最期のキス
夕方のニュースをお伝えします。
本日午後三時ごろ、東京都八ツ森市で誘拐事件が発生しました。被害者は高校生の少年二人、少女七人で依然として山小屋へと監禁された状態が続いています。誘拐犯は八ツ森高校の生徒であり、同じ高校の生徒を誘拐したと見られています。ハッキリとした動機は分かっていませんが、八ツ森市民に対する復讐だと声明が出されているようです。この犯人の少年は別件で八ツ森高校の生徒一人を射殺した容疑がかけられており、被害生徒達の安否が心配されています。
えー……詳しい状況経過につきましては八ツ森テレビ局、ハチモリッ!にて特番が組まれていますのでそちらでご確認下さい。別件で発生した少女誘拐事件とも関係があると見られており、現場からの映像もハチモリTVが独占しています。我々はネット上にアップロードされている第六生贄ゲームを通してしか状況を把握出来ていません。他局からも取材ヘリを飛ばした情報は入って来てはいますが、非常に危険な状態であり、爆発や銀髪の目隠し少女に気を付けろと勧告がされているようです。ヘリで中継に向かったスタッフの情報によると、何やら汚泥の黒い怪物と、鎧の天使が戦争を始め、段ボールを被った男がくノ一少女を投下したと発言しているようですが……現在その裏付け調査を行なっております。どうにも信じ難い混沌とした状況であり、警察は一時撤退。現場は英国の特殊部隊が山小屋を取り囲み、待機状態にあるという事です。
……更に状況が変化した模様ですが……我々では後手に回ります。チャンネルを変え、ハチモリッ!を見て頂いた方が早いと、私、個人的に思っております。
……次のニュースです。
数日前から都内に寄せられる不審者目撃情報ですが……その正体は泥の様な影のお化けであり、八ツ森市に存在する専属機関がそれを撃退する事に成功した様です。皆様も泥の様なお化けを見かけたら……八ツ森警察にご一報頂ければ対応するとの事でして……え?何これ?さっきから変なニュースばかりで私も少々混乱しております。
<ハチモリッ!17:08 放送分>
白い光が迸り、モニターが白む。
その眩い閃光が弾ける数瞬前、太陽の仮面を着けた少女は素顔を晒し、妹を殺された姉としての心境を隠者の少年へとぶつけた。
その光景を沈痛な気持ちで眺める傍観者達は直後にモニターから放たれた眩い閃光に目を閉じる事しか出来なかった。
光の後に残されたのは果物ナイフを少年の身体に突き立て、放心状態となった被害者少女の姉、泣き腫らした顔の佐藤深緋が隠者に跨り、ただ無表情に見下ろす姿だった。
その傍では目を閃光にやられた金髪の少女が少年の姿を求めて這いずる。
「ろっくん……?ねぇ!お願い!返事をして!無事なの?」
縋る様に声を絞り出す黄金の少女に無情に現実を突き付ける幼い容姿の佐藤深緋。その表情からは何も伺え無い。
「ごめんね……杉村さん……緑青は私に刺され」
その言葉を言い切る前に黄金の少女の姿が揺らぎ、おさげを両側に垂らした小さな少女に襲い掛かる。
揺蕩う黄金の軌跡に紛れて黒刃のナイフが少女の身体に向けられ、室内に悲鳴が巻き起こる中、佐藤深緋の挙動は落ち着き払い、初めからそうなる事を予見して居たのか、襲い掛かる黄金の少女の姿をじっとみつめたまま、その刃をまるで受け入れるかの様で、その口元は小さく微笑んでいた。
「緑青……ごめんね、やっぱり、私、妹の言葉は聞きたく無い。聞いたら最後、私は私じゃ無くなる……気がして……ずっと、妹の影ばかり追いかけてきた私にはもう何も無くて、気付いたの……私の心はとっくに腐り果てたのだと」
視界を奪われたにも関わらず、黄金の少女は正確におさげの少女の首元を狙う。相手が友人と言えど最愛の人間を殺された少女の悲しみと怒りは計り知れない。
「ろっくんを殺す奴は私が殺す。その私の優先度は変わらない。私は、貴女を……殺す!」
その圧が場を、画面を通して視聴者へと圧し掛かる。誰もが息を呑み、その行く末を見守る中、CMが挟まれ、映像がスポンサーである八ツ森酒造の宣伝が流れる。
視聴者を含むハチモリッ!に出演している彼等もそれは同じだった。
司会のニュースキャスター鳳賢治や、ゲストで呼ばれている警察の特別顧問柳本明、精神科医の藤森修に、シンガーソングライターの空色の髪をしたSORAが目を丸くし、ガクリと姿勢を崩す。
「えーっと……何故かこの場面でCMを挟んでしまいましたが、依然として第四ゲームの被害者の少年による最後の生贄ゲームは現場で続いております。ですよね?現場の白滝さん?」
暫く間を有した後、消え去りそうな女性の声がマイクを通してスタジオへと流れ込む。
「は、はい……え?あ?なんで?なんで生きてるの?胸を刺されたのに?蜜蜂を止めました……刺されたはずの隠者がいつの間にか立ち上がって……太陽の贄への攻撃を防ぎました……」
マイクを通して蜜蜂と隠者の声が聞こえてくる。映像はスタジオを映し、現場の映像は相変わらずお酒を飲む八ツ森酒造のおじさんと、今は見る影もない美味しそうに日本酒を飲み干す白滝苗の姿があった。
「ろっくん!生きてるの?!私、目をやられて暫く見えないけど……そこに居るよね!」
苦しそうな隠者の声が溢れる。
「何とか……ね。防弾、防刃服を中に着てるから深くは刺さってない。深緋のヤツ、致命箇所は外してくれたけど、凄い痛い……うぐぐ……。止めろ、ハニー……深緋に刺されても僕は文句は言えない……それに、多分……深緋は当時を再現する為に、僕の記憶を確実に呼び覚ます為のトリガーを引いてくれたんだ……な?深緋……」
暫く間が空き、太陽の贄の少女と思わしき声が聞こえてくる。
「……うん……緑青はあの時、怪我を負っていた。私の……その、それ、だけでは足りないかもっていうか、私のなんかがトリガーになるなんて思えなくて……その、刺した」
「それ?何のこと?ね?ろっくん?詳しく話してくれるかな?何の事?!」
「あは……でも、やるなぁ……それを見せない為だけに閃光筒使うとは。流石だ……な」
「ちょ!動かないで!すぐには死なないけど、止血して治療しないと死ぬから今すぐ横になって!貴方の救急バッグ使わせて貰うから!」
「そうして……貰えると……助かる」
謎のCM映像が切り替わり、再び現場の映像が流れ始める。そこには胸に果物ナイフが刺さった隠者が横になり、太陽の贄による応急処置が行われていた。CMへの切り替えは映像スタッフによるものだが、スタジオではその予定を全く聞かされていない為、現場の独断でそうなったらしい。
「大丈夫……傷は浅い。内臓は無事ね。縫合すれば血は止まる」
淡々と慣れた手つきで処置を行なうそれは熟練者のそれだった。妹が殺されてから、数多も死者と向き合ううちに習得した医療技術。彼女もまた八ツ森のルールに守られていた人間だった。皮膚に針と糸を通される激痛に耐える少年の声が響く。視力が回復したのか、蜜蜂が隠者の手を握っている。心配そうに彼を見つめる蜜蜂に隠者が声をかける。
「ホーネット……いや、ハニー……久し振りだね」
その手を握る蜜蜂が目を見開いた後、鋭い目付きになり、優しく微笑む。
「そうね……七年ぶりかしら……アオミドロ……貴方はどうなったの?」
包帯を巻き終わった太陽の贄が頷くと、蜜蜂が隠者の上体を起こすと、そのまま長い口付けを交わす。
カメラ前に慌てたハートの贄が仮面を外して、画面一杯にそれを押し付けると、モニターはハートのマークに占拠される。ハートマーク越しに流れる二人の会話は逆に艶めいて聞こえてくるので逆効果であった事を江ノ木カナは知らない。
「ハーミットじゃダメかい?隠者って呼び名、結構気に入ってるんだけど」
「あら、私の付けた名前が気に入らないっていうの?」
「ほら、語呂や響きがホーネットと似て、お揃い感あるよ?」
「確かにそうね……でも私の中では貴方はアオミドロ……私はまだ分化された状態だけど、貴方はどうなったの?」
「僕は……覚醒直後だから僅かに分かれてるけど、段々境界が曖昧になってくるのが分かる……そのうち溶けて一つになるさ。それに元々、僕等は自己暗示が生んだ仮初めの別人格。ただの思い込みさ……」
「そうね……でも、私の方はその暗示が強く出過ぎた……私の魂は分かたれ、一つの身体に三つの魂が宿った……だから……これ以上の負荷は私自身の心の崩壊を招く……それでね、私、彼女達の事を消したくなくなっちゃった」
再び口付けを交わす音が聞こえ、二人は最期の言葉を交わす。
「そうか……折角会えたけど残念だな……けど、こいつなら……いや、僕ならきっと君をまた迎えにいけると思う……」
「えぇ……信じてるわ。衛生兵アオミドロ……貴方が七年間、貴方自身を守る為に眠りについた様に私も少し眠る事にするわ……元々、私も眠りについていた。貴方と同じで……それを呼び覚ましたのは私自身。私が前に進む為に呼び起こした……杉村蜂蜜に戻る。それだけ……よ」
「あぁ……必ず迎えに行く、僕は僕と一緒に」
「約束よ?三倍は無理でも二倍ぐらいは愛せるわよね?今の貴方なら」
「あぁ……女王蜂と働き蜂は任せろ……纏めて愛してやる……」
「フフッ……愛を取り戻せたのね」
「あぁ……やっと失くしたものを取り戻したよ。浅緋の記憶と共にさ」
「そう……なら、文化祭のベッドでの続きを許可してあげるわ……初めてなんだからしっかりエスコートなさい」
強気な発言に混じる涙を含む声色。
「あはは、善処するよ……ハニー……お休み」
「えぇ……愛してるわ。私の緑青……本当にもう……何年掛かったと思ってるの?」
「うん。ごめん。……必ず迎えに行く、何年経とうが必ず……君を迎えにいけるだけの自分になって、精神科医でも何でもなって頑張るからさ」
「最期にもう一度キスして?」
江ノ木カナの悲鳴と共に開けたモニターには黄金の少女と半裸の上半身に数多くの傷跡を刻まれた少年が泣きながら唇を合わせる姿は愛に満ちながらも悲壮を湛え、見る者の心に二人が如何に多くの障害を乗り越えてきたかが伺えた。そうせざるを得なかった二人の日常は今再び分かたれたのだから。
「今は眠れ……僕の愛すべき半身にして、永遠の伴侶よ……」
隠者がはだけた胸元を隠す為に白い法衣を纏うと、カメラに向き直り、宣言する。
「……八ツ森の皆さん……お忘れですか?これは僕と貴方達のゲームである事を……僕から皆さんへ出題する最後の質問です……その問題には必ず答えてください……その対価として僕は、一人の少女を救います。……これで合ってるよな?もう一人の僕?」
隠者が指差す方向、その先には黒い下着を紅く染めた少女が白い下着の少女に迫っている。もはや止められる者は在らず、再三の説得にも彼女は応じなかった。殺すか、殺されるか、生贄の呪いに縛られた彼女を止める術を持つは同じ心の傷を持つ少年少女達に託されたのだ。
<深淵の黒兎:月島楓>
私はナイフを眼前に構え、倒れこむ白猫少女、神園エリカちゃんの心臓に狙いを定める。
「殺します……エリカちゃん」
ワントーン高い少年の声がモニター越しに私に語りかけてくる。素顔を晒すその人の顔は童顔で中学一年生の私と殆ど年齢が違わない様な容姿。優しい声のお兄さんからはハトバと呼ばれていた。波止場?漢字ではどう書くのだろう。
「もう貴女は……誰も殺さなくていい。誰にも殺される心配はありません。生贄ゲームは終わったんです。怖がらなくていい、その手を下ろして貰えますか?」
騙されない……もう絶対に騙されたくない。私はもう誰も信じない。騙されやすいお人好しの、都合のいい中学一年生、月島楓はもう居ないの。ここに在るのは黒兎。人殺しの黒キ獣だ。
あの優しそうな声のお兄さんは画面から消え、金髪の美人さんと、私よりも年下に見えそうな女子高生が彼の下へと駆けつけている。モニターの前には童顔のお兄さんに、ハートマークの仮面を被ったお姉さんが此方を心配そうに覗き込んでいる。きっと他の人達はもう私と彼女の殺し合いになんて興味は無い。
あのお兄さんの言葉も所詮他人事なのだ。隠者は何かがあれば周りの人が助けてくれる。綺麗な恋人や可愛い女の子、愉快で陽気な友達に囲まれて充足の日々を送っている。私とは別の世界の人間だ。
地味で臆病で意思の弱い周りに流されがちな私は良い子にしているだけが取り柄だった。
きちんとルールを守って生きてきた。
守って守って、はみ出さない様に自分を制限して、自分を殺した様に生きてきた。
何の取り柄も無い私が学校でクラスで生きていくには仕方ない事だと諦めていた。
お父さんから貰えるお小遣いが少なくても、可愛い服をお母さんに買って貰えなくても文句一つ言わずに我慢してきた。両親や周りから良い子って言われてピンと来なかったけど、手のかからない私は都合の良い子だったのかも知れない。
あぁ、私には何も無かったんだ。
何も無い人間に他人が興味を湧くだろうか?湧かない。私が私の横に居てもきっと私も声すらかけない。私の代わりなんて幾らでもいる。死んだとしても再び繰り返される窮屈な毎日は変わらない。事件を生き延びたとしら何か変わるのかな?殺し合いをさせられた私を見る目は何か変わるのだろうか。事件に巻き込まれ、同情の目を向けられる?あのお兄さんは同じ境遇なのに片や無視され、片や街の人から見守り続けられていた。この差はなんだろうか。
私は特別でありたい訳じゃない。監禁されてからずっと、あんなに家に帰りたかった気持ちは何処にいったんだろうか。なんかこういうのって不公平だよね。
私は人を殺した。
相手の首を締める鎖越しの感触がいつまで経ってもこの手に残っている。赤くなり、苦しみに喘ぐ少年の顔が頭から離れない。
痛いのがもう嫌で、死にたく無かっただけなのに。
「……私は人を殺した」
私がナイフを構えたまま、じっとしていると、モニターから眩い光が溢れ出し、小屋内に一瞬閃光が差し込んで目が眩む。何が起きたんだろうか?私が目を閉じた隙を突いて、開かれた山小屋の扉から半身を出す神園エリカ。その脛の裏に短いナイフを突き立て、逃げられない様にする。惜しかったね……誰も私は止められないよ。次は貴女の番。それが終わったら……次は……次は?誰を殺せばいい?さっきの光はなんだったのだろう?まぁ、どうでもいいや。
「あ、あぁぅ!痛いっ!!」
足掻き、倒れる彼女の左足を抑えながら、ナイフを引き抜く。もう片方も刺そうと思う。これでもう逃げられない。後は身体を押さえ込み、心臓を刺すのは大変そうだから……喉元を掻き切れば全ては終わるよね。きっと。
「やめて!楓ちゃん!本当に死んじゃう!」
何言ってんの?この女。殺そうとしてるのに。本当にってどういう事?バカなの?大人しくなったと思ったら、また騒ぎ始めて。
「いいの?これじゃあ犯罪者だよ!その人を殺したのは仕方ないかも知れないけど、無抵抗の私を殺したら、それは犯罪だよ!」
「一人も二人も同じ……貴女も私を殺そうとしたでしょ?さっき、白き救世主に助けて貰ってたでしょ?そうやって私の隙を見て殺そうとした。貴女を殺す正当な理由はある」
「違う!最初から殺すつもりなんて無かった!」
「嘘……はもうつかないで……貴女は楽しんでた……」
もう一度、同じ脚にナイフを撫で付けると、赤い線が新たに生まれ、血が伝う。短い悲鳴と共に泣きながら堪えている。私も肌を金属がなぞる痛みに耐えた。このままゲームは終わらせない。同じだけの苦しみを与えてやらないと気が済まない。
「あの優しそうなお兄さんも言ってた……貴女は楽しそうにしてたって……」
「あの野郎!余計な事を……!」
「反省してなさそうだね」
五月蝿いから喉元にナイフを当てがおうとすると、少年の声が聞こえてくる。不思議と童顔の彼の言葉は聞き入れてしまう心地良さがあった。
「……黒猫さん、ナイフだと苦しみは一瞬です。どうせなら苦しみ抜いて死ぬ絞殺が彼女に相応しい。ナイフを置いて、首に手を……」
それもそうだ。私はこの山小屋で長い時間、苦しみ、怪我を負う痛みに耐えてきた。すぐに終わらせるのは不公平だ。蹲る神園エリカの首に手を回し、背後から首を絞めていく。今度は鎖越しでは無い、その体温と皮膚の下にある喉骨が空気を求めて苦しそうに蠢いている。無様で気持ち悪い。
「ご、ごめ……な、ざい」
僅かに漏れる声、彼女は抵抗する意思が無くなったのか、硬直させていた身体から力が抜け、我慢していたのか、流れる血の鉄臭さに混じって尿の臭いが僅かに漂ってくる。
「う、うぅ……」
その細い首に更に力を込めると、喉の骨が軋む音がする。
「エリカちゃん……お漏らしはダメだよ……あーあ……」
空気を求めて喘ぐ彼女の顔に辱めによる別の朱が頬に刺す。その姿を見ていたら急速に私の中にあった憎しみが引いていく。多分、悟ってしまったからだ。彼女にはもう私を殺すだけの力も、心も残っていないって。
「本当にあーあ……だよ」
私は多分、もう、殺せない。
でも殺さなければ殺される。
その呪いから逃れる術は無い?
部屋には凡ゆる所に血が飛び散り、私の身体と黒い下着には血がこびり付いて段々と乾いてきていた。気持ち悪い。
「なんかもうどうでも良くなって来ちゃった……どうせ帰れたとしても、あんなつまらない毎日、生きてたって仕方ない……や」
私は手を緩めると、床に白猫少女が転がり、空気を求めて喘ぎ、咳き込む。
それでも必死に彼女は私から逃げようと、片足を引き摺りながら出口へ続く通路を這いずりながら進む。彼女の這った後に血が尾を引いている。
それでも生きる事を諦めない貴女の勝ち。
私は負けたのだ。生きる意志の弱い者は死んで当然。近くに転がるナイフを見下ろし、拾い上げると私はそれを、勢い良く喉元目指してそれを一気に突き出した。
本当にもう疲れてしまった。
そろそろ眠らせて欲しい……この心の苦しみと共に。永遠に。私は殺人者。その罪は自らの命でもって償わなければいけない。
ごめんなさい、名も知らないお兄さん。貴方にはきっと私達を殺すつもりは無かったんだよね?




