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16・ちょうじょの正体

長女視点です。

しばらく長女、次女、主人公の視点を入れ替えながら話を書いてく予定。

―#―


わ、私の名前は音成ユキ。

音成シスターズの長女です。

ま、まあ私は長女って言っても、正直性格とかはアキちゃんの方がしっかりしているし、コミュ力が高いのはナツちゃんだ。姉妹を引っ張るお姉さん的なことはできてない気がする。

わ、私は人見知りだし、結構ドジだし、できることと言えば腕っ節で家を守ること。そ、それくらいしかできない。

ほ、本当は長女としてもっとしっかりしなきゃなんだろうけど、妹2人が私以上にしっかりしているのだからしょうがないと思う。


そ、それから私達姉妹を語る上でどうしても無視できない存在が、隣に住む幼馴染、ハルちゃんこと真中ハルタだ。

まだ高校生の男の子なのに、が、学校に行きながら2軒分の家事をすべてこなし、大食いすぎる私の食事を全部作って管理してくれている。

ハルちゃんには正直かなり迷惑をかけてしまっている。

小学校の中頃くらいには私達のために家事をはじめて、それは最初の頃はハルちゃんも失敗したりしてたけど、中学の頃にはもうしっかり家事を取り仕切っていたし、今もメキメキと家事の腕を上げている。


ハルちゃんは『家事が好きだし、将来の夢は専業主夫だからその練習になるから気にしなくていい』なんて言うけど、正直それも本当かどうかわからない。


しょ、小学校の頃、私達は姉妹の母親たちの全てを失ってしまった。

病気だったり、事故だったり、いろいろな不幸が重なったのだ。

そんな状況でもお父さんは忙しく働くしかなくて、お手伝いさんを雇ったり、宅配で届く食事があったから家のことはなんとかなってた。

で、でもそれらは、家族として支えてくれたわけじゃなかった。


その頃には山で狩りとか釣りとかするのが好きだった私は、取ってきた魚や動物を料理が上手だった遥香お母さんに頼んで調理してもらったりしていた。

でも、ただお仕事として来てくれているお手伝いさんにそれを頼むのは遠慮してできなくて、他の姉妹もやっぱり、家族だったからこそ頼めていたお母さんたちにしか頼めなかった色々なことを我慢しはじめていた。


ハルちゃんが家事をやろうとし始めたのはそんな時だ。

何がきっかけだったかは覚えていない。

き、気づいたらハルちゃんは、掃除だとか、洗濯だとか、料理だとか、そういうことに挑戦しはじめて、中学になる頃には、私達の家にはお手伝いさんもこなくなり、宅配のお弁当や料理もほとんど食べることがなくなっていた。


だ、だから思うのだ。

ハルちゃんは私達の母親の代わりに家族をやってくれているのをごまかすために、専業主夫が夢なのだと嘯いているだけなんじゃないのかと。

ハルちゃんは私たちに気を使わせないために、遠慮なく家族として甘えられるように、夢だとか、食費は貰ってるとか、楽しいから気にするなと言ってくれてるんじゃないかと。


・・・正直こんなのズルいよね。

ふと、それに気づいてしまった時、わ、私はハルちゃんを好きにならずにはいられなかった。

だって、仕方ないよこんなの。ズルすぎる。好きにならないとか無理だった。


でも、そんな大好きなハルちゃんに、私はどうしても話せていない秘密がある。




・・・わ、私はその、いわゆるハーフなのだ。







・・・・・・人間と、あ、アンドロイドの。










アンドロイド。

機械によって作られた、人造人間。

つ、つまり私は、人間と機械のハーフなのだ。


な、なんでこんなことになっているかというと、音成家のキチガ・・・いや、狂ってるとしか思え・・・その、えっと、ちょっとだけ頭のおかしい家のお父さんのせいなのだ。


うちのお父さんはかなりおかしな人だ。

一応表向きはなんでも研究して実績を残している有名な科学者だったり、学校の理事長だったり、発明家だったりもしているのだけど、そ、その、一言で言ってバカと紙一重じゃない天才なのだ。


やってることは確かに天才的なのだけど、紙一重で馬鹿だというよりは馬鹿そのものでもある。

つ、つまりは家のお父さんは、西から登ったお日様が東に沈みそうな感じの天才馬鹿者なのだ。


わ、私がなんで産まれてきたかという話に戻る。

お父さんはそのうち本気で映画で見るような、機械が反乱を起こして人間と戦争になってしまうのではないかという危機感を覚えたことがあったらしい。

まあ、そういうことはあってもおかしくない。映画なんかの物語の中で見たことが本当になったらどうしようといろいろ想像したりするのも物語の楽しみ方の一つだ。


ただ、そういうのは普通想像だけで終わって、実際に行動には移さないのが普通だ。

でもうちのバカとうさんはそれを実際に行動に移してしまうタイプの人であり、さ、さらに不幸なことにうちのお父さんにはそれができてしまうだけの知性と科学力と資産があった。


で、お父さんが機械と人間の戦争を起こさないために必要なことだと結論したのが、機械と人間が完全に別の種族だからダメなんだ。機械と人間の間に子どもが作れる、人間と機械が同種族と言える存在を作れれば、そのような不幸にならないんじゃないか?

ついでに人間も次の段階に進化できるし、もうすでにいる人間を機械化改造するのは倫理的にどうかと思うけど、機械との間に生まれる子供が最初から機械と人間の両方の性質を持って産まれてくるなら倫理的な問題も少なく感じる。いいことづくしじゃないか!


という結論に至った。


そ、その結果生まれたのが私であるのだからあまり言いたくないのだけど、控えめに言って馬鹿じゃないのかとしか思えない。

こ、子どもが作れる相手なら分かり合えるって・・・さすがに発想が突飛すぎる。


そんな感じで、私はアンドロイドと人間のハーフなのだ。

人間として私は、お父さんの遺伝子的情報をついでいて、機械として、遺伝子と同じような仕組みをもつ、ナノマシンみたいなものも持っていたりする。もちろん人間ともお父さんの作ったアンドロイドとも子どもが作れる。そんな存在なのだ。


ハーフアンドロイドだと語呂が悪いし可愛くないので、な、ナツちゃんが名付けてくれたハーフドールって名称を好んで使っている。

なんだかハーフエルフに響きが似ていて好きなのだ。


ま、まあ、機械と人間のハーフであることは、私としては正直目をつぶってもいい。

私は筋力や感覚が普通の人より強化されていたりするし、食べすぎても基本的に胸しか育たないという身体の仕組みとかあるから感謝したい部分もある。


だ、だけどどうしても私はお父さんに一つだけ物申したいことがある。

それは、見た目に関することだ。


お、お父さんは、私をひと目で人間から進化した存在であると分かるように、容姿を設計した。

私はお父さんいわく、人間ではあるが、人間が理想とする姿を模した最上級の容姿をしている。


アキちゃんやナツちゃんはその容姿を可愛いと褒めてくれるけど、私は正直好きではないし、と、とても人には見せられたものではない。


私の顔は、その・・・画風が他の人と違う。

分かりやすく言うと、萌系の顔だ。


・・・これだけだとやっぱりわかりにくいのかな。うう、言いたくない。言いたくないけど、一番分かりやすく私の容姿を表現できる言葉がある。

は、恥ずかしい。で、できれば言いたくない。うう・・・その、私の容姿は・・・・・・















・・・・・・等身大美少女萌えアニメのキャラそのものなの・・・。




2次元萌えアニメとかの美少女が画面から飛び出して来たような容姿。

目と頭が大きくて、可愛らし区動き回るあのアニメの中の萌えキャラクター。それが現実で生きて動いているのが私だ。


さ、流石にこれはあんまりだよ!

体型とか頭身とか、きっちりバッチリ萌えアニメの中でも可愛い感じのやつだからギリギリ気持ち悪くないのだけど、それでも現実にいればそれは確実に人を選ぶ容姿でしかない。

想像してみてほしい、明日自分の身体が生きた萌えアニメのキャラになってることを。

貴方はその状態で顔を出して普通に外に出れますか?


無理でしょ? 私も本当は顔を隠していたって外になんて出たくない。

でも、学校とか行きたいし、容姿とか気にしなくていい山で狩りとか釣りとかもしたい。

それに私は花の女子高生だよ! それも恋する女子高生だよ! それが見た目美少女アニメって・・・。


ハルちゃんのことは好きだけど、正直この見た目を見てハルちゃんに嫌われちゃうのは嫌だし、人類の進化の形なんていう、お父さんのぶっ飛びすぎた発想に巻き込まれた相手にするのも気が引ける。

だ、だから私は似たような境遇でもあるナツちゃんとも相談して、姉妹の中で唯一普通の人間であるアキちゃんに私達の代わりにハルちゃんと結婚してもらおうと思っていた。


アキちゃんはとてもいい子だ。

ハルちゃんも好きだけど、アキちゃんも好きだ。

こ、こんなお姉ちゃんな上に血だって半分しかつながってないのにちゃんと姉妹でいてくれる。

だからアキちゃんにならハルちゃんを任せられる。


そう思ってたのに、アキちゃんはそれが嫌だったみたい。


突如現れて、ハルちゃんに急にプロポーズしたっていう転校生。

一度あっただけだけど、あの子にハルちゃんは任せたくない。


アキちゃんは私とナツちゃんに素直になれと言った。

・・・わ、私も正直できることならこの想いをハルちゃんに伝えたい。


だからまずは、素直になるために私はハルちゃんに私の正体を話さないと・・・。

と、言うわけで、長女の正体はな、なんとアンドロイドと人間のハーフのハーフドールで、見た目は等身大美少女アニメな子でした!

予想できていた方どのくらいいるんですかね・・・。


・・・さすがにヒロインとしてぶっ飛びすぎてる気がしますが、次女と引き続きそれでもオモシロイと思っていただけるならホントとても幸いです。ブクマとか感想とか評価とか下からもらえたらそれこそマジ泣きです。


ネタバレを感想に書きにくい作品になっているので、ネタバレで設定を語りたい人ように活動報告作りました。

良ければご活用ください。

(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/584237/blogkey/1917602/)


なろうで流行りのタイトルにするならこの作品、「平凡な俺が『アンドロイドと人間のハーフ』と『コンピューター上にしか存在しない電脳少女』と『シスコンでヤンデレ予備軍の少女』の三姉妹幼馴染とラブコメする話」ですかね?

いや、ネタバレだから変えませんけどねw

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