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Part0 2人の関係

幼児期の話があった方が良いかな。と思い書きました


 とある閑静な住宅街に、男女2人の元気な声が響き渡った。


「ねぇ!慎くん!今日の晩ご飯は何だろうね?」

「そんなの僕が分かるわけないじゃん!じゃあ、真澄ちゃんは何だと思う?」

「しーらーない!」

「何だよー、それ。真澄ちゃんも分からないじゃん!」


  どちらも年端もいかない子供だ。この2人の喋り方や内容から、深い仲・・・家族のような関係であると感じる人が大半であるだろう。


 だが、彼等は家族では無い。


 ただ、家が隣同士で家族ぐるみの付き合いがあり、彼等の年も近く、よく一緒に遊ぶ機会も多かったため、仲良くなったのだ。


 しかし、遊ぶといっても公園での砂場や据え置きの遊具を使った遊びではない。


 自宅内でのおままごとや、積み木遊び等でだ。


 もちろん、公園で遊ぼうとした事もあったのだが、それは叶わなかった。


 彼等が公園に行くと、近所のガキ大将やその取り巻き達が彼等が公園を使って遊ぼうとするのを、阻んで来たのだ。


 理由を聞いてみると、彼女が原因のようだ。


 彼女の父親は転勤族であるため、よく家を引っ越す。今回も引っ越してきて、つい最近彼の家の横にやってきたのだ。


 そして、この地に新しくやってきた彼女が珍しくもあり、容姿も可愛らしかったので、ガキ大将達は邪魔しているのだ。


 子供の頃に、気になる可愛い子をいじめる男の子の話を聞いた事が少なくとも、あると思う。


 それらは、成長すれば笑い話や微笑ましく思えるようになるが、やられた側からすれば笑い話にはならない。


 それに、彼女は幼い。彼女にとってそれは、笑い話ではなく、耐え切れずに泣いてしまった。


 その泣いた姿を見た彼は怒って、ガキ大将達を1人ずつ殴っていった。


 殴った後に彼は、鼻をすすっている彼女の手を、強引にひいて家に帰り、事の端末を聞いた両親に怒られながらも、反省はせずにやり過ごした。


 その日からだ、彼等の関係がより深くなったのは。それからは、公園に行くことはせず、中で遊ぶようになった。


 彼等はそんな楽しい日々が、これからも変わらずに続くと思っていた。


 ある日彼女は父親から衝撃的な話を聞いた。


「真澄、父さんはまた転勤しないといけなくなった。ごめんな」


真澄はこの話を聞いた瞬間、まず第一に考えたのが『慎と離れたく無い』だ。


 これはいつもの事であり、彼女の父親も『納得してくれるだろう』と思っていたのだが、彼女の答えは「反対」であったため、大変驚いた。


 彼女が反対だからと言って、彼女1人を置いて行くわけにもいかないし、彼女の父親説得を繰り返した。結果から言うと、説得には成功した。


 だが、彼女の彼への想いは強い。もう彼とは一生会えなくなるかもしれない。


 彼女は彼に想いを伝える事にした。


 彼女は、すぐに家を飛び出して、彼の家に足を運び彼を呼び出すことにした。


 インターホンを押すと、彼はすぐに出て来た。彼女は、家の前では伝えることはしなかった。


 彼女は伝えるなら、彼との思い出が強い場所を選んだ。公園である。


 目的地まで彼女は彼を強引に連れ出したのだ。まるであの時とは逆のようだ。


 公園に着いた頃には、比較的青かった空が今では茜色に染まっていた。


 夕焼けは公園の遊具だけでなく、彼等さえも赤く照らしている。


 赤の世界に包まれた、幻想的な空間で彼女は意を決して彼に告白をした


「ねぇ、慎くん。お互いに大人になっても好きでいたら結婚してくれる?」 


 彼は、二つ返事で彼女の質問に答えた。


 返事を貰った彼女は、嬉しそうにはにかみながら、笑っていた。


 そんな彼女の様子は幻想的な空間も相まって、普段より魅力的に思えた。


 見慣れたはずの彼ですら、魅力に当てられ軽く俯いている。


 言いたい事を言い終えた彼女は、彼の手と自分の手を繋ぎ、指を絡ませながら思い出の地を後にしたのだった。


 幸あれ!

 


 

久しぶりなので、筆が進まずに苦労しました。

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