バレンタイン 2
2話目どーん
「いったー、真澄?ケガはない?」
「うん、大丈夫ありがとう。慎くんこそケガはないの?」
「大丈夫だよ」
慎は正直痛かったのだが、それを表に出さないように、うまく取り繕った。
「慎くん、ごめんね!私興奮しすぎてた。」
「あー、全然良いよ!それに真澄と、こんな形ではあるけど、スキンシップが取れたからね!」
慎は満面の笑みを浮かべながら言った。
それに応えるように真澄も、笑顔で返事した。
「ダメだよー、こんなのはスキンシップには入りません!というか私とそんなにスキンシップが取れてないって言うの?あれだけ凄いことしてるのに?」
真澄は少しだけ慎をからかってみた。
「え?今その話は反則だろ。日常的な方だよ!日頃、家では手を繋いだりするけど、外では恥ずかしいとか言って、してくれないじゃん」
「えー、アレも日常的だと思うんだけどなぁ?って嘘だよ、嘘。そんな怖い顔しないでよぉ。」
「そんな顔はしてません。」
「しました。ていうか、外で手を繋ぐのが恥ずかしいのは慎も同じじゃん。前に私が頑張って手を伸ばしたのに、一向に掴んでくれないしさ!」
付き合ってから、半年ほど経った頃にデートに行き、その時に真澄は慎と手を繋ごうとしたのだが、慎は恥ずかしくて出来なかったのだ。
「ん?そんな事あったかなぁー?」
「知らないフリしなくていいから!」
慎は真面目兼誠実な男なので、嘘は苦手なのだ。
「ごめん、恥ずかしくてできませんでした!」
そして、とても素直である。こういった性格が真澄からの好感度を上げる一因でもある。
「よろしい!私に嘘をつこうとした罰で、今後は家でも外でもずっと手を繋いだり、場合によってはキスもして貰うからね!」
言い終わった後の真澄は若干照れていた、なんだかんだ慎とはイチャつきたいのだ。
そして、この瞬間にこの2人の異常な愛は始まってたのだった。
それからというものの、2人は大学でもずっとイチャつくようになった。
家やデートはもちろんの事こと、昼飯や講義中にもだ。
入学してまだ3日目のことである。そして、かれこれもう1年も経っているのに続けているのだ。
普通のカップルだと、ここまでは行かないだろう。行って半年ぐらいか。2人が結婚の約束までした幼馴染というのもあるだろうが。
そのため、今では大学1のバカップルと称されており、1年の間では知らないものは居なくなったのだ。
ここで一旦過去のお話は終わり、時はバレンタインの日に進む。
まだチョコ要素はないです、3話目では出る予定です