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第八話 素敵なモチーフを散りばめて




 今回はちょっと乙女チックなタイトルをつけてみました。どうだろう?これで内容がいつも通りだったらタイトル詐欺になってしまうかしら……なんて心配は無用でした。ほら、あらすじにバッチリ書いてある。「腐った女が書いてます」って。

 駄目エッセイはじめます。








 私は元々好き嫌いが非常に少ない雑食系の腐女子ですが、嫌いなものも勿論あります。同じように大好物だって沢山あります。今回は私も大好きな、よりよい妄想を育てる為の土壌。モチーフについてちょっとお話ししてみようと思います。



 花言葉。宝石言葉に……カクテルの名前。方角を表す言葉に、叙情豊かに時間を表現した言葉。

 厨二病を患ったことがある人間なら、誰でも大好きなモチーフ達です。

「あなたを愛しています」という花言葉を持つ深紅の薔薇。こんなのを年齢の数だけ花束にして贈られたら……イチコロだわ!!なんて。遠い昔には、私も思っていました。遠い昔には……ね。

 あれは……忘れもしない私の二十歳の誕生日でした。

 元カレから家にどどーんとそれが送りつけられた時は、違う意味で心臓が止まるかと思ったわ!!

 ホラーです。

 別れて何か月経っていると思っているの!?とマジでビビりました。


 私が留守中にそれを受け取った母が「こんなの漫画でしか見たことない!羨ましい!いいな~」と喜んでくれたのだけが救いです。不機嫌な私の顔を見て「どうする……?勿体ないけど……捨てちゃう?勿体ないけど……」と心配そうに言うので、ゴミ箱に放り込むのだけは止めました。

 うん……花にはなんの罪もないもんな!!こんなのが入る花瓶なんて家にないんだよ。と言いながらバケツに水を張って入れます。うん……これでいい。

 そんな私の手にはもう一つの薔薇の花束がありました。薄ピンクのそれは……きっちり二十本。これまた以前付き合っていた別の元彼がワザワザ持って来てくれたものでした。

「二十歳には年の数だけ薔薇を花束にしてプレゼントしてね?」って言ってたろ。とは元彼の言葉です。

 二十歳の誕生日というのは特別だとも言っていました。なるほど?

 これもまたちょっとしたホラーです。

 そんな事より、私そんな乙女な事言ってましたっけ?うーん。ああ……!確か誕生日の話をしてた時にそんな事……言った……な……うん。言いました。

 でもまさか別れてからもその約束が有効だったなんて私は知らなかった。

 ピンクの薔薇の花言葉は……「可愛い人」?「愛の誓い」うわ!これでない事を祈ろう。というか絶対違うと思うけど。

 気まずいまま私は家の前で薔薇の花束を受け取りました。だって……私が言ったんだもの。欲しいって私が言ったんだもの!!ありがとうね!!

 その時私の腕には……当時付き合っていた彼氏から贈られた「蜂蜜大好き!」で有名なでっかいクマのぬいぐるみが、これまたでっかいリボンをかけられた状態で抱えられておりました……!!すごいインパクトある絵面だな。これを見て彼がどう思ったかなんてもう知りません。知りませんよ……


 あれ?モチーフの話はどこいった!お前のホラー体験談はどーでもいい!!という声が聞こえます。

 すみません……誕生日が近いので、ついつられて色々思い出してしまったようです。でもこんな感じで思考があっちこっち飛ぶのが妄想野郎の特徴ですから、覚えていて損はないですよ?よし。誤魔化せた!


 そんな私の経験(?)からも花言葉がモチーフの中では一番恋愛に絡めやすいと思います。

 本当に色んな花言葉がありますが鉄板はやっぱり薔薇の花でしょうか。色ごとに意味があるし、本数によっても意味が異なります。奥深いです。

 銀河英●伝説でも上級大将閣下がプロポーズにとんでもない意味の薔薇の花束を贈った微笑ましいエピソードがありましたよね。

 皇帝陛下は、それを聞いてプロポーズには沢山の薔薇を贈るのが正しいと勘違いして……まあ、結局は門前払いを食らうんですけど。これまた微笑ましいお話しが私も大好きでした。本数が書かれていたら、それでまたニヤニヤできたのにそれが残念です。


 このように種類が豊富な花言葉は使い勝手が良く、場面も華やかに彩ることができます。

「男は花言葉なんて知らねーよ!」

 そんなの嘘だって私知ってますし。お花屋さんでアルバイトしていた時も、「これ……花言葉って何?」と、普通に男性に聞かれていましたよ。花に思いを込めるという乙女チックな展開は今も昔も、現実も妄想も……変わらず大人気なようです。


 ついでなので私が面白いと思った花言葉を一つご紹介します。

 三つ葉のクローバーは「私を思って」「幸運」「約束」「復讐」という意味を持っています。

 四つ葉のクローバーだと「幸運」「私のものになって」という意味になります。

 使いどころによっては恋愛だけでなく、ホラーにも使えそうです。ちょっとやってみましょうか。









 今日も残業疲れちゃった……あーあ……明日は、明日こそは定時で帰るぞ!!

 そんな決意は、自分がしただけじゃきっと変わらない。そんなことは分かっているけど。


 疲れた足を引き摺りようやくたどり着いた我が家の玄関前のポストを覗き込むと、何か緑色のものがちょこんと乗っている。「ん?」

「なんだろ……コレ……」

 それは四つ葉のクローバだった。幸運のお守りが……何故かポストに入っていた。

 子供の悪戯かしら。

 私は首を傾げながらちょっと笑顔になった。

 さっきまでの憂鬱な気分が少し晴れた。うん。なんか……嬉しいな。

 思いがけず心に安らぎを運んでくれた小さな薄い葉を、愛しむように撫でると私はそれを家の中に持ち帰った。

 その事が、この後とんでもない事件に発展することをまだ私は知らなかった……



 とまあ、出だしはこんな感じでどうでしょう。

 その翌日に起こった、いつも自分を揶揄カラカう皮肉屋の先輩が駅のホームから突き落とされる事件を皮切りに、ヒロインの周りで様々な事故が起き始めます。

 一体なにが起こっているの?

 不可解な事件の中心には何故か自分がいる。一体どうして……?

 疑問と不安で心が一杯になった数日後、彼女が家に帰ると玄関前に三つ葉のクローバーが山盛りになっています。

「やだ!なにこれ怖い!!」

 震える彼女を物陰からじっと見つめる瞳には、狂気が宿っていました。


 今まで彼女の周りで起こっていた不可解な事件は、実は四つ葉の花言葉「be mine」をヒロインが受け入れてくれたと思い込んだ、どこかの誰かが勝手にヒロインの為を思って暗躍していた為に引き起こされたのです。彼女の悪口を言った人間を線路に突き落とし、いつも残業を言いつける上司の家に火を放ちました。

 これでますます自分の事を好きになってくれるに違いない。

 ところが……ヒロインの自分に対する態度は全く変わりません。行動は益々エスカレートしていきます。

 遂に我慢しきれなくなって彼女に言い寄ることにした彼または彼女。結果は……惨敗です。

 こんなに愛しているのに!あんなに尽くしたのに!!何故……君はそんな目で見るんだ!!!

 クローバー野郎崩壊。

 自分を弄んだ性悪女に「復讐」してやる!!!という決意を三つ葉のクローバーの花言葉に込めて玄関に山盛り飾りつけ、その様子を物陰からじっと見つめていたのです。

 クローバー野郎の正体は一体誰?ヒロインはどうなっちゃうの!?というお話しを今作ってみました。

 でも、三つ葉のクローバーを真顔でせっせと摘む場面を想像すると笑っちゃいます。コメディでもいけそうですね。


 と……このように様々なモチーフの力を借りることによって、どんな妄想も簡単に物語に仕上げることが出来ます。宝石言葉も恋愛モノと相性が抜群にいいです。

 昔私が読んだ同人誌の中に、宝石言葉を使った短編集なんてものがありました。

 ちょっと大人な感じのエロチック小説でした。テーマを宝石に絞ったことで統一感もあり、なかなか良い本でした。

 このモチーフ達、タイトルなんかにも使えて非常に便利です。でも使いすぎと使いどころに注意しましょう。やり過ぎると、自分でも飽きちゃいます。適量大切!!



 さて、今回は妄想を物語に誘導していく過程みたいなお話しに……出来てるのか?

 ちょっと不安ですが……妄想をプロットにしていくのに、こんなモノも使えますよ~という紹介でした。


 使えるモノは何でも使う。自分が面白いと思ったら何でも試してみる。現実に絶望しても妄想があれば生きていける!!そんな妄想に貪欲な腐女子の体験談。次回は本格的なプロット作りについてお話しできたらいいな~と思っております。これまた私の実体験。どこまで自分の身を切りだせば終わるのかしら……妄想エッセイ多分もうちょっと続きます。


 


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