他人が消える音
心臓がドクドクって鳴る。毒々しくて苦しくて死にそうな時も、ドクドクツーツー。
ピタリと消える音がある。
逆に消えそうな音は常に聞こえるとも言う。
同じ未来を志して歩いていた仲間の足音。
カツカツ、カツカツ、カツカツ。
不意にピタリと消えて振り返れば誰も居なくなっている。
確かにそいつは生きていて、反応を送れば過剰反応が帰ってくると思う。
けど、自分の目にその人はもう映らない。
その面に乗った白いモヤのハンカチーフ。
チープなモノでも書くと約束した真っ白な小指。
結束していたはずの未来。
かつ、勝つ、ガッツ、ガツン。痛む。
自分の足音が段々と聞こえなくなってきた。
ボヤけたノイズに揉まれてゴンゴンと響く足。
煩悩の数だけは歩いてみようか。