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幼馴染と隠しナイフ:原罪  作者: 氷ロ雪
決着の文化祭
210/319

深緋への手紙

 ~Menu~


 <Drink>


 佐藤スペシャルブレンドコーヒー・・・¥250

 厳選深煎りアイスコーヒー・・・¥300

 

 アメリカン・・・¥250

 カプチーノ・・・¥250

 エスプレッソ・・・¥250

 カフェオレ・・・¥280

 ウィンナーコーヒ・・・¥300

 豆乳ラテ・・・¥300

 有機栽培コーヒー・・・¥400


 コーラ・・・¥150

 カルピス・・・¥150

 オレンジジュース・・・¥150


 コーラフロート・・・¥250

 メロンソーダフロート・・・¥250


 ミックスジュース・・・¥400

 

 <Dessert>


 特製コーヒーゼリー・・・¥500

 プリンアラモード・・・¥550

 

 莓ショートケーキ・・・¥280

 チーズケーキ・・・¥280

 ホットケーキ・・・¥500


 選べるミニケーキセット…¥300(Sドリンク付き)

 (フィナンシェ・ガーナショコラ・ベリータルト)


 <Food>


 サンドウィッチ…¥420

 特製ピラフ…¥410

 オムライス…¥530

 ナポリタン…¥400

 ペペロンチーノ…¥430

 クリームスパゲティ…¥470


 セットドリンクs(+¥100)

 [コーヒー(Hot/Ice)紅茶(Hot/Ice)オレンジジュース、コーラ、カルピス] 


 <special>


 (※発生料金支払はその場でお願いします)


 ・スマイル・・・¥10(店員さんが近くで貴方に微笑みかけてくれるぞ!)

 ・握手・・・¥50(綺麗な手でお願いします。)

 ・記念写真・・・¥100(無許可で撮影は処分対象となります。)

 ・あ~ん。・・・¥100(フードメニューを注文頂いたお客様限定で3口分、店員に食べさせて貰えます。)


 

 私は小室亜記ちゃんから渡された手紙をそっと読み返します。


========================================


 拝啓 佐藤深緋さとうこきひ


 12月24日。

 この手紙が順当に深緋様に渡された場合、八ツ森高校は文化祭を迎えている頃だと思います。

 恐らく私は皆さんの前から姿を消しているでしょう。

 報道等により私の奇行が報道され、警察からは手配されているかも知れません。


 それでもどうか、私の事を最後まで信じて頂ける事を切に願います。


 多くを語る事は出来ませんが、今日という日、北白直哉が起こした事件を巡る私達の一つの答えが導きだされるでしょう。その結末がどういった結果を招くかは解りません。もしかしたら深緋さんに今以上の苦痛を味合わせてしまうかも知れません。下手をすれば命を失う可能性もあります。それでも尚、自らが更に傷付く事も厭わず、貴女が前に進む事を望むのなら石竹緑青君を心理部の部室、カウンセリング室に当日の13時30分に呼びだした上で同封する薬剤を双方に処方して頂きたく思います。しばらく昏倒状態になりますが、命に別条はありませんし、寝込みを襲われない為の配慮はこちらでさせて頂きます。


 選ぶのは貴女です。


 このまま波風を立てずに今後の生活を送る事を望むのでしたらそのまま文化祭をお楽しみ下さい。

 

 私と貴女達と過ごした期間は短いものでしたが私にとっては掛替えの無い時間でした。

 あの事件により血を分けた姉妹を失った痛み、誰よりも私は貴女の苦しみを理解しているつもりです。


 私は彼のお陰で前に進む事が出来ました。

 次は貴女の番です。


 私は貴女が妹さんの死後、その真相を突き止めるが為だけに監察医になるべく警察関係者協力の下、

人知れず遺体を暴き続けていた事を知っています。その年齢ならば死体と関わりを持つ事さえ嫌悪感を抱くのが普通です。それを貴女は不屈の精神力で持ってそれらを乗り越えてきました。ですがそれは、失った妹の影を追って過去を彷徨い続けている事に他なりません。亡くなった妹さんの分まで不幸を背負う必要はありません。もう自分を許してあげてください。


 苦しみ続けてきた貴女に在るべき姿の幸福と一筋の光が訪れる事を願って。

 

 日嗣 尊


========================================


 八ツ森高校文化祭、時刻が10時を迎え、心理部員によるメイド喫茶が始まろうとしています。

 私溢れ出しそうになる嗚咽を殺して、手紙をメイド服のエプロンに仕舞うと喫茶ブースに横一列に並んだメンバー全員に声をかけます。


 「さぁ!みんな!御帰りになった御主人様に声掛けを!」


 私は一歩前に進み出ると深々と来訪者達にお辞儀を。入口の両脇で門番として構える杉村蜂蜜さんと東雲雀さんもそれに倣い、深々とお辞儀する。東雲さんは相変わらずこれから剣道試合でもしそうな礼で、杉村さんは英国貴族らしく優雅なお辞儀です。 


 私の背後から他のメンバー達の声が重なって発せられます。


 「お、お帰りなさいませっ!ご主人様!!」


 半分やけくそ気味な面々の掛け声に私は思わず微笑んでしまう。

 きっと今日という日がすんなりと終わる事は無いのでしょう。


 それでも私は選ぶのです。

 血を流し苦痛を伴いながら前へと歩みを進める事を。



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