拉致
■ 翌日・昼・警察署
孫一(人)「本日はどのようなご用件で? お金はお支払いしたはずですが?」
ドン! と芽絵子は机の上に紙の束を置く。
芽絵子「これは屋敷の見取り図! ここにチャカがしまってあってここに帳簿が入ってる! 暗証番号は4193! ヨイクミよ! こっちは千馬鉄二の前後三ヶ月分のスケジュール! ヤバい取引きもキナ臭い会合も全て記されてる! 趣味は料理! 嫌いなものはクラシックミュージック! 子どもの頃にトラウマを抱えているらしいわ!」
孫一(人)「驚いた… すごく綿密に調べていますね…」
芽絵子「適当な容疑でっち上げてさっさとブタ箱に叩き込んで!」
孫一(人)「それは無理です 生き霊なんて非科学的な存在が出処の情報で人は動かない」
芽絵子「ーーっ! ココとココとココの日! 大室奈々美が泣いていた日よ! これを孫一がどんな気持ちで書いたかわかる!? わかるはずでしょ!?」
孫一(人)「なんと言われようとこれでは証拠になりません だいたいぼくのようなペーペーに何ができるっていうんだ…」
芽絵子「…んの役立たず!」
■ 同日・昼・道
芽絵子は歩きながら考える。
芽絵子(M)「…悔しいけどアイツのいうことはもっともだ 問題はこれをどうやって信用に足る情報にするか 大室奈々美を情報源に仕立て上げる? いや説得に時間がかかるし彼女に危険が及ぶ 何よりそれができるならとっくにやってるはずだ」
車がゆっくり近づいてくる。
ブレーキ音。停車する。
芽絵子「ーーふんがっ!」
芽絵子拉致られる。