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異世界転生したけど女神がポンコツすぎて死にそうです2

朝にも投稿します。

 俺はオールの手を掴んでユニークスキルを発動する。

 出来るだけ遠くの物と俺達の場所を交換しようとした。出来た距離はだいたい20メートルぐらい。交換したものは俺と同じくらいの大きい岩。だがそれのおかげである程度の距離を開くことが出来た!


「おい立て!走って逃げるぞ!」


 俺と同じ大きさなのに俺とオールの二人分交換することが出来た。能力使用の制限はなんとなくわかる。残り4回で俺とオールはまとめて交換した扱いになっている。


「ダメぇ。もう立てないよぉ」


 この女神、恐怖のあまり腰を抜かし、まともに立てなくなっていた。ついさっきまで女神だったやつがここまでの仕打ちをされているのはちょっと気の毒だ。でも今は逃げることが先だ!


「くそ!ほら!早く俺の背中に!」


「え?」


「いいから早くこい!」


「う、うん!」


 オールを背負って立ち上がる。やっぱりおっぱいがでかい。そのせいか体重もちょっと重いな。まあそれでも人を背負ってると思えば軽い方だ!

 俺はしっかり背負ったのを確認して走る。

 走ってみて俺は背おられてる側の人の背おられ方も重要なことに気づいた。重心がぶれて重さがあっちに行ったりこっちに行ったりする。


「はぁ!はぁ!」


「ガルァ!」「ガルァ!」「ガルァ!」「ガルァ!」「ガルァ!」「ガルァ!」


 ゴブリンのくせに速い!てっきり小さいから足が遅いと思ったのに!徐々に俺と敵とのゴブリンが詰められている!このままでは死ぬ。捕まって死ぬに決まっている。


「ダメだな」


 このままじゃあ追いつかれる。あのゴブリン達に追いつかれてボコボコにされる。

 死ぬ?いや待てよ俺は死なないし負けない。転生1時間で死ぬとかシャレとしても面白くない!


 俺が今出来ることを考えろ。走って疲れているからって考えるのをやめるな!俺に武器はなし。ジャージを着ている、他には女神がいる。すごくポンコツで神の力はおろか魔法も使えないし腰を抜かして俺の背中にいる。最悪俺が死にそうになったら捨てる。こいつの服はなんか素材が良さそうだから捨てる前に剥ごう。

 他には何かないか?


 ある、ユニークスキルだ。さっき使ってもう使えないと勘違いしていた。フェイト様のおかげであと4回も使える。この能力で何か出来ないか?いや出来なきゃ死ぬ!


 位置交換、名前をワンダートリックと名付けよう。ワンダートリックで俺とオール二人がだいたい俺と同じかそれ以上に大きい岩と交換した。つまりだいたい同じ大きさの()()そのものを入れ替えている可能性がある。


 じゃあ次もだいたい同じ大きさの空間を交換すればいい。距離は最大でだいたい20メートルぐらい。恐らく俺からの半径だろう。


 俺がわかる情報はだいたいこれぐらい。これで何がっ!


「ぐっ!」


 考え込みすぎて前が見えていなかった。木の根っこに足を引っ掛けてしまった。


「きゃあ!もう!ちゃんと運んでよ!」


「うるせぇ!置いてくぞ!?」


「ぎゃーごめんなさいー!」


 ったくうるせぇなぁ。てか万事休すじゃないか?いつまでも交換で移動しても追いつかれる気がする。一瞬で他の交換できる物があればいいが見つけられなかったら無理だ。すぐに気づかれて終わる。どうする?どうやって逃げればいい!?


「カイト!なんとかして!なんとか()()()()()!?」


 ・・・・・・倒す?そうだ。俺は何逃げる気でいるんだよ。異世界に来て何しに来た?無双だろ?ハーレム作りに来たんだろ?ならやってやろうじゃねぇか!


「おい女神、このゴブリン達は俺の筋力でも倒せるか?」


「あのゴブリンは1匹で確か剣持った冒険者1人分だった気がする!それは憶えてる!」


 憶えていてくれて助かった。おかげで勝つ希望が見えてきたよ。


「そうか、じゃあオール。何があっても俺から離れるな」


「え、う、うん。身代わりになってくれるのね?」


 こいつはやっぱり馬鹿だ。


「馬鹿め。二度とこっち来るなよ!」


 そう言ってオールをゴブリン達に向かって適当に投げた。


「いったーい!やめて!立てないんだから!たしゅけて!たしゅけてよぉおおお!」


 ゴブリンが2匹オールに向かって来た!獲物がかかった!


「オール頑張れ!」


「ぎゃああああ!」


 ゴブリンの2匹の攻撃が別々の方向から飛んでくる。後ろには4匹のゴブリンが追撃で走ってくる。この女神には何かフェロモンが出ているのだろうか。ゴブリンの口からヨダレが出ている。


 このまま俺が逃げてもいいのだが、次の日の目覚めが悪くなるので戦ってやろう。俺は女神の方に走り出す。


「ワンダートリック」


 オールに攻撃が当たる寸前で後ろのゴブリン1匹とオールの位置を交換。当然オールに当たる予定だった攻撃は交換したゴブリンに当たる。


「ガラァ」


 1匹が死んだな。次!


「そこにオールはいるぞぉ!オラァ!」


 再びゴブリン達にオールがいる場所を教え、俺は2匹のうちの1匹の顔面に思いっきりつま先蹴りを食らわせた。


「オゴォ!」「ガロォ!?」


 やはりゴブリンと俺達人間の大きな違いは知能か。女に釣られて俺への意識がなくなるなんて、あいつ見た目だけは良いからな。


「「ガァ!」」


「ワンダートリック!」


 危ない。オール側のゴブリンの動きを捉えるのに一瞬遅れたが、オールを太い木で殴ろうとしたゴブリンと、俺に向けて太い木を振り回そうとしたゴブリンとオールの位置を交換してオールは怪我なし!


「「ガゥ!」」


 おお!ラッキー!まさかの2体相打ちになるとは!これでワンダートリックの回数は残り2回。相手は2体。残り一体で今までの作戦は通用しないからどちらにしろ使い切って倒すつもりだったが、1回は保険で残せそうだ。残り一体なら俺1人でもなんとかなる気がした。


 念のためさっきつま先蹴りしたやつを踵で踏みつけた。反応がないところから気絶していたのだろう。まあこれでもう動けないだろう。


「すごいじゃないカイト!このままやっちゃいなさい!」


 こいつすぐに調子に乗るな。めっちゃウザイ。


「お前もう1回囮になれ」


 ゴブリン相手なら何度でも通用しそうな気がする。知能が低いのはさっきのでわかったからな。


「嫌だわ!絶対に嫌!」


 こいつマジで役に立たない!何でここにいるの!?さっさと囮ぐらいなれ!


 残りのゴブリンも使えない女神を囮にして戦った。残った最後の1匹に多少苦戦するものの、なんとか蹴り飛ばして気絶をさせた。多分殺すことは出来ていないと思う。これでレベルアップとかしていればいいのに。まあ半分はワンダートリックで他人に倒させているから意味無いかもなぁ。


「カイト!あなたすっごい強いのね!ずる賢さの年季が違ったわ!」


 それギリギリ褒めてるのかな?褒めてるよね?まあ誉めててもお前からじゃあさして嬉しくないが。


「はぁ。疲れた。さっさとラプラスに行こう」


「グォオオオオ!」


「はへ?」


 思わず変な声が出てしまった。だって、少し離れた所に俺達より大きいゴブリンがいた。


「ゴブリンジェネラルだわ!カイト!こいつ倒せば沢山お金貰えるわよ!」


「金より大事なもの捨てることになりだろ!馬鹿か!?」


 こいつは無理だ、勝てるわけがない。さっきのゴブリンですら手こずったのにこんな大きな、しかもジェネラルとか付いてるし絶対強い!俺達の命が消える!


「逃げるぞオール!」


「グォオオオオオオ!」


「きゃあ!ま、また腰抜けちゃった」


 2度目の咆哮で確実に動けなくなったオール。

 はっきり言ってこいつを庇いながら戦うとか無理だ。

 ならどうする?このゴブリンジェネラルから逃げれるか?いや、ユニークスキルでも無理だろう。


「考えるのをやめちゃダメだ。まだいける」


 くそ!何も案がない!スキルもない!武器もない!諦めるのか?死ぬのか?


 俺はゴブリンジェネラルが、俺を見下しているように感じた。生物として俺はお前らより上だと言われている気がする。


 俺達に近づこうとしたその時、突然ゴブリンジェネラルの首がずれた。一瞬の隙に血が吹き出して首が落ちていった。


「すみません。あなたの戦闘を見ていたら見惚れてしまいまして助太刀が遅くなりました。。ですがこれまでのより相手が悪いので介入させてもらいました」


 ゴブリンジェネラルの後ろから俺よりも大きな体、だがゴブリンジェネラルよりは小さな、成人男性より少し大きな老人が現れた。

 老人と判断したのは白髪でのみ。それ以外は老人と呼べるものがない。服の上からでもわかる隆起した筋肉、素人でもわかる威圧感、そして両手には剣を携えていた。そして服が執事服で飾られている。


「あ、ありがとうございます。あなたは?」


「私の名前はグレムリィ・ジュ・レンブラント。どうぞグレムとお呼びください」


 俺にはわかる。この人めっちゃ強い執事だ、多分世界で名を馳せた最強の剣士とかだ!



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