スライムマスター 〜スライム好きの私は目覚めるとスライムになってました〜
2017年10月頃に書いたやつ。
スライム系の話の一つ。
ふわぁ……よく寝た。あれ? 声が出ない…?
私は起き上がると違和感を感じた。声が出ないのもそうだが、手足の感覚もいつもと違っていた。それに、この場所も見覚えがない。
こういう時は……ステータス!
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スライム ♀
種族:スライム レベル1
HP:5/5
MP:9/10
筋力:1
耐久:1
敏捷:1
運 :1
魔力:S
〈職業〉
〈スキル〉
『吸収』レベル1
『分裂』レベル1
『鑑定』
〈称号〉
『意思より早き者』
※世界の意思より早くステータスを開いた者に与えられる称号。ステータス閲覧と鑑定にMPを消費しなくなる。
〈恩恵〉
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おっ、なんかついてる! だけど、スライムかぁ……。
私がそう考えていると、頭にピコン! と響いてきた。
《【意思より早き者】の称号を獲得しました。称号獲得により、チュートリアルを回避しました》
いやいや、チュートリアルは省いちゃダメでしょ!
《これは決定事項です。変更は出来ません。頑張ってくださいね。この称号を得たのですから、例えスライムであろうと、私は見守っていますよ》
《【神に見守られる者】の恩恵を獲得しました》
はぁ、他人から監視されるのは好きじゃないんだけどなぁ。まあ、流石にずっとじゃ無いだろうし、少しならいいか。
そういえば、なんでこうなったんだろう? 森に入ったことまでは覚えてるんだけど、その後の記憶がバッサリ無くなってるんだよね。ってかこれ、多分、転生だよね…。はぁ、3回目かぁ。
1回目はおじいちゃんのうっかり、2回目は病死、3回目は不明、と。理由があるんだったらいいんだけど、何の説明もなく転生するのだけはやりたくなかった。何というか、精神的に……ね。
まあ、考えても仕方ないし、頑張って生きるとしよう。にしても、スライムねぇ。育てるのは好きだけど、ちょっとねぇ。繁殖力は高いから、安全な場所で育てれば上位のモンスターでも倒せるレベルになるんだけど……ここ、どう見ても安全じゃないし。
とりあえず、進化条件は片っ端から調べていくか。
モシャモシャモシャモシャ
私はそこら辺に生えている草やキノコを食べている。『鑑定』で名前を見ることは出来たが、効果はよく分からなかった。どうやら、種族レベルが足りないらしい。
《特殊スキル【生成】を獲得しました》
おっ、新しいスキルか!
【生成】
体内にため込んだ物を使って新しい物を作るスキル。モンスター版の錬金術。
ひたすら食べたけど、何か出来るかな?
『生成』
・ポーション
・マナポーション
・元気薬
【ポーション】
HPを10〜回復させる。
薬草×5:成功率10%
【マナポーション】
MPを20〜回復させる。
魔草+聖水:成功率5%
【元気薬】
体力(HPではない)を回復させる。
一時的なものなので大量に服用すると、効果が切れた後が大変。
元気草×3+薬草:成功率30%
これ、どこにたまってるんだろう?
《体内です。スライムは貯蔵上限がありません。設定した物から消化されていきます》
設定?
毒キノコやシビレダケは意図的に避けている。