バレンタイン3
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「ねぇ、慎くん。ほら今日はアナウンサーさんも言っていたけど、バレンタインじゃない。どんな物が欲しい?」
真澄は、どうせ作るなら慎の好きなものを渡したいと考えたので、慎に聞いてみた。
「え?うーん。真澄がくれるのならなんでも良いよ。てか、その気持ちだけでも嬉しいよ。ありがとう」
真澄の事が大好きな慎は本心からそう伝えた
「もう、嬉しいこと言ってくれるじゃん!じゃあ手作りにしてあげるね」
「え?手作りじゃなかったんかい。手作りの話だと思ってたわ。」
「うっそー、最初から手作りのつもりだよ!」
「なんだよー、騙されちゃった。まぁ、それは一旦置いとくとして、何が良いのかなぁ。でも、凄いの用意して貰っても俺良いの返せないよ?」
慎は少し不安そうに言った。
「返さなくて良いよ?いつも貰ってるから」
「え?何かあげてたっけ?」
慎は不思議そうに聞き返した。
「うん!慎くんからの愛情!」
「ちょっ、そんな事堂々と言わないで。照れちゃうから。」
「ふふんー、別に堂々といってもよくない?私たち結婚する仲なんだし」
「いや、まぁそうだけどさ。ほら、いきなり言われると返答に困っちゃうよ」
「ふーん、困るんだぁ。愛しの彼女に言われて困るんだぁ。へぇー」
真澄は眉を寄せながら、不機嫌そうに答えた。
「いや!うそうそ、困らないよ笑。まじ嬉しい、これからも言ってください!」
慎は彼女の機嫌が悪くなるのを防ぐために、慌てて弁明した。
「ほんとかな〜?ならいいや。それでバレンタインの話に戻るけどさ、私の作りたいものにするからね?良い?」
「本当だって!って、バレンタインの話してたの忘れてた笑。うん、真澄に任せるよ!」
「おっけー、ちょっとツッコミたい事言ったような気もしたけどスルーしてあげるね。」
慎は中々に真澄の地雷を踏むのが上手いのだ。今回はスルーされたが、しばしば余計な事を言って真澄に怒られたりしている。
「・・・気のせいじゃない笑?チョコ楽しみにしてるね!」
「はーい」
あの不毛なやりとりから、およそ4時間が経ち晩ご飯の時間が訪れた時に、ソレは渡された。
「慎くん!どーぞ!私からのバレンタイン」
真澄から手渡されたソレは、赤色の、中身が見えないビニールで包装されていた。
慎は、いつこんなものを用意する暇があったんだと、訝しながらも受け取った。
「うわぁ、ありがとう!早速中身見て良い?」
慎は、まるで餌を待ちきれない犬と張るぐらいの気持ちであった。
尻尾があれば、車のMAXスピードのワイパーの動きより速いのではないか・・・それはないか
まぁ、それは良いとして、ご開帳の時間だ。
「開けまーす、うわぁ!シンプルにハートチョコだ。」
そう、本当にハートマークのチョコなのだ。
「うん、どう?気に入った?」
「え?うん!ハートマークが可愛いね!」
「えへへっ、そうかな?慎への気持ちを現してみたの!」
ハートマークの意味するところは1つだけだ。好きということ。
「え?・・・好きってこと?嬉しいな。俺も愛してるよ真澄!!!」
2人は濃厚なキスをして素晴らしいバレンタインの日を過ごしたのであった!




