この世界をクラスメイトと生き抜く
2017年1月頃に書いたやつ。
なんかタイトル変えれば使えそうだなと思ったり。時間経過や別の世界観思い付いて没にしたものも結構あるからこの作業割と重要な気がしてきた。
「はぁ、嫌だなぁ」
今日はプールの授業がある。苦手なわけではないが、更衣室までの道のりが面倒だった。それに、今日はいつもより寒い。
「もう、教室で着替えちゃお」
幸い、男子はもういなかった。先生はトイレに行っていたとでも誤魔化しとけばいい。少しでも時間を潰したいのだ。
着替えが済むと、誰かが入ってきた。忘れ物でもしたのだろうか?
「うわっ!なんでいるんだよ!?先生が心配してたぞ」
入ってきたのはクラスメイトの風夜だった。
「ここにいたことは先生には言わないで。トイレに行ったってことにすれば、時間的にも大丈夫でしょ?」
「優等生のお前が珍しいな。まあ、色々助けてもらってるしいいけどよ。もしかして体調が優れないのか?」
「ううん、平気だよ。今日は寒いでしょ?だから、行く気が起きなくてね。でも、もう行くから」
「そうか、じゃ行くか」
そう言って、教室から出ようとした時だった。
『キャアァァァァァ!!!』
「下か!?」
確かに、下から声が聞こえてきた。私と風夜は急いで階段を降りていく。
『助……け…t』
「うっ……」
「風夜、大丈夫!?」
そこにあったのは全身がグチャグチャにされた保健室の先生の死体。私は布団を持ってきて、そっと被せた。
「もう大丈夫だよ」
「由美……お前は平気なのか…?」
「私は大丈夫。ゲームとかで慣れてるし。それより、離れないでね。何が起こるか分からないから」
「お、おう」
リアルすぎて即、発売,営業中止になったVRゲームがあった。そこで色んな死体を見たから、リアルでも慣れてる。
「先生!大変よ!!って先生は?」
「ああ、星華か。先生は……」
「死んだよ。星華は見ない方がいい。後ろにいる氷那もね」
「嘘……」
「………」
星華はその場に座り込み、氷那は言葉を発することなく驚愕の表情を浮かべている。
「ったく、何が起こってんだ!?」
「私は体調の悪くなった氷那を連れてきただけだからわからないわ!」
現状、情報が少なすぎて何が起こってるのか分からない。
「早く……着替えに……」
「そうだね。とりあえず着替えよう!ただの水着じゃ危険すぎる」
星華と氷那は濡れている。ある程度拭いているとはいえ、このまま過ごしたら風邪を引くだろう。私と同じくらいの体型の氷那は特に。
私たちは女子更衣室まで向かった。この事態だ、風夜も入る。そこからはプールが見えるのだが、そこには惨状が広がっていた。
「なんだあの化け物!?」
「酷い…」
化け物は体格からして、先生だと思う。どうしてそうなったのか分からないが、その場に留まっている。
「とりあえず教室へ急ごう!そこで色々考えよう」
私たちは3階の教室へ向かった。道中、現れた化け物は協力して窓から放り投げることで何とかなった。
「俺の…服が……」
風夜の服だけではない。ほぼ全員の服が切り裂かれ、机の上にスマホが置いてあった。
「とりあえず風夜やコレを着て」
そう言って私は私の服を渡した。
「コレを着るのか?」
風夜は困惑した様子で私を見つめてきた。
「服がないんだから仕方ないでしょ?怪我したら大変だし」
「それはお前も同じだろ?俺は寒さには慣れてるからな」
「でも、着てもらうからね。上は羽織るだけでいいし、下はスカートを履くだけ。その膨らみをどうにかできるっていうなら着なくてもいいんだけどね」
無意識かどうか知らないが、水着だと非常に目立つ。私は気にしないけど、氷那たちは気にすると思う。私は変態で慣れてるが、普通は違う。兄弟がいたとして、接し方は家庭によってはずだ。
「っ!仕方ないだろ!?正直何が起こってるか分からないけど、女の子が3人も水着姿でいるんだからさ!」
「はいはい、分かったから着替えようか。星華と氷那も着替えちゃって。風夜は私が見張っとくから」
風夜を椅子に座らせてバケツをかぶせる。本当は別の物が良かったかもしれないが、バッグは消えてるし、教室にあって目を隠せる物がこれしか見当たらなかったからだ。
時折、外を警戒しながら、着替え終わるのを待っていた。
「よし、大丈夫。さっ、履いちゃって」
「なんか変な違和感があるな」
そりゃそうだろう、異性の服なのだから…。むしろ、初めて着て違和感を感じないほうが色々とおかしい。
「で、これからどうする?このスマホ調べてみるか?いかにも怪しいが……」
風夜の言う通り、怪しい。が、全員分置いてあるということは、罠ではないだろう。
「「「「ステータス?」」」」
電源を付けるとステータスが表示されていた。
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宙地 由美 女 12歳
種族:人間 レベル1
筋力:1
耐久:1
敏捷:1
運 :1
魔力 :1
魔力質:S
〈職業〉
〈スキル〉
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数秒表示されると、次の画面に切り替わった。
『※この画面は1度しか表示されません。メモを取るか、覚えるかして下さい。
このスマホには様々なアプリがあります。さっきのステータスもそうです。使い方は使って覚えて下さい。
この本体はカメラを使うことで敵の正体を暴くことができます。電話やメールなどは使えないのでご注意下さい。
検索をかけることで色々と調べることができますが、全てを調べることは出来ません。条件を満たさないと閲覧できないものもあります。
以上です』
なんか、使い辛そうだ。まあ、慣れてくしかないだろうけどね。
「……共有」
「ん?」
「下にあった…」
氷那の言う通り下を見ると、確かにあった。私たちは早速共有することにした。
『共有状態・ランク1
経験値分配,ステータス閲覧可』
なるほど、こうなるのか。
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西口 風夜 男 17歳
種族:人間 レベル1
筋力:28
耐久:25
敏捷:29
運 :13
魔力 :0
魔力質:Z
〈職業〉
〈スキル〉
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月乃 星華 女 17歳
種族:人間 レベル1
筋力:15
耐久:13
敏捷:12
運 :13
魔力 :5
魔力質:X
〈職業〉
〈スキル〉
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零河 氷那 女 16歳
種族:人間 レベル1
筋力:8
耐久:10
敏捷:10
運 :20
魔力 :26
魔力質:R
〈職業〉
〈スキル〉
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「お前、俺らより年下だったのか!?」
「不正入学!?」
風夜と星華からはそう言われた。
まあ、不正を疑われるよね、普通。実際、不正はしている。自作した戸籍を使って、高校へと入学した。学力は平均よりちょっと上に抑えている。運動はそこそこといったところだ。
「こんな世界にならなかったら分からなかったでしょ?バレなきゃいいんだよ、バレなきゃ」
大体が主人公最強になりそうで没にしてる感。個人的にうちの主人公は最強格にしたくないので。