プロローグ
剣と魔法が主役のこの世界では、魔物を狩り、未開の地を探索し、未知のお宝を捜し、富と名声を求めて夢を追う冒険者と言われる者達が居ます。
しかしそんな冒険者達も当然いきなり富や名声を手に出来る訳もなく、普段の地道な活動有ってこそチャンスを掴めると言うものです。
そしてそんな地道な活動を支えるのがここ、ギルドの比較的近くにある冒険者ご用達の店、道具屋【ラーフ】とそこを守る看板娘、ラミア族の【クロエ】さんその人なのです!
道具屋【ラーフ】に置いてある商品は“凄く安い”って訳では無いけれど、クロエさんの堅実な経営方針のお陰でどれも信頼が置ける物ばかりなので初心者から熟練者まで安心して買い物が出来るお店になってます。
そんな彼女のお店は冒険者ギルドから程近いと言う立地のお陰で、良く新人冒険者の人が立ち寄っていきます。
ですが、彼女はいつも気怠げな態度で素っ気なくお客さんの対応をするのです。
…………少なくても本人はそうしてるつもりです。
なぜそうするのか……それは新人冒険者はすぐに死んじゃったり辞めるなりして居なくなっちゃうので仲良くなってしまうと辛いからなのです。
でも、素っ気ない態度とは裏腹に、根は優しくて世話焼きで心配性な泣き虫さんだと少しでもクロエさんと話していれば誰でもすぐに気が付いちゃうのでした。
何が必要か分らなければ相談に乗ってくれる優しいクロエさん。
(本人は否定します)
どんな依頼を受けたいのか言えば助言をしてくれる世話焼きなクロエさん。
(本人は否定します)
一度でもお店に来た人に何かあったら本気で泣いてくれる泣き虫なクロエさん。
(泣いた事なんて一度も無い!と本人は否定します)
これは優しいクロエさんとお客さん達の何気ないやり取りを綴る、そんなお話です。