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第五話 腐女子千日戦争




 今回のタイトルもイマイチだった!

 回を追うごとにタイトルが雑になっているように見えますが、決してわざとではありません。センスがないので……そこのところはどうぞ宜しく!


 勢いで始めたこのエッセイですが、気付けば五回目です。途中で書く事が無くなるという心配は全然これっぽちもしていませんでしたが「どうやって終わるんだろうコレ……?」という不安がじわじわと足元から這い上がってきています。気が向くまま思いついたことを書くのは、意外とまとめるのが難しそうだわ~と今更おばちゃんビビっております。

 そんな不穏な気配とともに今回も誰も得しない無駄話をしていきたいと思います。

 駄目エッセイ始まります。





 これまで自分の恥ずかしい過去の体験談をズラーっと並べて、私と言う腐女子の生き様を語ってきました。これ以上、サラす恥なんてないんじゃないかしら。そんな事を呟いてみても仕方ありません。まだまだ出せることは自分が一番良く分かっています。

 出しましょう!出し惜しみは無しで、全力でもって全てをサラして行こうじゃありませんか!!

 でもそんな決意を固めた瞬間にふと気づいたのです。これ……このエッセイを連載している場所って全年齢向けなんじゃない?ということに。……危なかった!!ごくナチュラルにR18系の妄想話をぶち込むところでした!!!

 そんな迂闊ウカツな私ですが、腐女子としてはわりとまともな方なんですよ~と言ったら多分信じて貰えないんでしょうね。でも嘘じゃないんだなあ、これが。



 私がオタクデビューした当時はまだまだ幼気イタイケな少女(!)でしたので、先輩達に厳しくも優しく育てて頂きました。この先も腐女子として生きて行くのなら、カタギ(?)の方達が困惑するような言動は慎むように。人前で絶対に言ってはならないNGワードなんかも事細かに教えて頂きました。

「受け専用電話」で反応しちゃ駄目!!なども先輩が教えてくれたのです。

 ああそうそう。バスの注意書き「みだりに運転手に話しかけないで下さい」を「みだら!?」と読み間違えるレベルの駄目な私でしたが、腐女子ではない筈の友人も「おこと教室」を「おとこ教室」と素で読んでいたので、意外と私達には差がないんじゃないか?と気づいたのもこの頃でしたね。

 ちょっと話が逸れましたが、今ではお前絶対隠す気がないな?という言動を取っている癖に「何故バレた!?」と本気で焦るうっかりさんな腐女子が一杯いますが、昔はそんな人は私の周りにはいなかったんですよ!という所から、R指定なしでもお話しできる腐女子の細かな生態について語ってみようと思います。


 そう言ったものの、どこをどう話せばいいやら……ちょっと難しい話題だわ~とおばちゃんは悩みました。R18ならバンバン危ない単語を出せるのに!なんて思ったりします。でもまあ……ここは大人しく腐女子が最も集まる場所。そう!コミケの中での腐女子の生き生きとした姿を少し紹介してみましょうか。



 コミケに一度でも参加されたことがある方なら誰でも知っていると思いますが、あの行列のヤバさ半端ねーー!!!ですよね。

 今ではコミケ最大手とも呼ばれる企業ブースは、サークル入場していても売り切れ商品があるっていう……「おいお前らオタクを舐めてんのか!上等だネットで叩いてやるぜ!!」という怒号が飛び交うことで知られる男の戦場です。私も相方に頼まれて何度も何度も……そこに足を運び獲物を買う為に並びましたけどね!本当にね……特に夏なんて並んでいる内に走馬燈が見えるレベルです。

 ニュースでTDL(ネズミ―ランド)で、最大百十分待ち!というのを見た時に、ああ……大変だなと人事みたいに呟いたけど、全然他人事じゃなかった件。うん。

 ところが、昔はそれ以上に人が列をなす場所があったのです。

 通称ガメラ館。当時大人気だった同人作家達をぎゅっと詰め込んだ大手サークルだけの聖域です。

 一体何週しているの?と、途中で数えるのを諦めるほどの人の群れ。「ああ……まるで人が蛇のようにとぐろを巻いている」なんて事は言った事ありませんけど!見ただけで、絶対に無理!と思っていた人も多いのではないでしょうか。しかも並んでも買えない確率が結構高かったそうですよ。本当にあの情熱は凄かった!!!

 そんな古き良き時代に生きた腐女子の回想録といきますか!


 今では伝説となった「オタクの妄執は天をも動かす」と言われた時代がありました。そう……コミケ開催日には必ず晴れる。台風も避けて通れると言われていた晴海埠頭が私のコミケデビューの舞台でした。時期は中学三年の最後の冬。マジで頭イカレてんじゃねーのお前!という突っ込みが聞こえてきそうですね。私だってそう思いますが、その時は新たな妄想との出会いにドキドキしすぎて心拍数がヤバイ!!って思っただけでした。腐女子の妄想の前に受験なんてなんの足止めにもならないんですよ?それにコミケに行こうと誘ってくれた友人だって同い年だったし。まあ……類友です。


 そんな訳で二人は始発電車に乗り、新宿駅から晴海埠頭行きのバスに揺られてコミケ会場に行きました。今でもどうしてこんなに一杯の人がいるんだろう?って毎回うんざりするのですが、初コミケの時の衝撃には敵わないです。「ああ……!世の中にはこんなに沢山の同志が住んでいたのね!!」と興奮もマックスです。一緒に来てくれた友人に、全員に挨拶したいわ~と言って苦笑とともに止められました。黙ってたら本気でやっていたに違いないので止めてくれて本当に良かった。

 そんなワクワクが止まらない状態で入場を待っている間にその友人がコミケでのマナーや、腐女子としての振る舞いについて教えてくれたのです。

 自分も師匠(彼女の従姉)から教わったと彼女は言っていました。私もそのうち一人立ちできるようになったら、後輩たちに色々教えてあげられるように。そう言って彼女が私に教えてくれた事は、私のオタク人生に強い影響を与えたのです。本当にありがたいことです。


 当時オタクは非常に肩身が狭い思いをしていました。自分の趣味嗜好を隠して一般人に紛れてひっそりと生きていました。その理由は、自分が興味あることしか喋らない。相手の趣味を一方的にケナすなど、一部のマナーが悪い人達の所為でした。更にその後宮崎何某事件が勃発。アニメ好きなどと周囲にバレれば白眼視されるどころか犯罪者扱いされる事態に陥り、コミケの存続が危ぶまれる声も上がりました。本当にその時は生きた心地がしませんでしたね~!

 そんな時代を生き延びる為に、先輩たちはかなり苦労されたようです。

 オタクは不潔。どこで売っているのそんな服。なんでオタクってデブばっかなの?マジ気持ち悪いなどと言われない為に、身だしなみに気をつけましょう。子供か!!と思うような注意書きがコミケカタログに載っていた時期もあったくらいです。

 自分の欲望を満たす為に(同人誌はお高いですから!)限界まで使うお金を制限するヤバめの人が多かったので、一体その服いつから着ているの?いえ……使用年数ではなくてですね、連続使用日数の方が知りたいんですけど!と言いたくなる、こうばしい香りを漂わせた男性もかなりお見かけしましたよ。女性の方も、それはもう酷い言われ様でした。根暗!アニメのことしか喋れないのか。髪切れ!(当時黒髪ロング率が多かったせい?)ブスしかいないなどなど。本当に「お前の血は何色だ~!!」と言いたくなるような悪口のオンパレードでしたが、その悪口は一般人から発せられるだけではなく、同じオタク同士で悪口が飛び交い喧嘩に発展するケースもありました。

 腐女子と呼ばれる女性オタクをケナす為に「やおい」という言葉が作られたのも、この頃です。


 こうして改めて振り返ってみると随分と荒れた時代だったように見えますが、オタクの人口がモリモリと増え始めた時期の事ですし、仕方ないのかなと思います。

 人が集まればどうしたって意見の違いが目につきます。そしてそれは同族であっても。いえ……同族であるからこそ起こり得る衝突なのです。

 当時時々見かけた男性オタクVS腐女子の図式以上に盛り上がったのが、腐女子千日(!?)戦争です。ギリシア神話時代から現世に転生した女神と、その下に集ったカラフルな美男子達による大人気少年漫画とは……微妙に関わり合いがありますので、あえてこの名前で行こうと思います。腐女子千日戦争!!なんかカッコイイ。でも内容はドロドロの泥沼なので、ここからさらにご注意下さい。






「私がこの世で最も敬愛するお方……●輝様に、よくもそんな貧相な物を突っ込んでくれたな!殺してやる~!!」

「私の大切な箱入り貴公子氷●様を野蛮人の手で辱めるなんて許せないわ!脳が腐ってるんじゃないの!?この外道!!」


 うら若い乙女の口から飛び出したとはニワかに信じがたい怒声が響き渡る場所は……そう!コミケ会場です。

 以前ちらっとお話ししましたよね?たとえ同じ趣味嗜好を持つ同士でも、推しキャラ(48人のアイドルと同じアレ)が違うだけならまだしもカップリングという、左右の名前の並び方が違えば血の雨が降る……人々に恐れられてきた最悪の事態が起こったのです。

 コミケでは腐女子が二次創作を作って売る際に、必ず守らなければならない唯一の約束事があります。それは誰が攻め(男性役)で誰が受け(女性役)であるか。その事だけは!きちんと分かる様にしてください。というものです。

 名前の並び方にも法則があります。左が攻めで右が受けです。これをうっかり書き漏らしたり、逆に書いてしまった為に起きたのが上で展開されている竜虎の対立でございます!壮絶です!恐ろしいです!!でも仕方がないのです。それぞれの主張は、それぞれにとってはどうしても譲れないものなのですから。


 多分ほとんどの方が、ぽかーんとしているでしょうから上記の対立についてもう少し詳しくお話ししますね。


 彼女達が一体何にそれほど怒っているのかというと……自分が最も愛しているキャラクターを自分が嫌いなキャラクターと絡ませたことでしょう。この方が最も敬愛する一●様はもしかしたら、この方の中では攻めなのでしょうか?だから相手の妄想で彼を受けにされてしまったことが、どうしても許せなかったのではないでしょうか。箱入り貴公子●河様をワイルドな攻めに襲われたと主張するこの方は、元々このキャラクターは受けに設定していたようです。ただし、カップリングは固定。自分が想像したキャラクター以外に触れられることなど言語同断!!そこが怒りを燃え上がらせたポイントなのかもしれませんね。


 どうでしょう。あんまり正直に書き過ぎると、全年齢向きではなくなってしまうので雰囲気だけなんとな~く分かって貰えるようにしてみました。分かります?

 分かって貰えたとして取りあえず先に話を進めていきますと、腐女子の敵は腐女子なんて言われた時代がありました。女の敵は女をもじって、自分のカップリングが一番!!という主張をぶつけ合う腐女子達を揶揄う言葉です。

 それは、こんな小競り合いから千日戦争に発展してしまうような腐女子達の自業自得。仕方がないことですよね。

 今では、リバ有。リバーシブル……つまり左右逆転もありますよと言ったお話しや、あれほど嫌われていた女性が積極的に恋愛に絡んで来るお話しも増えました。

 あ!女体化は別ですよ。そこは……また深い闇からの妄想なので、更に好みが別れる分野ですから。

 とにかく、昔は頑固一徹系腐女子がかなりの割合でいましたが、今ではそこまで激しく自己主張をする人も随分と減ったなというのが私の印象です。

 私ですか?昔から割となんでも食べれる雑食系腐女子でした。好き嫌いしていると大きくなれないよ~というまるで子供だましの言葉に乗せられてすくすくと育った健康体でございます。

 違う意見をもった人を相手に喧嘩なんてしませんでしたね。平和……それが一番大事です。それでも心の中では自分の妄想が世界で一番美味しいんだ~!!とは思っていましたが。



 今現在のコミケしか知らない方には、あまりピンとこない話をまた書いてしまいました。ですが、ここに来るまでに本当に色々な方達の努力があったんですよ~という事はどうしても伝えたかった。

 腐女子の為のお洒落講座なんてものがコミケカタログに載っていた時代からの生き残りの私としては、お洒落で可愛い腐女子が増えたことは素直に嬉しいです。

 ですが、マナーに関しては本当にどうなっているんだ?と思わずにはいられない人が増えているのはちょっと困りますね。

 何度も言いますが、妄想は心の中だけで!口に出したらその時点でアウト!!ということを今一度言いたいおばちゃんです。


 今回も為になるんだか、ならないんだか未知数にも程がある……オタクの回想録いかがだったでしょうか。

 書いている本人は、楽しいですよ?

 自分の恥ずかしい過去を語る機会なんて……余りないですし。友人達は私の過去を知り尽くしているので、逆に避けたい話題筆頭ですから。

 そんな駄目エッセイまだもうちょっと続く予定でおります。

 次回も悶絶必死(私が!)のお話しをしていきたいと思います。

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