残したいもの
生を与えられし者。
いつかは、死にゆくもの。
永遠に生き続ける人なんて、この世に存在しません。
誰の元でも同じように時間は流れ、誰もが同じように死んでゆくのです。
人それぞれ早い遅いこそあろうとも、いずれ死ぬのは同じこと。
だから僕は、小説を書くのです。
文字に表すことで、自分の生きた証を残そうとするのです。
僕の思想を、未来に繋げる。まさか、そこまでの野望があるわけではありません。
ただ僕は僕が存在していたということを、知って欲しいだけなのです。
たとえ想像のキャラクターだとしても、僕が生きたことを、僕の存在を残してくれるのです。
全ての人の記憶から消えることは、死ぬことよりも辛いと思います。
完全に消えてしまうのが、何より恐ろしい。
消えないように、僕は書き綴るのです。
この気持ちを……。




