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第九話 年表プロットの話




 うん。タイトルって本当に大切なの?と聞きたくなるようなのばっかりですね。

 でも皆言ってるよ?タイトルは分かり易さが一番大事なんだ!!って。だからこれでいいの。きっといいの!!!

 駄目エッセイ始まります。




 プロットと聞くと、あ~面倒だとかそんなの必要なの?って思う人は殆ど居ないでしょう。大事だよねプロット!

 私はかなり長いこと漫画を描いているので、ネームが大事なのはよく知っています。入稿に間に合わない~!!という時以外は、きちんとラストまでネームを作成します。

 ネームというのは、映画の絵コンテみたいな感じのアレです。アレ。アバウトにコマを割ってセリフまで描き込んだ下書きみたいなものです。

 ペラペラの紙とかノートに描く事が多いかと思います。

 いきなり原稿用紙に描き出すのは天才か、漫画を知らない素人だけ……と言いたいところですが。つい先頃まで私が漫画をPIXVで連載していた時は下書き無しでした。

 まあ……大体のストーリが出来ていて後は絵にするだけならある程度描きなれた人にはそんなに難しくないんで要らないのかな?いやそれだと話しが進まない。マズイ。

 えーと……つまりですね、私が連載していた漫画は某ラノベ原作のアニメの二次創作だったので、正直プロットなんて必要なかったんです。

 だって設定考えなくていいし、ラストだけ決めたら後はそれをそのまま描くだけなので……まあぶっちゃけ、原作ありきの気楽さから直で漫画に出来た訳です。


 でもオリジナルだとそうもいかないです。

 ストーリは勿論、舞台となる世界の仕組み。キャラクターの見た目に性格とか喋り方などなど……ちゃんと考えておかないと後で自分が泣きを見るだけです。

 ちょっと前になりますが、私も架空の世界を舞台にしたなっが~いBL小説を書いていたんですけど、最初にもの凄く細かい設定を作っていたのに通貨の単位とか円換算でいくらっていうのがすっぽ抜けてまして……後半になって、買い物のシーンを書いてて、はて?これっていくら?え!全然考えてなかった!!という事がありました。

 うん……そりゃ生活してればどんな人だって買い物するよね~っていう、当たり前の事に気づいて次のお話しでは面倒なので、金貨と銀貨でいく事にしました。

 貴金属はどんな時代でも価値がある。便利です。


 とまあ……このように、設定は細かすぎても多すぎても困る事は無いので思いついたらどんどん書いて行きます。付け足し上等!いくらでも書けちゃうよ!!

 調子に乗って私は登場人物達のCVまで設定しました!妄想に拍車がかかります。もう止められません……!!

 その結果、主人公の性格が基本は真面目な直情型。時々野生動物並みに鋭いけど……頭が悪い。つまりは馬鹿に変更されました。相手役は頭は切れるけれどちょっとウッカリさんなツンデレだったのに、いつの間にか主人公にだけ何故か当たりが強い。それは愛情の裏返し!!という歪んだ性格に!

 あれ?なんで?と疑問に思う暇もありません。

 最も劇的に性格が変更されたキャラクターは、主人公達の共通の友人です。天才ゆえに空気を読めない。だから少し鬱陶しいという性格から……天才すぎてぶっ飛んだかなりのド変態に昇格していました!!


 これは私が悪かったです。

 オタクは声優さんのこともそれなりに詳しいので、色々なアニメやラジオなんかを聞いて彼らの性格をこれまた勝手に捏造ネツゾウした結果……CVを設定されたキャラクター達の性格にまで影響を及ぼしてしまったのです!!

 迂闊!自分の性癖を見誤りました。これは本当に痛恨のミスでした。アイタタ……!

 これはいかん!やり直そう。

 でも一度そうやって設定してしまうとその時の印象が強すぎて、やり直しが効かなかった……!

 仕方がありません。私はそのまま、この見るからに扱い難そうなキャラ達で物語を進めることになりました。

 最初は本当にしんどかった。

 なんでこんな性格にしちゃったんだろう……?って何度も何度も後悔しました。


 でもまあいいか!!


 本来の気楽な性格がここでも発揮されたので、非常にアクが強いキャラ達の所為で万人受けが不可能となった物語がこうして始まったというわけです。

 設定の段階で転んでるのに諦めないところだけは、自分でも偉いと思います。人間は間違いを犯す生き物なんだ。だから……大丈夫なんだよ?


 そんな訳で設定を考えるのがとっても楽しかったので……気付けば設定だけで連載小説に出来るくらいの分量になっていました。

 当然プロットも凄い文字数です。

 そういえば、他の人がどんなプロットの作り方をしているのかあまり良くは知らないのですが、私はあらすじ的なことを時系列順に並べていきます。

 あ!年号は考えて無かったな。

 それはいいとして、主人公が何歳のときにどんな出来事があったのか。その出来事は後半の主人公達の関係にどう影響するのか?などと、出来るだけ詳しく書いていきます。まさに年表プロット!

 ちなみに後で読み返して、これはなんだ?というのはプロットじゃありません。そういうのはメモです。

 夢で見たなんとなく使えそうなものから、一場面だけ頭にふっと浮かんだものまでを私はプロットとは別にメモしておきます。後でどっかのお話しで使えるかもしれないので。

 お買い物の途中でぼんやり歩いている時に思いついたセリフも、コーヒーを飲みつつ一休みしている時にメモします。

 お仕事中無心で鍋を洗っているときに閃いた、謎解きの要の人物はコイツだ!!という事もお店の隅でこっそりメモします。濡れても大丈夫なメモ帳を私は必ず持ち歩いているのです。

 便利なのでみなさんも使ってみてね!!本来は仕事の段取りとか、備品の数の管理の為につかっているんですけど。

 使えるものはなんでも使う。これ基本ですから。

 そうやって私は小説のプロットを時間を掛けて作成しました。キャラクター設定にCVまで……!今考えると恥ずかし過ぎます。若さゆえの過ちと言えないところがまた恥ずかしい。去年の事なんだ。最近の事なんだよ~悶絶です。

 でも設定やプロットに決まり事はありません。自分が好きなようにやりやすい方法でいいんです。妄想を育てる事に正解も不正解もないんですよ。

 なので、私のプロットは年表です!!という暴露話はこれで終わります。ふう。恥ずかしかった!!


 そう言えば私が一番最初に自分だけで書いた小説は恐らく十代後半だったと思います。

 短編小説とも言えない、非常に短いお話しでした。前にタイトル当てクイズに出てきた「ルシフィール」はある音楽の名門に生まれた落ちこぼれの少女のお話しです。たしかこんなお話でした。



 一族の誰にも相手にして貰えない、みにくいアヒルの子的な少女はある日、庭の白い花の中に小さな女の子を見つけます。それはそれは美しい女の子でした。

 一目みて少女は女の子が好きになります。女の子を喜ばせたくて、少女は一生懸命楽器を奏でます。小さな女の子は素晴らしい声でそれに歌を乗せます。


 幸せな日々は突然終わりを告げます。

 落ちこぼれの少女に最後通告が出されたのです。次の演奏会で成果を上げられなければ……一族から追放するというのです。少女は泣きました。泣きながら小さなお友達に訴えます。

「あなたのように美しい銀の髪を持っていたなら……!いいえ、それよりもその美しい声を私が持っていたなら……私はこんな酷い仕打ちを受ける事がなかったのに……!」

 小さな女の子は少女の悲しみを聞いて、そっと口を開きました。

「私の大切なお友達……!なにも心配しなくていいの。あなたのような優しい人を悲しみの底に沈めることなど私が許さないわ。あなたの望みを叶えてあげる。だからどうか私の事を忘れないで……」

 小さな女の子は一粒の涙を零して……少女の掌の中で息絶えました。

 恐ろしい悲しみが少女を襲いました。毎日涙が枯れ果てるまで泣き続けました。


 気づけば演奏会の当日になっていました。迎えに来た男は少女の姿を見て驚きます。少女の長い黒髪は真っ白に変わっていました。丸々としていた頬からは余計な肉が落ちて滑らかです。すらりとした肢体を持つ見知らぬ、でも……とても美しい少女が立っていたのです。


「ああ……!私は……なんてことを……!」

 少女は自分の望みを叶える為に、小さな女の子が命と引き換えに起こしてくれた奇蹟を鏡の中に見つけて泣き崩れます。そうです。鏡に映った少女の姿は小さなお友達に生き写しだったのです。




 あれから幾日も過ぎた頃、少女は迎えの馬車に乗り王城へ向かいます。

 彼女の演奏と歌をその国の女王陛下がお望みだからです。

 彼女は、あの日から音楽の名門の一族を束ねる当主となったのです。


 白い髪の天使の歌声に感動した女王陛下は、彼女に名を与えます。「ルシフィール」かつて天界で最も美しかった天使の名を。


 音楽の天使となった少女の胸には毎日白い花がつけられています。それはかつて最も愛した彼女の友人との約束です。


「私を忘れないで……」

「忘れないわ。だってあなたはいつまでも私の大切なお友達だもの……」



 いやーよく覚えていますね。我ながら吃驚です。

 多分親指姫みたいな童話を書きたかったんだと思います。そのわりにラストがハッピーエンドとは言い難い。これは子供向けには向かないな。うん。

 当時はこのお話しを元にオリジナルのイラストや漫画をせっせと描き殴っていたので、今考えるとネームの前段階のプロットだったのではないかと思います。

 ちゃんと小説を書こうと思って、プロットを作ったのは一年前が初めてで。色々詰め込み過ぎて、最終的には続編を含めればとんでもない文字数の大長編となってしまいました。

 その経験を踏まえてこう言いたいです。


 やりたいようにやっていいんです!!

 だって……自分が読みたいと思う話を自分で作れるなんてすごく素敵なことでしょ。

 まずは誰でも簡単にできるプロットを作ってみませんか?という前回に引き続いてのプロット推しのお話しとなりました。


 どうでしょう?

 私の失敗談が物凄く痛々しいのも……いつも通りです。

 そんな妄想特急列車も次回が終着駅となります。

 どんな駅なのかしら。お花でも咲いているのかしら。

 そこは本当に地の果てなのか……?そんなお話しですが取りあえず次回まで続きます。

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