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20/25

20・ちょうじょの計画

あけましておめでとう御座います。

更新遅れました。言い訳すると、実家で正月を満喫してました。

仕事ですり減ってた精神に、実家の優しさと、変わらない旧友たちとの会合が心に染み渡って、もう何もする気が・・・いやほんとすいません。

毎日更新をまた頑張っていこうと思います。

―# ユキside #―


夜。

な、ナツちゃんと話し合って、先に秘密を話に行くのはナツちゃんということになった。

話をするためのネタがあるからって話だったけど、ひ、秘密を話せるようなネタってどんなネタなんだろう。


・・・時間はそれぞれ一時間くらいを目処にしている。

そ、それ以上時間をかけても、多分一度話を切り出せなかったらその日は秘密を話そうという勇気がなくなってしまうと思う。

そ、それに時間を決めればそれで自分を追い込んで話そうという気持ちになれるかもしれない。

・・・正直伝えるのは怖いけど、伝えないままでいれば私たちの関係はこれ以上進められない。

話さなければいけない。は、話すしかない。


な、ナツちゃんは今頃秘密を話せてるんだろうか?

そしてハルちゃんはどんな反応をするのか。

自分のことではないけど、秘密を持っている姉妹同士、それが気になる。


・・・いやいや、色々考えてしまうけど、今はとりあえず自分のことだ。

ナツちゃんなら上手くやると信じるしかないだろう。


ど、どういうきっかけで行くといいかな?

やっぱり、何かしらきっかけみたいなものがあった方が話しやすい気がする。

・・・まだ使ってない、あるいはあまり使わない着ぐるみの頭とかつけて行くのはどうかな。

とりあえず、何か話のネタにはなる気がする。



でも、そこから秘密を話せる流れに持っていけるかな?

・・・着ぐるみの頭のことを説明するのに、自然な流れで頭を脱いで話し出しちゃうとか?




・・・いや、そ、それができるのなら今までいくらでも着ぐるみの頭を脱ぐタイミングはあったよね。

でも、私にはそれがあまりにも恥ずかしくて脱げなかった・・・。

食事中ですら人に見せたくなくて、瞬間的に人に見えないようずらすくらいだもん。

そ、そこまでして見られないように守っていた頭を、自分から見せるというのは多分できないだろう。


となると残る手段として考えられるのは、じ、自分から脱ぐのでなく、ハルちゃんに外してもらうとういう手段だ。

な、なにかハルちゃんが私の頭の着ぐるみを外したくなるような状況を作って、それで脱がしてもらう。


・・・いい気がする。自分からは脱げないだろうけど、ハルちゃんが脱がそうとするのは私は多分抵抗せずに受け入れてしまうと思う。

こ、これならば私はハルちゃんに自分の顔を見せて、それからどうしてこんな顔になっているのかというのを説明できると思う。


も、もしもハルちゃんが私の見た目を受け入れてくれなかったらどうしよう・・・。


・・・ううん、それは考えないことにしよう。

受けられないことを恐れて隠し続けていたら、状況は進まない。

こ、怖くはあるけど見せるしかない。受け入れてもらえなかった時のことは、その時に考えよう。




・・・そうなると私に今必要になるのは、どうやってハルちゃんに私の頭を外してもらうかという手段だよね。

というかそれ以前の話として、わ、私はどういう理由でハルちゃんの部屋に行こう。

こんな時間に私がハルちゃんの部屋に行くことなんて今までなかった。

突然なんの理由もなく行ったら、ハルちゃんは私が何をしにきたのかと警戒しちゃうんじゃないかな?


・・・うう、こういう時は普段から夜にハルちゃんと話をしたりもしてるらしいナツちゃんが羨ましくなる。

普段からこういう時間に二人で話したりしていたら、突然なんだという感じはでないんだろうけど、私は夜はすぐ眠くなっちゃうこともあって、こ、こういう時間にはあまりハルちゃんと話したりはしてこなかった。

それが急に行ったりしたら、ハルちゃんどんな風に思うかな?

・・・うう、な、なんだかギクシャクしてしまいそうな予感がする。

お話ししたくなったとかなんとなく行ったとかそんなのでもいいのかもしれないけど、私はそこから話を広げられる気がしない。

き、基本的に人とおしゃべりするのは苦手だ。

人の話を聞くだけとかはまだ苦手じゃないけど、じ、自分から話題を振って話をはじめるというのはできる気がしない。


私からハルちゃんの部屋に行ってるのに話題はハルちゃん任せにしてしまうというのもダメな気がする。

いや、ぜ、絶対にダメということはないだろうけど、会話の話題をハルちゃんに任せた場合、私はハルちゃんに私の頭を外させる風に話を持っていけるだろうか・・・。


・・・できない気がする。

相手が気持ちよく喋ってる内容を遮って話を始めたりとか、は、話の切れ間なんかに自分の話題を振るみたいなことは苦手だ。

やっぱりできる限り、ハルちゃんの部屋に行く理由とか、頭を脱がせるために振る話の内容をしっかり決めて攻めたほうがいい気がする。




ゆ、夕食の時間中、どういう内容で話すかとかどうやって頭を脱がさせようかばかりを考えていたから、なんだかそわそわしてしまった。

ハルちゃんがせっかく今日も美味しいご飯を作ってくれていたはずなのに、そ、それも上の空で食べちゃった気がする。

ちょっと反省。


しかもそんな風に上の空だったのに、い、未だに作戦が全く決まらない・・・。

どうしよう。そろそろナツちゃんが話に行くって言ってた時間だよね? な、ナツちゃんはちゃんと秘密をハルちゃんに打ち明けれてるかな?

・・・いや、今はまず自分のことだ。

ナツちゃんのことも心配だけど、ナツちゃんならうまくやれると信じて私の事をしっかり打ち明ける準備をしよう。




夕食後に自室に戻ってハルちゃんの部屋に行くまでの作戦を考える。

・・・ぜ、全然決まらない。うう、私って人間とアンドロイドのハーフのはずなんだよね?

お父さんの話だと演算能力とかも人より高めだとか言ってたはずなんだけど、わ、私にはその実感がない。

そういう感じなんだったら、もうちょっとズバババってカッコよく考えが出て来てくれたらいいのに。

他の人がどういう風に考えを生み出しているのか知らないけど、私は半分がアンドロイドであっても他の人より頭がいいとかそんな印象は全く感じない。

目がいいとか耳がいいみたいな感覚の良さとか、筋力とかが他人より高いとかは結構露骨に感じるけど、そういう思考部分はあんまり変わってない気がするんだよねぇ。

実際どうなんだろう。お父さんに聞いたら教えてくれるかな?


・・・いや、聞いたらお父さんがめちゃめちゃ詳しく教えてくれそうな気がするけど、たぶん聞いてもわからない気がする。

お父さん、何か説明する時は専門用語満載だったり、思想とか理念とか歴史とかまで交えて話すからなぁ。

結局まとめれば一言で終わる話が、装飾されまくって説明されるから全然頭に入ってこないんだよね。

と、特に私は機械とかプログラムとかそういうのの話が苦手だから、お父さんの科学話にはついていけないと思う。

なんか数学とか科学とか、記号がゴチャゴチャして分かりにくいよね。


・・・は、話が脱線してた。今重要なのはハルちゃんの部屋に行く理由だ。

ホントに、どういう理由で行けばいいかな。

うーん、部屋に並べてる着ぐるみ頭を順に見てればなにか思いつくかな?

・・・うん、そ、そうだよ。ハルちゃんに脱がせてもらう着ぐるみ頭でもあるし、どれをかぶって行くかも合わせて考えるといいかもしれない。


私はそう思って部屋を見回し始めた。

・・・・・・うーん、う、ウケ狙いとか話のきっかけになりそうな着ぐるみ頭は多いけど、最終的に脱がしたくなるとなるとそんなにない気がする。

・・・あ、このキモかわいい系のとかどうかな。

前にナツちゃんに見せた時は意味はよくわからなかったけど、SANチェック1d10/1d100くらいキモいって言ってたし、ハルちゃんに見せれば脱がせたくなってくれるかも・・・。


ただ、キモい奴を脱がせた後に秘密の話に持っていけるかが微妙な気もする。

やっぱり私も女子高生だし、少しでもよく見られたい。キモかわいい系は人を選ぶって話だし、や、辞めておこうかな。


・・・となると後はかぶるのが危ない系とかかな。

こ、この甲高い声でハハッ! って笑うネズミキャラのやつとか、北の国の将軍様のマスクとか、最近〇〇とか〇〇した芸能人のマスクとか・・・。

うーん、これ系もかぶるのは危険だけど、脱がされた後の会話に繋がらない気がする。

脱がした後にサプライズがあるから、脱がす前のサプライズと脱がした後のサプライズでサプライズの方向性がグチャグチャになっちゃう気がする。

い、インパクトを薄めるって意味ではいいのかもしれないけど、なんか真面目な話にしにくくなっちゃうよね。


ふ、普段から私がおちゃらけたキャラとかならそういうノリで会話を始めるのもいいかもしれないけど、普段私はあまりそういうふざけたことしない方だから、空気が変なことになりそうな気がする。

・・・や、やっぱり、着ぐるみは普通ので、お話で自然とそういう雰囲気に持って行った方がいいのかな。

でも、それをどうやって?


・・・わからない。うぐぐ、どうしたら・・・思い切ってアキちゃんに聞いてみようか。


ううん、これは私が自分でしなきゃいけないことだ。

あ、アキちゃんだってハルちゃんの事を思ってるんだし、それをわかってて頼るのはダメだろう。


かといってこのまま考えてても答えが・・・ん?

あれ? し、視界の端になんだか見慣れないものが・・・えっと、マクラ? なんだっけこれ・・・。




あっ! そうだ。今日、ハルちゃんの部屋で起きてマクラを持って来ちゃってたんだった!

か、返さないといけないのすっかり忘れてた!




————はっ!



もしかしてこのマクラ、使えるんじゃないだろうか。

と、とりあえずこれを返しに行くというのはハルちゃんの部屋に向かう理由として十分だ。

マクラの代わりになりそうなものなんて多いけど、やっぱり寝る時は使い慣れたマクラがいいよね。

お、お隣さんだし間違って持って帰っちゃったこれを届けるというのは不自然じゃない。

こ、これで第一関門はクリアだ。


・・・も、問題はそこからどうやって話を広げるかだよね。

せっかくの機会だし、少しお話しようというのはマクラというきっかけがあれば難しくない気がする。

だけど、その話を広げてどうやって私の頭を脱がす方向に持っていこう。


マクラ、マクラ・・・。

マクラと、ハルちゃん。

枕、春・・・・・・。




///////////////。




思いついちゃった・・・。


さ、最近ハルちゃん、視線がちょっとヤラシくなって来たと思っていた。

これはそれを利用した作戦だ。


き、着ぐるみのことばっかり気にしてたけど、何も脱がしたくなるって着ぐるみだけじゃなくてもいいんだよね。

そう例えば、ハルちゃんをえっちぃ気分にさせて私をひん剥こうとさせたりすれば・・・。


普段はあまり着ないけど、いつか着るかと私は若干隙が多めの服も持ってる。

襟元とかが色々ゆるゆるのやつとか、だいじなとこは隠れてるけど油断すると見えそうなやつとか。


み、見えそうで見えないの加減とかは普段着ぐるみで視線を意識して生活しているから得意だ。

聞いた話だと男の子は見えそうで見えないみたいなのとか、油断がバリバリの格好とかには弱いって話だよね。


マクラと一緒に参上して、少しお話したいなって言いつつ油断バリバリの衣装。

そ、そうだなぁ、せっかくだし今日は添い寝とかしよっかとかふざけて言ってみるのもいいかも。

そんな風に誘ってる感をバリバリに出して、こ、こっちからは積極的にはいかないけど相手の野生を刺激する仕草と会話な感じで・・・・・・。


最近のハルちゃんの視線から言って、そこまで攻めた発言や行動をすれば、最終的にハルちゃんのタガは外れて私はベッドに押し倒されて・・・・・・。








うん。










アホだよ! 痴女さんだよ! ど、ド変態さんだよっ!


いや、こ、これはさすがにえっちぃ過ぎる気がする。


うぐぐ、ただ、これなら流れで着ぐるみは脱がされるよね。たぶん。

いやでもハルちゃんおっぱい大好きだから、押し倒した後おっぱいの方に夢中になってとかそういう可能性も・・・。


いやいやいや、まずこういう時はキスからだよね?

いきなり胸とかがっつき過ぎだし、いくらハルちゃんでも最初に胸はないよね?

流石にハルちゃんであっても着ぐるみを外してキスからという流れになるはず。


で、着ぐるみを外したらハルちゃんは私の顔を見て固まってしまうはずだから、そこで一旦落ち着いてもらって、カミングアウトを始める。

こ、これでオッケーなはずだ。


・・・ハルちゃんが私に気を使って電気を暗くしてから事を始めて、私の顔に気づかずに最後までやっちゃうなんてことになったらどうしよう。

いや、大丈夫、勢いで押し倒されてるはずだし、流石に電気を暗くしようなんて冷静さはないはず。


・・・冷静さがないなら私の顔を見たところで止まれるかな?

いやいや、最悪私はハルちゃんを力で抑え込めるし、そこはなんとか止まって冷静になってもらうしかないか。

でも、わ、私そのタイミングで抵抗できるかなぁ・・・ハルちゃんならいいかって最後まで許しちゃう気も・・・。

いやいやいや、だ、ダメダメ。秘密のカミングアウトが目的で、えっちぃ雰囲気は手段だよ。

なし崩しでそんなことになったら、あ、あとあと気まずいし、アキちゃんやナツちゃんにも申し訳が立たない。

ハルちゃんが理性を失った場合はキチンと止める。それでいかないと。




・・・・・・冷静になって考えてみると、私の作戦って穴だらけな気がする。

ハルちゃんが私を押し倒すの待ちだし、ハルちゃんがもしも私を本当に押し倒したとして、そのあとどうするかというのも絶対がない。

私がキチンと誘惑出来るかとかその辺も、ほ、本当に大丈夫だろうか?

その流れで顔を見せて、本当に私はキチンと誤魔化さずにカミングアウト出来る?


・・・うぐぐ、出来るかわからないけど、そろそろナツちゃんと約束した時間だ。

もう行かないと。他に作戦も思いつかない。


でも、本当に私はこれをしちゃうの? やっちゃうの?

そう思いつつも、私はハルちゃんのマクラを持って、ハルちゃんの部屋まで向かった。

ユキ姉の容姿ですが、『美少女フィギュア』のようから『美少女アニメ』から飛び出して来たかのように変更いたしました(過去の描写も含め。読み直しが必要なほどには修正してません)。

やはりフィギュアと限定してしまうと印象が少しおかしくなる気がしましたので変更した感じです。

これで少しでも容姿の印象が伝わりやすくなってくれればいいんですが・・・。


面白いと思っていただけたのなら評価、ブクマ、感想等いただけると嬉しいですw

本年もよろしくお願いいたします。

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