見るからにガッカリした感じだな。電話だから見えないんだけど!脚本まで関われたら自分も監督に会えるとでも思ったんだろうなぁ。それは自分で頑張れよ!


「解りました。…で?推しは誰ですか?推薦という形でなら通るかも知れませんよ?」




それから契約だのなんだの報酬やらなんやで忙しかった…あれ?忙しいの回避したはず…。橘監督にも会えた。担当編集者の人がウキウキしながら橘監督に名刺を渡しながら名乗りっていた。やっと思い出した…。藤 円花さんだった。

丸ぶちメガネが似合う監督さんだった。声が渋いーーー。


「今回は日和先生の原作を使用する許可を頂き感謝します。なるべく原則に添うように作るつもりです。脚本家は名乗りをあげてきた人間がいましたのでそいつに任せようと思います…。まぁまぁ有名ですので…。」


「えーーー。そうなんですかぁ?楽しみですね!先生!ちなみにどなたなのですか?」


お前が答えるのか…と監督さんの目が言ってるけど、私はそれを無視し、しゃぶしゃぶ肉に舌鼓みをうった。めっちゃうまい。何この肉…食べたことないわ。

うまうまー。ニコニコしちゃう。


「美味しいですか?」


「はい!!とっても!」


あっ元気に答えてしまった…。


「それは良かった。この店にして正解でしたね。」


おう。この監督自ら選んだ店だったのか。途端に「とってもおいしいですぅー。」と被せてくる円花さん。目がマジだ。こわっ。

何だかんだで、食事会は終わった。


その後は円花さんから映画の新着状況の報告が細やかに!ありつつ、過ごしていた。


「日和先生は撮影見学にいきませんか?」


と誘いがあったが断っていた。原作者がちょくちょく見に行ったらウザいよ。


「最後に行けば良いのでは無いの?」


と答えたらガーンと音がした気がした。電話だから聞こえないけどね。知らん。自分で頑張らんかい!


しかし、円花さんは諦めなかった。私を巻き込むことを…何だかんだで激励にと行くことに決まり、見学に行くことになった。


カメラがいっぱーい。床は線だらけにテープだらけ…。部屋も半分しかないなーセットって言うのだっけ?躓きそうだな。と本当に見学していたら円花さんに怒って連れていかれた。何故?


「日和先生何してるんですか!撮影はこっちですよ!もー!」


「嫌、だって見学って言ってたじゃん。」


ドナドナされながら私は監督と出演者さんの居るところへ歩いていった。監督さんの横に綺麗なお姉さまがいらっしゃる。顔も小さいなぁ。誰かしら?


「円花さん監督さんの隣の方はどなた?ヒロインさん?私が聞いていた女優の樺島 優依さんじゃないんだけど変わったの?」


円花さん顔崩れてるよ?解ったよ。私が変なこと聞いたのね…?ごめんなさい。優依ちゃんに会いたかったなぁー。色紙持ってきたんだけど…。


「今回ゴリ押ししてきた脚本家の樫野 雅さんですよ。今イチオシの脚本家だそうです。」


「へぇー。」




「何で!そのセリフになるんだよ!おかしいだろ。ストーリーが一緒でもそこまでセリフが変わったら別もんだよ!監督!どうなってるんですか!ちゃんと原作読んで貰ったんですか?」


「…。そうだな。すまない。俺も様子見していたんだが…今回のは特に酷いな…。おい。雅、何故こんなセリフになる。これではヒロインのヒーローに対する愛情が感じられないぞ!傷つくだけだ!」


あれ?揉めてる??私は円花さんに目を向ける。円花さんが笑顔で頷く。君、確信犯だね?だから連れてきたな!


「あのー。お話し中すみません。ちょっとよろしいですか?」


3人の人間の目が刺さる。


「誰よ?」


「橘監督お久しぶりです。今日は撮影の見学に超させて頂きましたが、撮影はまだでしょうか?セットの見学はもうすみましたが?」


ガン無視してやりました。有名人かもしれないが、別に次があるわけでもないのだ。礼儀もない人間に返す礼儀はありません。


「あぁ。今日だったな。すまなかった。出迎えもせず…。セットの見学もすんでいるとは…。案内したかったが…。紹介しよう。今回のヒーロー役で俳優の杉ノ原 琉斗だ。琉斗、原作者の日和先生だ。今日は撮影の見学に来られた。」


「初めまして。今ヒーロー役を演じます。杉ノ原琉斗です。宜しくお願いします。日和先生にお会いできて光栄です!僕も監督と一緒で原作のファンなんです!」


「これはご丁寧に。ありがとうございます。私は日和と申します。宜しくお願いします。ヒーロー役にぴったりですねぇー。それに声も素敵です!」


笑顔が眩しいー。はぁーかっこいい。顔も良くて声も良いだなんてー!


「ちょっと!!私を無視しないでよ!原作者だからって何よ!口出さないでちょうだい!」


「撮影はまだですか?今日は何のシーンを撮られているのですか?樺島 優依さんは来ますか?」


ガン無視継続中ー。さらに無視する私に、橘監督と杉ノ原さんは驚いている。別に彼女に口出ししてるわけではないので大丈夫でしょ?


「何なの?この人ーー!琉依!この女つまみ出してよ!私の脚本要らないの?」


「要らないんじゃないですか?」


「「「え?」」」


え?何で皆驚いてるの?特に脚本家の貴方?貴方は知ってなければならないでしょ?


「何で驚くんですか?私はストーリーが変わらなければ、ある程度のセリフの改編は認めましたが、今回の揉めてるシーンはヒーローがヒロインの愛情に気づかなければならない重要なシーンなんです。だから契約書にこのシーンのセリフだけは変えないようにと特記事項をいれています。お読みにならなかったのですか?後、二シーンほどセリフ改編不可事項がありますよ?ご存じ?どのシーンを撮られているのですか?見せてください。契約違反が解りますので!違契約金が発生してる可能性があります。私は面倒い事はしたくありませんが、原作を守らないとは言っていません。何か勘違いされていませんか?」


絶句で顔色が悪くなる脚本家さん。喜ぶ俳優さん。お怒りの監督というカオスとなりました。


「すまなかった。その様な契約書になっていたとは…。映画の原作使用許可の契約書は読んだが…。脚本での契約書は雅との契約だから、確認を怠っていた…。俺の責任だ。雅は解任する。申し訳ないが、今回の見学はここまでにして欲しい…。この件の詳細な確認と調整が必要になったからな…。」


「琉依!私を捨てるの?この女のために!私は貴方の為に他の仕事を蹴ってこの仕事を受けたのよ!!」


今することかね…。痴話喧嘩ならば他所でやって欲しい。切実に!


「別日にするのは構いませんが、映像のコピー頂けます?頂けないなら、撮り終えた映像の差し押さえを裁判所に申請しますからね?証拠隠滅などなさらないで下さいね。」


「貴方本気なの?私がどれだけ有名なのか知らないの?貴方の事なんて直ぐにでも潰せるのよ!?」


「いい加減にしろ!雅!今回の件ではお前の父親の権力は通用しないぞ!契約書があるし、原作者の権利は著作権で守られている。かなり強いんだよ!これを曲げればたくさんの著目な作者が非難の声をあげるだろう…。自分達の権利を犯されたことなるからな!」


「そんな…。」


だから!痴話喧嘩なら他所でやってくれってば!何で解りきったことを改めて説明しなきゃいけないんだよ!早く帰りたいよー!


「で?コピーは直ぐに頂けますか?」


私が脚本家さんを視界に入れない会話をするためか周りがざわざわしだした。


「それは直ぐには出来ない。作品を外部に持ち出すことになるからこちらも違反することになる。」


そうか。確かに…。


「では、正規の手続きを踏んで証拠を差し押さえます。円花さん?私これから忙しいくなるから帰っていい?」


「何で私に確認するんですか!いいに決まっています!?原作への冒涜は出版社としても見逃せません。私も一緒に参ります。」


円花さんが連れてきたんじゃん!?この後も何か予定あるのかと思うでしょうが…。


「ちょっと待ってよ!!本気で私を訴えるつもり?止めてよ!この映画も無くなってしまうわよ!?」


「そうですね。貴方のせいです。製作会社からも損害賠償請求がくるんじゃないですか?貴方に。あたかも被害者の様に仰いますが、貴方加害者ですからね。」


あーもう。面倒い。なんで私が引導を渡さないといけないのよ!私だって嫌よ。折角推しがヒーローやってくれてる映像が見れると思ったのに!


「ごめんなさい。私、謝るから!お願い!」


「雅止めろ!」


「また、痴話喧嘩ですか?いい加減ウンザリ。こちらは仕事の合間を縫って来てるんです。遊びではないのですよ?謝ってすむ問題ではありません。契約違反ですから。では。」


この場は逃げるに如かず。このままじゃ、らちが明かん。一礼して円花さんの手取り走って行った。

その後弁護士さんに連絡を取り契約違反を伝えた。弁護士さんに連絡したら私の仕事は終わり。その後の調整は弁護士さんがしてくれるからね。

事情説明したら絶句してたわ。脚本家さん有名人みたいだけど大丈夫?って聞いたら笑顔で


「ぶんどります!」


って言ってた。頼もしい。

謝罪したいって相手が言ってるって弁護士さんから言われたけど断った。また、痴話喧嘩ウンザリと呟いたら弁護士さんが食いついてきた。


「精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求しますか?聞いた感じだと、公衆がいるところで原作者の名誉も傷つけてますし、謝罪も原作改竄ではなく映画が無くなってしまうからですよね?謝罪になってませんよ?ぶんどりましょ?」


弁護士さんの笑顔が怖かった。流石にそこまでではないからと断った。


「なるほどー。誤解を解きたいと切実に言っていた意味が解りました。痴話喧嘩と思われているのなら誤解ですねぇー。これ脈ないじゃないですかー。会わなくていいですね。後これ、コピーです。私は確認しましたので、先生にも渡しておきます。見事に3ヵ所全部改竄されていました!違契約金はびた一文まけません。」


笑顔が怖いpart2。


家に帰り、コピーを見させて貰った。推しがかっこいい。私の考えたセリフを少しだけど喋ってくれてる。イラっとくるこうじゃない!これではヒーローが輝かない。

ヒロインの優依ちゃんにワンだほー。私のミューズ!このセリフを喋らせたい。シーンは解ったからセリフがどんどん出てくる。

私はスマホを取り出し指を走らせた。

円花さんと弁護士さんから電話がかかってくる…。出ないと筆記の画面戻らない…。


「円花さん私、今脚本書いてるの!忙しいの!邪魔しないで!」


「解りました!邪魔しないので、出来てる脚本送ってください!読みますから。」


円花さんそれでは全く譲ってないよ?でも貴方のお陰で少し冷静になれたわ。脚本を整理して送ってあげた。そして、弁護士さんからは


「金額が確定しましたので、書類へのサイン等がいるのですがいつ頃お会いできますか?」


だった。これはすぐに会わなければなるまいと、日程を調整して、脚本に没頭した。が、行き詰まった。当たり前だ。シーンが途中で終わってしまっているのだから…。続きが描きたいよー!!

どういうシーンにする予定だったのかしら…脚本の作り方が全く解らん。

悩んでいると円花さんから催促の連絡がきた。何故?


「先生!続きは??」


「いやー脚本何てしたことない事に手を出すもんじゃないね。シーンが無くなったら書けなくなったよー。」


「途中までならば出来ているのですね?ならそこまでの物を送ってください。それと、監督がお会いしたいと仰っています。今後の事もありますし、一度お会いしませんか?」


「これからの事を決めないといけないですもんね…弁護士さんとお会いする予定ですので、それからでいいですか?区切りがつかないと次には進めませんから。」


「何時ですか??どうせなら監督との話し合いに弁護士さんも同席して貰いましょう。」


「え?弁護士さんには迷惑では…。」


「大丈夫です!私から連絡しておきますので!」


あっそう。じゃあお願い。拒否権無さそうだったので頼んだ。私の弁護士さんは円花さんの会社の紹介で同じ弁護士さんだから接点あるのかな?




今日は忙しい。弁護士さんとの書類、その後そのまま監督さんと円花さんが合流し話し合い。1日潰れるかも…。流石一流の弁護士事務所でかいな。始めてきた時はあまりに緊張しすぎて覚えてないのだ。今日は少し余裕があるぞ!受付のお姉さんが美人で優しい!


「今日は宜しくお願いします。早速ですが、今日は予定が詰まっていますので、書類の説明後、サインして貰らっていいですか?」


「ご迷惑をお掛けしてすみません。お願いします。」


「ご迷惑など、気になさらないでください。このような問題が起こった後なのです。私が立ち合うのは当たり前ですよ?」


いい人だな。このインテリメガネ。ちょっと間違うとインテリヤクザだが…。名前なんだったけ?あっ、書類に名前がある。松下 海人か…。

金額には申し分なかった。というか度肝を抜かれた…。本当にぶんどったんだな。サインの時手が震えた。


「クスッ。ご心配なく。適正な金額ですよ?少し色をつけたぐらいです。」


絶対に違う。というのは分かる。色の方が多いでしょ。でもこれは決定事項だから何も言うまい。私は頷いた。ノックの音がして松下さんが入るよう様に声をかけている。受付の人が入ってきた。


「日和様、藤様と橘様がご到着なさいました。お通ししてもよろしいですか?」


私に聞くの?部屋の主は松下さんじゃん…。松下さんの顔を見て確認後、頷いた。

円花さんは何処で待ち合わせをしたのだろうか~ちょっとお茶でもできたのかしらー。あっそうなると浮気か?いかんいかん。円花さんには諦めるように説得しよう。


「失礼します。」


橘監督と円花さんが入ってきた。松下さんが立ち上がったので、私も立とうとしたら松下さんに目で制された。


「日和先生この度は本当に申し訳ありませんでした。監督としても、彼女の親族としてもお詫び申し上げ致します。」


橘さんが頭を下げている。え?松下さん!!どうすればーと目を向けるとクスッと笑って。


「日和様。謝罪をお受けになられますか?」


「はい!!受けます!」


「橘さま、日和さまは謝罪をお受けになられるそうです。頭をおあげください。」


はぁー焦ったぁ。


「取り敢えず座りましょう。先程書類にサインは終わりましたので樫野さんの件は終了致しました。履行はまだですがね…。その件も一週間以内には終わるでしょう。日和さまにはそちら側からの謝罪は必要ないとのことでした。なのに橘様はこの面会を求められた。何か理由が終わりですか?」


まぁ。確かに別に謝ってもわらなくてもいいです。って何度も松下さんや円花さんに伝えたもんね。今回は円花さんのゴリ押しだったんだけど…。

ってか何で円花さんこっちに座る?普通一緒に来たなら並んで座るものではないの?松下さん、私、円花さん並びで3人。監督一人の構図。


「私も何度も断られているから解っていたが…藤さんから脚本を読ませてもらって、杉ノ原にも、樺島にも読ませて、3人で興奮して居てもたっても居られず…。この映画を作りたいと…この脚本で作らせて貰えないでしょうか!お願いします。」


橘監督はまた立ち上がり頭を下げた。

が、私には訳が解らなかった。脚本とは?どういうことかな?円花さん?私の首はビュンと音を立てそうな勢いで彼女の方を向いた。


「だってぇー日和先生の脚本とっても面白くてー。っていうかこっちで作った方が俄然面白くないかな?って思っちゃったので横流ししちゃいました!」


横流しって…あんた編集者なら一番やったらあかんやつやん。


「藤さんは悪くないんだ。日和先生に謝罪をと何度も出向いて藤さんに頼んでいた時に熱心に読んでるから、聞いたら日和先生が書いた脚本だと…教えてもらって。無理を言って読ませて貰ったんだ。コピーも取っていないし、返却済みだ!!」


「はぁー。まだ、途中ですよ?それに取り直しとなればその分経費もかかるし、製作会社やスポンサーもいい顔しないんじゃない?私は別に3シーンを戻してさえ頂ければ樫野さんのままで構いませんよ?違契約金を払っていただきましたから。」


正直また、痴話喧嘩の最中に放り込まれるのはごめんだ。私の考えたセリフを杉ノ原さんや樺島さんが言ってくれるのは幸せかもしれないが…是非見たいが…我慢だ!


「ですよねー。また、あの脚本家さんに怒鳴り込まれるかもしれないのに嫌ですよね?だから、私も断ったんですよ?私の先生を巻き込まないで欲しいです!」


えーー。円花さん?君がそれ言っちゃうの?私は何時から円花さんの物になったのかな…。


「この前は本当に申し訳なかった。二度が無いように親族で雅を監視することになったから…。心配しないでくれ。スポンサーの事は気にするな。理由は私の方から説明したし、製作会社は雅の父親が社長だから何も言えないはずだ。貴方が穏便に済ませてくれたからな。」


もう、手が回っているー。そうだよね。私みたいな小娘が考えることなんて予想済みか…。


「解りました。お仕事お受けします。ですが、私は脚本家としては素人です。作り方が解りません。教えてください。」


「そうか!ありがとう!これまでので2/3出来ている残るは原作でも最終話の3~4話辺りだ。映像になると人物の思いをなるべくセリフにしなければならない。表情や仕草でも解るが…。それ以外はセリフにしないといけないからな。

ホテルに籠る事になるぞ!仕事はどれだけ休める?休めない時はホテルから通えばいい。今日からどうだ?荷物は円花さんに鍵を渡して持ってきて貰えばいい。下着なら買えば良いからね。よし!行こう!」


「「「いやいやいやいや。」」」


3人全員で止めました。


「橘さん何もお考えで?脚本家と問題があったばかりなのに、契約書を交わす前から仕事を始めることなど出来ませんよ?それに仕事を簡単に休めるわけないですよね?それに大人の男女2人でずっとホテルに籠るなどいくら指導のためとは言えあり得ないですよ!」


疲れたー。もう帰りたい。


「そうですよ!監督には樫野さんがいらっしゃるでは無いですか!!私誤解されたくありません。休みの時にお会いして撮影風景を見ながら、次のシーンの構想などを説明していただければ脚本は書けると思いますので契約書が出きるまで先に撮影を進めていてください。後のシーンをどう撮るのか考えておいてください。」


「雅とは恋人関係ではない!そんなー彼女は年が少し離れた従妹なんだ。それでー。」


「あー。そういった説明は結構です。知りたいとも思いませんし、私への説明云々の前に本人同士できちんと話し合うべきでは無いですか?理解できるまで。私も忙しいので、これでもうよろしいですが?」


事実私はあんた達の痴話喧嘩の被害者なんだから。しかも成人した女性に監視とか怖いから!私は松下さんに目を向けた。


「話し合いは終わったようですね。これにて一旦は終了とします。契約書が出来たら再度場をもうけましょう。橘さん、藤さんはさんよろしいですが?」


「はい!」


「はい…。」


橘監督は肩を落として円花さんと帰っていった。


「お疲れ様でした。大変でしたね。日和様。ですが、よい結果となり安心致しました。」

(彼の誤解の説明にも興味がなかったようですしね。)


「何か仰いましたか?」


「いえいえ。案件が無事に片付いたことと、新しい契約案件を祝して夕飯でもご一緒にどうですか?美味しいステーキが食べられるお店をご紹介しますよ?」


何だとーお肉とな!素晴らしい提案!!


「本当ですか?是非!」



この目の前にある厚みのステーキは何ですか?幻ですか?

いい匂いー。よだれが…。


「クスッ。美味しそうだなぁ。と顔に出てますよ?本当にお好きなんですね?」


「はい!大好きです!」


「日和とはどうしてつけられたのですか?」


「ペンネームですか?日だまりって言葉が好きで…。そこから連想してつけました。」


「私としては貴方自信が日だまりのようですよ。だから色んな人が集まる。私もそうですがね。」


?意味ありげに聞こえちゃいますよ!と指摘しようと松下さんの顔を見ると目に熱が籠っていた…。これは流石に私でも解る。顔が熱い…。わぁーってなりそうだよ。


「本当ならばもう少し時間をかけてアピールするのですがね…貴方は気づかないホイホイ見たいですからー。今日のうち手に入れておかないと誰かにさらわれたら困りますからね。」


「あの…ごめんなさい。私、そういう風に思っていただけているなんて知らなくて…。その…。私は貴方の事最近まで名前…。」


「知らなかった?契約書にサインした時に名前確認してたでしょ?名前覚えるの苦手なんですよね?私の名前はかいとですよ。はい。言ってみて?」


まっまぶしぃー。でも目がハンター見たいな目だよぉ。

「今ですか??まずはみょうじ」


「かいとですよ?」


顎をクイ!?しかも離してくれないよーー。うわぁーん。これ呼ばないと離してくれないやつだ…。


「かい…とさん。」


「うん?」


「海人さん!」


「いい子ですねぇ。お肉冷めますよ?どうぞ。」


貴方が食べさせてくれなかったんでしょうーがー!

私のお肉ー。ふぁーおいひいよー。


「美味しいですか?」


「はい!美味しいです!」


お肉に罪は無いです!貴方はギルティです!


「あんまり食べると、この後運動するからつきいですよ?ほどほどにね?」


「っつ…。本気ですか?私…下着がーー。」


あっ、ヤバい。と口を塞いだが遅かった…。目が細められ、海人さんかは色気が出始めた。


「嫌でもなく、拒否も無い。しかも意味は解ってますね?」


私は落ちた。墜ちたが正しい。頷いた。


「でも、かっ確認させてください。他に彼女がいるとか本当は結婚しているとかでは無いですよね?私浮気も不倫も無理なので…。」


「ご心配なく。彼女もいませんし、独身ですよ?あっ今から日向が彼女ですからフリーでは無くなりましたね。」


目がそらせない…そらしたいのに。ずっと見ていたくなるほど愛おしい目だ。耳にずっと木霊している。私の名前を呼んでくれた声が好きだ。もう引き返せない。


「はい。私も今から海人が彼氏なのでフリーでは無くなりました。」


「っつ…。貴方はこんなところで煽るなんて!今日は帰しませんよ。」


あっ!デレたーー!可愛い!あっ!でも下着がぁ!


「でも…下着がぁ。」


「日向の姿なら何であろうともマダムシャツでさえも愛せますからご心配なく。ふふ。しかし、ペンネームとは良いものですね。貴方の本名を呼べるのは家族以外私だけですよね?」


私は首を傾げつつ答えた。


「うーん?そうですねぇ。仕事場では名字ですし、この世界ではペンネームでしか呼ばれませんし、家族ともこの頃は会えませんから名前呼ばれたのは久しぶりです!」



その後私達はタクシーに乗り、移動した。手を繋いだまま…。ホテルに行くのかな?と思っていたら…。

高い。たかーい。マンション?高層ビル?タワマン?これ何て言うの?という建物に連れてこられた。

部屋番号と暗証番号をテキパキと押し、ドアを明けるとエントランスにエレベーターこれはキーを差し込んで部屋番号を押さないと動かないらしい。

謎のシステム。

現実と夢の境目にいるような気分でボーッとしていると体を引き寄せて唇に噛みつくようなキスをされた。

これは夢ではない勘違いするな。と言っているような息も出来ないほどの物。抑え込まれる様な感覚にスーツをぎゅっと掴んでしまっていた。


「戻ってきましたか?理解しましたか?貴方の脳に刻み込みましたか?」


私は声も出せず、海人さんにしがみついたまま頷いた。

その後はよく覚えていないと言いたいところだがよく覚えている。というかしっかり覚醒するまで待ちつつ、起こされつつ、体を隅々まで屠られたのだ。日向が逃げないように体にも教えておきましょうね。

と怖い笑顔part3で。




ここは映画館。私の横には海人さん。今日は2人で公開された映画を観に来ている。

完成披露試写では2人で並んでは観られなかったからだ。

この映画の完成までにも色々あったが…。やっと無事に公開までこれたのだ。私は頑張った!!海人さんのお仕置きにも…ゲフン…耐えた!


「あっ始まりますよ?」


『ゾンビとの恋愛の始め方。』


「まさかのホラー扱い何ですよねぇー。」


ブクマ、評価よろしくお願いします!



いつか、ゾンビの方や円花さんの恋愛も書きたいなぁー。

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