チャリ夫
――12月18日 14時10分。
八ツ森高校の女生徒からの証言で石竹緑青と田宮稲穂が姿を消したのは12月16日20時45分以降。警察の近隣住民への聞き込みで同時刻頃、大きな声で言い争う声を失踪現場近くで聞いたという証言が複数とれている。だが、そこからの足取りが全く掴めていない。証言内容から恐らく市外の極道の人間である事は推測できるが、拘束から丸一日が経過している現在、その安否が心配される。もう市外に出たのかも知れないが、それなら八ツ森の包囲網のどこかに引っかかるはずだ。この足取りの無さはプロの仕業かも知れない。なぜあの少年が狙われるかは分からないが、先日の愚妹からの電話が関係しているのかも知れない。私は身動きの取りやすい様に単独行動をしているのだが私の後ろを無理矢理ついてくる少女が一人。実に厄介だ。
「サリア殿?鼻血君と稲穂の居場所は分かったのか?」
私は溜息をついて何度も同じ言葉をその少女にかける。
「第一通報者である君の役目は終わっている。あとはプロに任せろ」
「それは出来ない。私があの場に居ればあの二人は助かったはずなのだ。それなのに私は……」
「馬鹿か。君が居たとしても相手はプロか極道の人間だ。人質が一人増えただけだ」
最初に警察に通報してきたこの少女は、東雲雀と言い、石竹緑青や田宮稲穂のクラスメイトらしい。肩には竹刀袋を抱えているが、そんなもので到底相手に出来るはずもない。
「いいから、君は帰れ」
「いや、そんな事出来ない!幼馴染とクラスメイトが危険な目にあっているのにじっとしてなどいられない。今度こそ、救い出してみせる」
今度とはどういうことだろう。それより、これ以上同行させるのは目立って不味い。私が立ち止まって眉をひそめているとそこに私の携帯の着信が鳴る。プライベート回線なのでそのメロディも、SORAという歌手の曲が流れている。これは私の友人にすすめられて気に入った曲だ。
「私だ。陽守芽依か?何か情報が掴めたのか?」
「義姉さん……私です」
耳を澄まし、私に話しかけてくる東雲の口を塞ぐ。
「なんだ愚妹よ。お前、今どこに居る?」
「それは言えません」
必死に電話の向こうから聞こえてくる音に耳を傾ける。車の走る音や、工事現場の様な音が遠くから聞こえてくるようだった。
「分かっているのか?お前の大事な男は拉致され、お前の父親は留置所ごと爆破されたんだぞ?」
「……知っています」
電話口の向こうから歯を食いしばる音が聞こえる。
「お前は!お前は無事なんだろうな?!」
「はい。私の方は姿を隠しているので大丈夫です」
「そうか……ならいいのだが」
一番辛いのは私では無い、一番大切な人を奪われたハニー=レヴィアンだ。
「本当なら、すぐにでも……緑青に危害を与える奴は皆殺しにしてやりたい。けど今はダメです」
「何故だ?」
「緑青が木曽組と犯罪者の集いに命を狙われています」
「まさかお前……両方潰す気じゃ無いだろうな?木曽組はともかく、レコレッタ・ディ・クリミナーレはお前一人でどうこう出来る組織じゃないぞ?それになんでお前の男が命を狙われる羽目になるんだ?」
「……全部、私の性なんです。緑青への暗殺依頼は裏の世界では前から出されていました。それを私が人知れず処理し続けてきたんですが、それがレコレッタに目をつけられる原因に」
「どういう事だ?一体何が起きている?」
「義姉さん、お願いがあります。今から言う場所に15時半丁度に突入して貰いたいんです」
「何を言って……」
「八ツ森市中岡町4丁目3ー22、エデン第三ビル3階」
「おい!そこに何があるというんだ?」
「私の一番大切な人が監禁されています。気をつけて下さい。相手は複数人の武装した極道の人間にプロの暗殺者が一人ないし二人ついています」
そこで電話は途切れた。私はため息をつきながら大人しく私の電話が終わるのを待っていた少女に声をかける。
「これからヤクザの隠れ家に潜入する。時間も無いし、私一人で行く。ますますお前を連れていけない。帰れ」
「道中、ご一緒させて下さい」
「ダメだ」
「あの、私も制服ですし、2人でただの女子高生を装った方が相手の根城に警戒されずに近づけると……」
私は普段、市内を巡回しやすい様にNephilim特殊部隊の制服は着用せず、木漏日高校の青色の制服を着用している。しかも金髪碧眼。雑多な繁華街を歩くのは目立たないが、単体で近づけば恐らく目は引かれるだろう。相手の少女は私と同じぐらいの背格好で、どこからどう見ても日本人。深緑色のピーコートタイプの八ツ森高校の制服を着用しており、部活動帰りの女子高生二人組ならそんなに気を留められないだろう。一理ある。
「分かった。ただし、目的地に着いたら大人しく帰れよ?」
その少女は目を輝かせ、肩に背負う竹刀袋にギュッと力を込めた。
「待っていろよ、稲穂。そして鼻血君。私が極悪人から救ってみせるぞ!」
あっ、この娘全然人の話聞いてないな。私は背中からシンプルな形状をした黒い拳銃「グロック17」を二丁抜くとその状態を確認する。弾は予備マガジン4つに、リボルバー用スピードローダー2つか。
<戦車>
黒塗りのベンツが1台止まり、サングラスをかけた男達が次々と車から降りてくる。その数5人。エデン第三ビル内で石竹緑青と田宮稲穂の見張り役をしている男達3人よりは格上だろうか。黒スーツの膨らみ方からしてリーダー格の奴は懐に拳銃を潜ませている。他の奴らは無手のようだ。レコレッタと繋がりのある極道組織とはいえ銃保持に関してはここ日本では難しいらしいな。
「おっ?兄ちゃん、そんな玩具持って戦争でも始めるのか?」
リーダー格の男が、ドイツ軍アーミーメットを目深に被り、雪山迷彩の軍服を着用した俺の抱える「SCHMEISSER MP40」のサブマシンガンを物珍しそうにのぞき込んでくる。その男の舎弟が今回雇われた暗殺者の一人である事を説明する。
「こいつがねぇ……戦車と呼ばれる暗殺者か。噂よりも若いんだな。幾つだ?」
俺は馬鹿にされた様な気がしてムッとしながら目を合わせずに26歳だと答える。その態度に部下の一人が俺に掴みかかろうとするがそれを止める男。
「いいさ。だが、まぁ……社会勉強を教えてやらんとな」
そういうが早いかその男の足が伸び、ビルの壁面に寄りかかりながら座り込んでいた俺の頭をメットごと蹴りつけ、地面に倒れた俺の体を数回に渡って踏みつける。それなりに痛いので少しむかついた。
「あんまり調子のんなよ?暗殺者か何かは知らないが子供が組の問題に首突っ込むんじゃね」
俺は唾を地面に吐き付けながら、自動小銃を下げると腰に提げたコンバットナイフを構える。もういい。こいつら面倒くさい。
「おっ?やる気らしいな」
その男が懐から銃を抜く。
「なんでそっちのマシンガンを使わねぇ?」
「兎を狩るのに大砲は使わないだろ?」
「こいつ!撃つぞっ!」
撃つなら撃てばいいはずだ。宣言する辺りはまだ良心の呵責が少しでもあるか、よっぽどの小心者らしい。俺にはそんな呵責なんて無いけどなっ!男に斬り迫ろうとした瞬間、何者かの声が近くから響く。
「やめろ。戦車」
無音から突然発せられた声。高すぎず低すぎない妙に澄み渡った女性の声、烏さんだった。烏は俺達全員の死角を縫う様に現れた。俺は素直にサバイバルナイフを腰に仕舞う。
「分かったよ。烏さん」
急に現れた黒コートの女性に腰を抜かす木曽組の組員5人。兄貴分のヤクザの喉元にはヒタリと烏さんの黒く尖ったクナイが突きつけられていて、少しでも手を動かせば鮮血が飛び散るだろうな。動脈を的確に切り裂くその正確さは暗殺者故のものだろう。
「こいつら一緒に消すか?」
俺は首を振る。
「いや、今のとこ対象者じゃない。邪魔するなら殺すつもりだけど。」
「そうか。それなら……」
烏さんが長い黒髪を揺らせながらヤクザ達を間をすり抜けて俺に近づいてくる。
「あまり素人をいじめるな」
丸いサングラスの下からエメラルド色の瞳が覗く。俺はメットをとって短い金髪を照れくさそうに掻く。
「ハハッ、もちろんですよ。今回の依頼者をみすみす殺せませんしね。あの男の子みたいにネチネチと暑苦しい男達に命狙われるのは勘弁っす」
「賢明な判断だ。ただ、少しでもこいつらが怪しい態度をとったら殺せ。お前が確保した少年を引き渡した時の条件を破るような事があれば皆殺しだと伝えているな?」
「もちろんっす。複数のターゲットの方が俺、役に立つんすよ。是非腕を振るわせて下さい」
「そうか。一人で戦場に行って来い」
「なんか俺に冷たくないっすか?」
俺の言葉に構うことなく、腰を抜かしたまま俺たちを見上げている黒スーツの男達に烏さんが釘を刺すように睨みつける。
「いいだろうな?お前等が束になっても確保出来なかった少年をレコレッタに直接雇われたこの<戦車>が確保したんだ。もし私達に無断で彼らを殺しでもしたら、約束反故でお前等の組ごとレコレッタが潰す。いいな?」
年端もいかない少女の凄みに圧倒されて40代の黒スーツの男達がすくみ上がる。そしてその輝く睫に彩られたエメラルドの瞳がこちらも射抜く。不思議な色合いをした瞳は綺麗で俺にはなぜそんな綺麗なものをサングラスで隠しているのか分からなかった。
「チャリ夫……あの少年を殺す権利を私達は得ている。殺すことは容易い。だが、期限まで待て。必ず何者かが現れるはずだ」
「ほいほい。その部分が明らかにならないうちは確かに殺せないですよね。って、俺はチャリオットです。チャリオって、俺が日本で大好きなの飲料メーカーか、チャリ夫ってダサすぎません?自転車男みたいっすよ」
あ、ちなみに烏さんはいくつか嘘をヤクザ達についている。レコレッタの説明では少年が謎を残したまま死んでも特に問題は無い。不可解な現象が不可解なまま終わるというだけだ。俺も依頼額が一千万まで膨れあがった真相を知りたい好奇心からきている。
「あだ名は信頼の証だ」
「そう言われるのは嫌じゃないけど。まぁ、俺は少年暗殺の期限まで待てるけど、死神の旦那が納得してくれるかどうか」
「大丈夫だ。あいつは一千万に私達二人を相手するだけの価値が無い事を知っている」
「それもそうっすね。じゃ、引き続き門番は任せて下さい」
俺が再びSCHMEISSER MP40のサブマシンガンを構え直すと納得した様にサングラスの位置を元に戻し彼女はビルの中に入っていく。
「(なんなんだこいつらは!?)」
と俺達の事を警戒しながらも恐る恐る建物の中に続いて入っていくヤクザ5人。根本的に暗殺者と一般人は違う。義理、人情、仁義も暗殺者には関係無い。金の為に昨日の友も平気で手をかけられる。だが、暗殺を生業にして生きながらえている人間に異常者は居ない。俺達は依頼があれば殺す。だが、依頼が取り消されれば平気で見逃す。殺すことに快楽を求めている人間は同時に危機感知能力が麻痺し、そのエゴが視野を狭くし、周りを見渡せなくなる。
人の気配が消えたビルの前で再び俺は壁に寄りかかりながら銃を構え直す。義理も人情も無い暗殺者の世界に居ても恩は忘れない。先日、杉村正一が収容されている刑務所で爆発が起きた。事前説明で、杉村誠一の驚異を危惧する俺達に配慮してレコレッタの方で風神の方は何とかすると言っていた。しかし一昨日の爆発で出てきた遺体は一つ。それもレコレッタが送り込んだ刺客がその爆発に巻き込まれたらしい。報道ではそこまで明らかにされていない。爆発物を仕掛けるなら一番近いレコレッタからの刺客にその任が言い渡されるはずだ。意図的に別の刺客による犯行だったのだとしたら死体から身元が割れ、レコレッタへの関わりを警察に疑われてしまう。そんな無意味な事をあの組織がするだろうか。誤爆?いや、傭兵王とも呼ばれていた侍にそんなヘマをする様な奴を監視につけるはずが無い。何かがおかしい。俺の中の違和感が警鐘を鳴らしている。もしかしたらこのヤマ、俺達暗殺者三人も危ないかも知れない。だとしたら、信頼出来るのは今回共闘関係にある俺と烏と死神だけだ。レコレッタがこんな小さな案件で手駒でもある暗殺者を敵に回すような事はしない。俺は自動小銃の安全装置を解除し、持ち手を握り直す。もしかしたら烏もはめられている可能性がある。何かあった時に逃げやすいようにビルの外に待機していた方がいいかも知れない。ビルの中は少年に私怨のある木曽組の連中に任せておけば……。
人の気配を感じてその方向を振り向くと、二人組の一般人がこの裏通りを雑談しながら近づいてくる。距離20M。普段ならここまで近づかれる前に気付くのだが、どういう訳か気づけなかった。正面を向いたまま横目でその2人組の様子を伺う。何やらネイルがどうのこうのだの、使用しているシャンプーが何だのを話しているだけの女子高生二人組だった。その二人組がこちらに気付いてヒソヒソと内緒話を始める。
「(びっくりした。何あの人?)」
アーミーメットを目深に被る俺から目を逸らし、隣を歩く金髪のギャル風少女に囁く短めの黒髪少女。その片目は前髪で隠れているがその反対の前髪はがっちりとヘアピンで留められている。古風な顔立ちに赤い紅が引かれている顔に違和感を感じる。
「(あの銃、本物かしら?)」
その言葉を受けて金髪のギャルが眉を顰めながら俺の横を足早に通り過ぎていく。腰元に巻かれたカーディガンを風にはためかせながら。チラリとその腰にベルトで何かが固定されているのが見えた。なんだ?よく見慣れたそれは銃のマガジンか?んな訳ないか。黒髪で口紅が印象的な女の方には竹刀袋が肩にかけられていた。俺はなるべく関わらない様に下を向いてやり過ごす。
「(ほら、あれ……じゃないか?コスプレ?)」
「(あぁ。なるほどね。所謂ミリオタって奴ね。きっと手にしているのはドイツ生まれの古臭いサブマシンガンSCHMEISSER MP40ね。ま、名銃で私は嫌いじゃないけど)」
「(うむ。それに腰にはサバイバルナイフと拳銃。きっとあの背中のアタッシュケースにも武器が入っていそうね)」
「(そうね。ホントいやーね、最近のオタクは。玩具じゃもの足りないのかしら)」
俺の手にしている自動小銃の種類を判別出来るギャルが居る事に日本文化の謎が更に深まっていく。しかも本物と見抜かれているし。
女子高生二人組が通り過ぎた後は静かなものだった。手元の電子端末を確認すると時刻は15時30分を差していた。特に異常は無し。その端末に一件のメールが入っていた。
「 差出人:クリミナ
件 名:先日の八ツ森刑務所爆破の件について
用 件:こちらで調査した結果、確認された遺体は一つ。
風神の生死は不明。
爆破はこちらの指示ではない。
各員は気をつけられたし。 」
脳裏に紛争地域で部隊からはぐれた俺を安全地帯まで運んでくれた杉村誠一さんの姿が蘇る。
「あの風神と敵対するのは嫌だな。期限までまだ一週間近くある。様子を見る為に一度引き上げるか?早ければそろそろ警察が動き出すは……ず?」
その時、廃ビルの中から複数の声が聞こえてくる。それは先日まで鳴り響いていた少年や少女の叫び声では無い。恐らく先程中に入っていったヤクザ達の野太い叫び声だった。頭に退却か突入かの選択肢が忙しなくせめぎ合う。暗殺対象から離れ身の安全を優先するか、対象を確保し、烏の無事を確認する為に突入するか。
刹那、誰かに銃の照準を当てられている悪寒を感じ、身を低くした瞬間、被っていた灰色のアーミーメットが銃声と共に弾け飛ぶ。頭が揺らぎながらも相手の射程から逃れる様に遮蔽物として黒のベンツを利用する。間髪入れずに銃弾がそのベンツに打ち込まれていく。相手は逃がすつもりは無いらしい。頭に退却の文字が色濃く浮かびあがりながら、死という可能性がその割合を増していく。発砲音の間隔から相手はハンドガンで遠くの距離から狙いを定めて来ているようだった。その距離から頭をピンポイントで狙ってきたのか?嘘だろ?それも二丁拳銃の使い手。忙しなく打ち込まれ続けていく銃弾に紛れてマガジン交換が行われる音がする。薬莢が辺りに散らばりながら発砲音と炸裂音の間隔短くなっていく。どうやらこちらに近づいて来ている様だった。体を車の影に隠しながら、手にした自動小銃の砲身だけを相手に向ける。位置と方角は把握している。あとは牽制しつつ反対方向に一度撤退を。黒のベンツが瓦解し始め煙を上げ始める。ならば爆発させるか?と小銃を車自体に向けて放ちながら駆けだした瞬間、背後にあの通りがかった黒髪の方の女子高生が両手に木刀を構えていた。なんだ?何者だ?瞬間的に自動小銃を捨て、腰のサバイバルナイフを抜いた次の瞬間には手元からナイフ自体が消失していた。
目の前の二刀流の少女に器用に弾き落とされたらしい。その剣捌きが早すぎて混乱した頭では目で追いきれない。
即座に拳銃デザートイーグル抜く。
そのまま相手の肩を狙って撃つが、一気に体勢を低くした少女がするりとそれを避け、交差させた木刀で俺の腕を弾き返す!
空を舞うハンドガン。
「おぉ、サムライガール!ファンタスティック!」
そんな感嘆の声が自然と漏れる。くるりと背を向けて少女から鋭い一撃が放たれタイミングに合わせてアタッシューケースで受け止め、回し蹴りを木刀娘の太腿に炸裂させる。大丈夫、折角の美脚、折りはしないよっと。身体能力は恐らくずば抜けているが場数の経験が少なすぎる。ホントに女子高生なら当たり前だけどね。体勢を崩すサムライガール。おまけにもう一発、肘鉄をそのこめかみに打ち込んで完全に体勢を崩させる。苦悶の声を上げる少女。分かるか?大人しくしてりゃターゲット以外殺さない。だが、剣を向けたら最後、死を覚悟しろ。蹲る女の頭蓋骨を踏み潰そうとした瞬間、黒のベンツが爆発炎上し、背中に熱を感じる。近づいてきた二丁拳銃の何者かが、意図的に起こした爆音だろう。音と気配も無く忍び寄ってきたこの木刀娘の片割れ、あの金髪の女子高生かも知れないな。ニッポン、ホント怖いネ。おっとシューさんのが移った。女子高生が傭兵と渡り合える国、すげーな。軍隊の持たない日本はもしかしたら忍者や侍の部隊を隠し持っているのかも知れない。その車の爆発は俺にとっても好機で、小銃を拾いあげ、閃光筒を投げてその場から姿を消す。どうやらはめられたか、どこかで情報が漏れたらしい。烏さんなら多分上手い事やるだろうと一人納得して俺はその場から姿を消した。
懸念材料も幾つかあるがあの人なら大丈夫だろう。
あと一週間もあるし、こっちには何たって死神がついている。銃撃戦で負けたのはちょっと悔しいけどね。戦車からチャリ夫に格下げかな?まぁ、烏さんには既にそう呼ばれてるけど。暗殺者同士、生きてたらまた会いましょう。
暗殺者相手には最初から全力で行く。力の出し惜しみをあいつ等は容赦無く狙ってくる。あの木刀娘っ!勝手な行動を!って!先にビルの中に入るなぁ!!何なの君!お願い!言う事聞いてーっ!!(サリア=レヴィアン)
頼も―っ!!(←足と頭はまだ痛い)(東雲雀)