まぁ俺が女体化したとしても絶対にお前らのオカズにはならへんけど
友達にお題をもらって、初めて小説らしきものを書きました。
誤字脱字、語彙が貧しいなど読みづらい箇所が多いでしょうが、最後まで読んでいただければ幸いです。
まぁ俺が女体化したとしても絶対にお前らのオカズにはならへんけどw
いつものコンビニ前、カップ麺とタバコ、これもいつも通り。
深夜に友達と交わしたなんて事ない会話
こんな毎日の繰り返し、正直飽きて来た節はある。
世間から見ればコンビニ前で座り込んで喋ってる、そんな俺たちはクズ、底辺。
こんな悪循環でも慣れてしまえば心地よく、たまに大学に顔を出しては適当に講義をやり過ごし、また打ち合わせしたわけでもなくコンビニ前で夜を明かす。
小さい頃の俺が見たら腹を抱えて笑うだろう。
頑張って勉強して、いい学校出ていい会社で働くんだ。子供は二人、綺麗な嫁さん。
そんなことを考えてた頃もあったなぁ
また同じ朝。顔を洗って、歯を磨いて、買ってあったパンを食べて着替える。
いつもと同じなのにいつもと何か違う。
そんな俺の違和感の正体はすぐに分かった。
「…ん?」
胸を触り、頬を触ってみる。
そういえば顔を洗う時、やけにスベスベしてたぞ…
そんなはずはない、あれはいつもの馬鹿話で。何気ない会話の一節で。あ、そうか、これはきっと夢だろう。まさか女体化なんて、そんなエロ漫画みたいな事が俺に起きるわけは無いんだ、そうに違いない。
そんな俺の儚い希望は、無残にも打ち破られる。
「どうしたん?何かあった?」
同い年の彼女。派手な髪色、派手なファッションのクソ女だが、退屈な日常の中のたった一つの花だ。
「な、何もない。もう少し寝てれば?」
「おかしいよ。なんかあったんやん…」
そう言って彼女が体を起こし、俺を見て絶句する。
そりゃそうだろうな、お前の50倍、今の俺の方が綺麗だ。全く馬鹿馬鹿しくて涙が出る。
この非常事態だが、意外にも彼女の協力によってひとまずは落ち着くことになった。
彼女の服を借りてデパートへ行き、服や靴を買う。
なんだ、いつものデートと変わらないじゃないか。こんなクソ女でも付き合って来てよかった、これからもちょくちょく世話になりそうだなぁ、、
軽い食事をファミレスで済ませ、荷物を置きに家へ戻る帰り道。
二人とも俯いて、何となく気まずくなった俺が軽いジョークでもかましてやろうかと口を開いたその時。
「悪いけど、その状態のあんたとは付き合っていけない。これから大変だと思うけど、まぁよろしくやりなよ。じゃあね」
…は?
声をかける隙もなく彼女は走って行った。
とっさに追いかけようとしたが、彼女が置き去りにした荷物に目をやり、オタオタしているうちに彼女は見えなくなってしまった。
「あーあ、男の俺はこんな荷物片手で持てるんだろうなぁ」
誰に話すでもなく呟いた俺を、初夏にしては冷たい風が撫ぜていった。
「と言うわけで、女になった。」
口をポカンと空けて、俺の胸を凝視するいつものメンツ。
そりゃそうだ、突然見たことない女がやってきて、よぅ、俺俺、俺だよ。実は女になっちゃったんだよね…なんて。信じられるはずないよな。
「あのさ、面白いよ。アイツにしては。で、アイツ今どこにいるの?どっかで見て笑ってんだろ。オイ、出てこいよ!」
仲間の一人が口を開いた。こいつにしてはマトモな事言ってるぞ。目の前にいる見たことない女が昨日までの友達である確率と、俺がふざけてお前らを騙そうとしてる確率なら、確実に後者のが高いもんな…
この発言を皮切りに、口々に俺を嘘つき呼ばわりする声が出てきたが、その全てを俺は受け入れた。諦めた。
何度も説明したが信じてはもらえず、この日は気まずい空気のままお開きとなった。
「何だってんだよ…」
ベッドに飛び込んで天井を眺め、これからのことを考えていると、さっき一番に口を開いたアイツから電話がかかってきた。
「なんだよ、もう話すことは話したし、お前らも俺に話なんてないはずだろ…」
「いや、やっぱ俺は信じるよ。お前勝手がわかんなくて大変だろ?俺、妹いるから色々手伝うぜ」
すごく嬉しかった。この体になって初めて受け入れてもらえた。
とにかく俺の家に来るように伝え、ソワソワしながらいろんなことを考えた。
アイツは彼女も居ないからなぁ、たまにならデートのフリぐらいしてやっても良いかな。
そうだ、バレンタインにチョコなんか貰った事ないだろうし、次のバレンタインは俺様が恵んでやろう。
なんだ、そんなに悪くないじゃん、女体化なんて。
そんなことを考えていると、すぐにチャイムが鳴った。
「おう、まぁ入れよ」
「さっきは悪かったな。邪魔するぜ」
何だかんだ友達想いなんだ。こんなになっても、友情ってのは変わらないんだな。
ありがたがる俺に、奴は言った。
「で、結局アイツはどこにいんのよ?てかアンタはアイツの何なワケ?あの後みんなで話したんだけどさ、アイツの女なんだろ?頑なに会わせてくれないと思ったらこんな下らねえこと企んでやがった。後でみんなここに来るからよ、アイツに助けてって電話するなら今だぜ。でなきゃ全員で輪姦すから」
は?こいつこの期に及んで何言ってんだ?
信じてくれるんじゃなかったのか、色々手伝ってくれるんじゃなかったのか。輪姦すってなんだ?アイツらも来るのか?
ぐるぐる、色んな思考が頭の中を回っている。
「てか、ぶっちゃけアンタ、超好みなんだよね。もうアイツの事はいいわ。大人しくしてろよ」
ベッドに俺を押し倒し、顔を近づけてくる。
クソ、やっぱコイツは、コイツらは最低だ。
腕力の低下を恨むのはこれで二度目。
もうどうでもいいか、大人しくしてりゃ直ぐだろ。
正直、俺も女の快感ってやつには興味あったんだよな。こんな形になるなんて思ってなかったけど、もう全部、どうでもいい…
「ちょっと、何してんのよ!」
聞き慣れた声、昨日ぶりの声だ。
消火器を担いだ彼女、いや、元彼女がそこに居た。
「何だてめぇ、今すぐ出てけ!でなきゃお前も混ぜてやるぞ?一人じゃ少ねえなと思ってたんだよ」
その発言に一瞬嫌悪感を示し、消火器のノズルをこちらに向ける。
「出て行って。アタシは忘れ物取りに来ただけやし、それだけ済ませたらさっさと帰るだけ。
でも犯罪は見過ごされへん。どう見ても強姦よね?消火器で真っ白、その上お巡りさんに捕まって。そんな情けない姿晒したくないでしょ?」
サッサと逃げて行きやがったチキン野郎め。
それにしても助かったぜ、私物を持ち込み始めた時はぶん殴ってやろうかと思ったけど。
今になって効いてくるとは、多少の我慢はしてみるもんだな。
「じゃ、用事済んだし帰るから。あ、アドレスと番号、消しといてね。」
「ちょ、ちょっと待て!助かったよ、ありがとう。でも、もう帰るなんて薄情じゃないか!」
「言ったやん、忘れ物取りに来たんやって。用事済んだし帰るよ?
確かにレイプされかけてるとか考えてもなかったけど、未遂で済んで良かったやん?」
「これからもこんな事あるかも知れないんだぞ⁉︎それでもお前は俺を見捨ててどっか行っちまうのか⁉︎薄情者!人でなし!クソ女、死んじまえ!」
あぁ、思わず口走ってしまった。味方につけたいなら泣き落としだって、定石だろうに。
自分で言ってショックを受けてる俺に、コイツはあろうことか追い討ちをかけて来やがった。
「たまたま通りかかった道でレイプされかけの女の人が居たら助けるよ。
でも見てないところでは知らない。誰がレイプされても関係ないよ。私のこと下に見てるのは知ってた。でも、居心地良かったんよ。悪循環って分かってても、呑まれるだけなら何もせんで良いからね」
こいつ、俺みたいなこと言いやがる。
じゃあね、なんて手をヒラヒラ振って、一度も振り返らずに去っていく。
待てよ、お前みたいなクソ女でも今の俺には必要なんだ。
そんなことを叫んだ気がする。
次第に視界が歪んで来て、熱いものが頬を伝う。
友達に裏切られた。悔しい。悲しい。
でも、違う。きっとこの涙は……
アイツと買い物に行ったデパート。
屋上には子供を遊ばせるスペースがあって。平日の朝っぱらでなければもう少し賑わっているだろうが、今の俺には好都合だ。
友達なんて言い合っても、結局は紙切れみたいに薄っぺらいもんだった。
だらだら付き合って来ただけとはいえ、長い時を共に過ごした彼女にも見捨てられた。
どうせ誰にも信じてもらえない。男の夢なんて嘘、現実はこんなもんだ。
こんな奇妙な存在を助けてくれるお人好しなんか、この忙しい世界には存在しない。
思い切りその現実を目の前に叩きつけられた奇妙な存在、もとい俺は、今まさにその生涯を自分で終わらせようとしていた。
辞世の句でも詠んでみるか?どうせ時間はあるんだ。
自販機でコーヒーを買い、ベンチに座って考える。
あーあ、結局ブラックで飲めるようにはならなかったなぁ。
そう言えばガキの頃、よくここで母さんにジュース買ってもらったなぁ。
ランドセル買ってもらったのも、上履きもエナメルバッグもリュックサックも。スーツだってこのデパートで買ったんだっけなぁ。
今死ぬ必要、ないんじゃないか?
ふと思った。
そうだよ、誰に死ねって言われたわけじゃない。今死ぬ必要なんてなかったんだ。
想い出漁ったりしてバカみたいだ。こんな時間に子供の遊び場でコーヒー飲んでる若い女を、他人はどんな目で見るんだ?
妙なことはやめよう、世の女性はみな、レイプの危機に怯えながらも逞しく生きている!
俺はその一員になったのだ。
そうだ、深呼吸をしよう。
前を見て、新しい人生を。
映画好きの、ちょっと地味なメガネ女子になるんだ。
素材がいいんだから、地味なくらいがちょうどいい。
死という自分で課した枷を自分で外した。
一人遊びを終えた俺は、ここで何かが心に引っかかってるのに気づいた。
…メガネ女子。地味目、巨乳。
全てを理解した俺は、屋上の柵に足を掛け、一言呟き、そして
鳥になった。
女が屋上から降って来たらしい。
野次馬根性逞しい俺は、人混みをかき分けて最前列にたどり着いた。
血塗れでグロテスク。
だが顔は分かる。
この間輪姦しようとした女。
俺俺、俺だよってフザけたことを抜かしやがったあいつが、今まさに虫の息で横たわっていた。
ふん、どうせ喧嘩でもしたんだろ?二股がバレたか?あの邪魔しやがった女と一悶着あったんだろう。
全く、アイツも悪い男だな。今度会ったら何て言ってやろうか。
ふと視線を下に向けると、血塗れの女と目が合った。何か呟いている。
「なんだ?仕方ねぇ、恨み言なら伝えといてやるよ、はっきり言ってみろよ」
その最後の言葉を聞いた俺は、全てを理解し、絶叫しながら膝から崩れ落ちた。
知ってるわけない。俺ら以外の人間が。
俺が間違ってた。俺らが間違ってた。
全てが終わった後で気づいても遅い。
もはやアイツは息もしていない、ただの肉塊。その肉塊にすがり付いて謝罪の言葉を並べる俺に、冷たい雨と周囲の視線が降り注いだ。
いかがだったでしょうか。
グループLINEに貼っても反応が無いので、きっととんでもない名作で奴らが絶句しているか、もしくはとんでもない駄作でコメントする価値もないかの二択でしょう。
最後まで読んでくれた方、居たらありがとう。
なろうはつい5分ほど前に使い始めたばかりなので、これからいろんな作品を読みに行きます。
アデュー!