世界が乗っ取られました
2017年2月頃に書いたやつ
『あー、テステス。諸君、聞こえているだろうか?これは人間のみならず、動物にも発している。心して聞いてほしい』
突然、頭の中に声が響いてきた。周りの買い物客も驚いていることから、私だけではないことが分かった。
『この地球は我が買収した。いや、正確に言うと、取り戻したというべきか。ここは実験用に創った惑星でな、科学のみが発展した世界を目指していた。そろそろ頃合いだと思ったから、改めて来たというわけだ。さて、本題に移ろうか。明日の12時から、この世界を塗り替える。最終日に何人が生き残るかというのが、我の目的だ。明日からなのは、初めからバタバタと倒れていくのはつまらないと思ったからだ。それぞれ、準備をしておくように!』
何だったんだ?とりあえず、早く帰って色々揃えておくか…?
『おっと、忘れるところだった。これを渡しておかなければ。これは充電の要らないスマホだ。設定は各自行うように!それと、設定以外は明日からじゃないと使えないぞ。あとは、自衛をしっかりしろよ。一応、しばらくは建物に湧かないようにしてある。よく覚えておくようにな』
まだあったのか!それにしてもスマホか。さっさと帰って設定しちゃお。それ以外は明日になってから考えてもいいよね?
帰ってくると、早速、スマホを取り出し、電源をつけた。
『名前を入力して下さい』
【】
「宙地 由美っと」
『【宙地 由美】でよろしいでしょうか?』
[はい/いいえ]
私は迷わず[はい]を選んだ。
『エラー。名前が違います。正しい名前を入力して下さい』
え゛っ?もしかして、本名じゃないと駄目なやつ?
それから、友人の名前を入れてみたが、それも駄目だった。
「これって、あの存在がやった事なのかな?」
あの存在とはさっきの声のことだ。正体がわからないから、そう呼ぶしかない。
「もう、本名入れるか…」
色々と名乗ってきた名前を入れたが、全然反応しないため、諦めることにした。
『【フォース・ユミリア】でよろしいですね?』
[はい]
さっきまでと言葉が違う!!
選択肢は無いし、本名を入れると正規の文章が出てくるようだ。
名前を入力すると、大まかな説明文が出てきた。音声機能があったから、流していく。重要そうなところ以外は普通のスマホと変わらないようだ。
アプリはカメラ,チャット,袋以外に特に変わったものはない。一応、触れてみたが、やはり起動しない。
便利機能として、大きさが変わったり、収納出来たりするみたい。どこに置いたか分からなくなっても、思い浮かべれば手元にくるから使いやすいと思う。
「あれ?」
それから、ネットワークが何故か繋がらなくなっていた。テレビはおろか、電話もメールも繋がらない。
「寝るか…」
何もやることがないし、明日に備えて寝るべきだと思った。ただ、夜にも関わらず、サイレンの音が鳴り止まない。多分、犯罪が起きているのだろう。ここら辺には銀行もあるし、強盗が起こってもおかしくないからね。
結局、サイレンの音がうるさくて、いつも通りの時間に寝ることになってしまった。