竹刀 と 唇
二日前の雪の降る日、杉村は僕の前から姿を消した。一人で大丈夫なのだろうか。
杉村は今軍事研究部部員の殺害現場に居合わせ、その罪悪感から逃れる様に8歳へと退行している状態で本来なら専門家による集中的なカウンセリングが必要な状態だ。幸いな事に症状自体は僕の傍に入れば安定した状態は保てていた。
8歳の時、僕は妻殺しの子供になった。10歳の時「八ツ森市連続少女殺害事件」に僕ら二人は巻き込まれた。
どういう訳か、もう1人の杉村蜂蜜「殺人蜂」さんは8歳では無く10歳に退行していた。この2年の違いは恐らく、あの事件がもう1人の人格を生み出す切っ掛けになっているのだと推測出来る。
そして、もう1人の人格「働き蜂」さんの人格健忘。それも恐らく行方不明になっている軍事研究部の件を受けての症状だろう。
本人が認めたくない事実の記憶を持つ「働き蜂」の存在を主人格である「女王蜂」が否定しているとも考えられる。
僕以外の軍部が姿を消しつつあり、しかも杉村には話していないが、恐らく「北白事件」の共犯者から雇われた刺客が僕を襲うだろう。
杉村の行動を振り返ってみると、もしかしたら石竹緑青の命の危険性が密接に関わっているのかも知れない。だとしたら杉村が守らなければいけない僕の傍を自らの意思で離れるという事は……英国に帰れない、それを越える程の危険な事が起こる可能性を危惧しての事なのでは無いだろうか。
彼女は僕と佐藤浅緋が被験者に選ばれた第四生贄ゲームへの介入を境に、一度僕の前から姿を消している。
そして7年後の春、再び僕の前に姿を現し、今また、僕の前から姿を消した。
確かに彼女は強い。
けど、その心は本来誰よりも繊細で傷つきやすい。もし、精神的な脆さを攻められればひとたまりも無いだろう。只でさえ彼女は佐藤の妹を見殺しにした事に罪の意識を感じているのに。
だから彼女は壊れた。
「気を抜くなっ!」
土曜日、授業は休みだが僕はこうして学校に顔を出している。その目的は先日から同級生の剣道部副将「東雲雀」に稽古をつけてもらっているからだ。
東雲が僕の気の迷いを見抜いてか、竹刀の柄の部分を叩かれてその勢いで僕は竹刀を落としてしまう。
東雲は僕に竹刀を拾わせる隙を与えず、竹刀の切っ先を僕の鼻頭の前にひたりと突きつける。
「いいか?本気で部長に勝ちたいと思うなら雑念を捨てろ。無の境地で戦え。迷えば隙を生み、太刀筋に濁りが生じる。そんな事では私ですら倒せないぞ!」
「は、はいっ!雀師匠」
二川亮との戦いに少しでも勝率を上げる為に、こうして東雲に弟子入りしたがそう甘いものでも無かった。
先日は永遠と竹刀の素振りと体のさばき方を叩き込まれ、やっとこうして打ち込み稽古をさせて貰えるようになった。本来、打ち込み稽古なのでこちらから隙をついて東雲に打ち込むのだが、東雲の教え方はこちらが隙をつくれば迷わずに突いてくる。
東雲がこちらに向き合ったまま、遠間の距離まで体を離す。僕は落ちた竹刀を拾い上げ、中段の構えをとる。
かれこれ二時間ぐらい経っている。
実際にこうして竹刀を構えてみて分かるが、東雲と真っ向で向かい合った際の気迫は圧倒的なものでわずかな僕の踏ん張り出さえ、意図も簡単に吹き飛ばされてしまいそうな感覚に陥る。
こんなのと杉村は対等に渡り合っていたかと思うと感心せざるを得ない。しかも直撃すれば怪我、当たりどころが悪ければ死につながる木刀を構えた東雲とリーチの短いナイフで臆さずに懐に飛び込む度胸は僕にはない。じりじりと東雲との間合いを詰めていく。お互いがにじり寄り、一足一刀、踏み込んで竹刀を一振りすれば相手に当たる間合いに差し掛かる。
ふと杉村と一緒に受けた誠一おじさんのレクチャーを思い出す。
思い返して見れば、あれは全部、僕や杉村が悪い奴に襲われた時の対処法を教えてくれていたのかも知れない。
その時、誠一おじさんは細くしなやかな竹竿一本を刀に見立てて振るっていた訳だけど。その甲斐あってか足さばきや体さばきは問題なくクリアーする事が出来ていた。
「貴様っ!また!」
こんな時、杉村誠一ならどうすかな?
技量が均衡する場合はあらゆる手を尽くし、揺さぶり、自分のペースに巻き込め。そして相手が弱者であればあるほど気を抜くな。力量の差は余裕を生み、必ず致命の隙を相手に与えてしまう事になる。
東雲雀に隙はあるだろうか。
僕を叱るように竹刀の刃部表を物打部で払おうとするのが、スカートから伸びた足の力の入れ方で分かった。相手の打突部が分かれば先手を打てるかも知れない。剣力で言えば東雲には遙か及ばない。けど、動体視力と虚を突く戦いならおじさんに仕込まれてきた気がする。
東雲は二川先輩に勝つには、剣道という枠組みで戦ってはいけないと念を押された。それなら、まず剣道では行えない動きをしてみよう。
東雲の剣先が振れると共に僕は竹刀を手放して、相手の死角に回り込むように回転しながら体勢を低くし、脛にベルトで固定した杉村のナイフを片手に握り、相手の所作を見守る。その背後から。
「なっ!?」
虚を突かれた東雲が踏み込みの勢いに負けて、前方につんのめる。僕の手放した竹刀が、東雲に弾かれ地面に転がる。慌てる東雲を冷静に観察しつつ、後ろに取り残された伸びきった長い左脚。その膝裏に自身の膝を落とし込み、体勢を崩す。
そしてそのままこちら側に東雲の上半身を左手で引き込み、体勢を完全に崩す。後ろから鎖骨辺りに左手を回している格好だ。そして右手に握っている杉村のナイフを東雲の眼前に突きつける。もちろん、刃は極力遠くに離している状態だ。
ここまでの行動は一瞬の出来事で一々頭で考えていない。雑念を捨てた結果、体が自然と勝手に動いた結果でもある。
「え?あえっ?」
東雲が戸惑いの声をあげる。
剣道具を装着しなかった理由にこういう戦いが通用するかを確かめたかったのもある。もちろん、こんな戦い方……。
「石竹君、反則!&禁止行為により雀に二本与えてのあなたの負け!」
この練習に善意(?)で見学している田宮稲穂の首からかけられたホイッスルから、反則を言い渡す笛の音が辺りに響きわたる。
「やっぱり」
東雲が身動きをとれずに困っているので杉村に借りているナイフを元ホルダーに素早く仕舞う。
「石竹君、あなの反則行為は①相手の足を故意にかける。②自分の竹刀を落とす。③相手を抱え込む。そして何より、定められた用具以外の不正使用、禁止行為よ。あなたの負け」
左腕から東雲を解放すると、慌てて僕との距離をとる東雲さん。顔が真っ赤だ。
「なるべく剣道の枠にはまらないように心がけたのだけど」
「どれも、反則よ。あとすずの胸触って無いわよね?」
僕が慌てて首を振ると、田宮が東雲に確認をとる。
「さ、触られてはな……かったと思う。気が動転して、ちょっと頭が真っ白で覚えてない。何かされていてもちょっと分からないよ」
そう言って胸元を隠す仕草を交えつつ進言する彼女の発現はすごく語弊のある言い方だ。
「まぁいいわ。そうね、二人ともそろそろ休憩しない?」
体育館裏で僕と東雲の剣術修行を見守るように、生徒会二年学年代表の田宮稲穂が左手の腕時計を指差しながら合図を送る。東雲は渋い顔をしてまだまだ稽古を付け足そうな顔をしている。
「石竹君も昨日から剣道を始めたばっかりだし、体壊しちゃうわよ?相手は剣道バカ一代なんだし、そのペースに合わしてたんじゃ体が持たないわよ」
「し、しかしだな、稲穂。このままでは終われぬ。禁止行為により二本とったとはいえ、そもそもこれは公式稽古などでは無い。いわばルール無用のストリートファイト。やろうと思えば、目潰し、金的、何でもありの……」
「女の子がそんなはしたない事言わないの!」
田宮が背伸びをしながら東雲に得意のげんこつを振らせる。(別名「コメットパンチ」)
「うぐっ、すまない」
そんなやりとりを見ていた天野樹理さんが呆れながら声を僕らにかける。
「元々、緑青は剣道部の部長さんに勝てばいいのよ。剣道におけるルールなんて気にしないでいいわよ。誰がなんといおうと君はそれでいい。緑青の勝ちって事で」
「うーん、天野さんがそういうなら、仕方ないですね」
田宮が天野さんにそう答えると、東雲は竹刀を提刀し、僕と礼を交わすと自身の竹刀袋にそれを直す。
「どちらにしろ、すずの練習に弱音をあげずに付いてきている石竹君もお疲れ様ね」
田宮が立ち上がり、額に汗掻く僕にフェイスタオルを渡してくれる。こちらは動いて暑いが、田宮は防寒の為に赤いマフラーを首に巻いている。樹理さんはこんな寒い日でも黒タイツ以外の防寒具は着用していない。その代わりと言ってはなんだが、膝の上に愛犬のヨハンが気持ちよさそうに目を閉じて乗かっている。
「ありがとう、田宮。でもわざわざ僕の稽古につきあうこと無いぞ?」
田宮がフフフッと不気味な笑みを浮かべ、その手の形が銭を差し示す。本当怖い。本来なら今日は杉村を含めて晩ご飯を作りにきてくれる予定だったのだが、杉村が居なくなってキャンセルになった今、稽古のお手伝いという名目の下、僕の叔父さんからお金をきっちりと貰う気らしい。
「あとは雀が熱くなって見境無くなった時に止める役は必要でしょ?」
「た、確かにそうかも。無理言って装具を付けてない状態で教えてもらってるから余計に危ないもんな」
「そういう事」
東雲がヘアピンを外し、前髪を下ろしながらこちらにやってくる。
「稲穂、さすがの私でも剣道着も付けていない初心者相手に本気で打ち込まないよ」
「……防具を付けてやってくれた方が見てる方は安心なんだけどね」
田宮が少し心配そうな顔でこちらを見てくる。
樹理さんがヨハンを抱き抱えながら、マイペースにこちらにやってきて声をかける。
「緑青の好きな様にさせてあげて?私からもお願い」
田宮が困ったように返事する。
「好きにですか……私にはその意図が分かりませんが、天野さんも石竹君が心配なら付けさせれば……」
樹理さんがヨハンを起こして、地面に置くと優しそうにヨハンの頭を撫でながら小さな声で返事をする。
「だからこそよ」
その答えに首を傾げるばかりの田宮と東雲だった。そこに煙草を吹かせながら荒川先生が姿を現す。
「お待たせ、樹理ちゃん。こっちの用事は済んだよ」
樹理さんがトコトコと荒川先生の元に走っていく。
「そっちはもういいのか?」
「うん。大丈夫」
樹理さんがこちらを名残惜しそうに遠くから見つめてくる。気のせいか不安げにその深淵色の瞳が揺らいでいるようにも見受けられる。そういえば、なんで今日はわざわざこっちに顔を出してくれたんだろう。寒空の下、外に出て来なくても室内で荒川先生を待っていればいいものを。
「緑青、色々ありがとね」
ん?まるでお別れの挨拶の様な。
「私ね、もしかしたら東京に引っ越す事になるかも知れないの」
僕は驚いて声をあげる。
「えっ?!荒川先生と東京で暮らすんですか?」
「なんでだよ」と荒川先生が呆れながら付け加える。
「私ね、私の両親が私と会いたがってるらしいの。ずっと、もう、会えないって、見捨てられてたと思ってたけどずっと待っててくれたみたいなの」
樹理さんが笑顔になりながら目の両端から涙を流す。それにつられて僕も目を潤ませながら喜ぶ。
「よかったじゃないですか!」
喜ぶ僕の顔を見て、今度はこちらに走ってくると僕の胸に思いっきり飛び込んで抱きついてくる。僕は顔を赤くさせながら、どうしたものか戸惑っていると、顔を埋めたまま声が聞こえてくる。
「私を待ってくれてる人、まだ居て良かった。こんな幸せいいのかな?私、人を殺したんだよ?32人をナイフで斬りつけ、8人殺した多重殺人者なのにね?」
普段、彼女の言動や行動からは伺い知れないけど、彼女もまた、人を殺めた事を深く後悔している人間の1人なのだと感じ、僕はそんな彼女の罪悪感が少しでも和らげばと、その細く小さな体を優しく抱きしめた。仄かな石鹸の香りが半生を病棟で過ごした彼女らしいと感じながら。
誰にも分からない様に僕の胸で泣きながら、樹理さんが呟く。
「緑青とあの子達に会えて良かった。君達が居たからこうして私は今、ここに居られる。本当にありがとっ!」
閉鎖病棟で髪を伸ばし、魂の抜けた様な姿で小さな窓枠から外を眺める会った当初の彼女に比べて、すっかりと短くなった髪と薄くなった目の下の隈。彼女ともここでお別れか。どんどん馴染みのある人が僕から離れていく。けど、これは前向きの一歩だ。
「樹理さん、僕もありがとうございます。もっと樹理さんとは話したり、一緒に授業受けたりもっともっとしたかったです。けど、向こうにいっても頑張って下さいね」
「うん!私ももっと君と居たかったよ」
「そして、僕に日嗣姉さんを追いかける様に後押ししてくれてありがとうございました。出ないと、僕は自分の気持ちにも気づけなかったですし、彼女の最期にも会う事が出来ませんでした」
「いいのよ……本当君達は不器用なんだから。見てたこっちがじれったかったわ……よ?」
そこで樹理さんの言葉が途切れ、涙目で顔を上げて僕の瞳をのぞき込む。そして僕の顔を引き下げて抱きしめる。
「(最期?あの子は失踪したんじゃないの?)」
「(あっ!)」
「(ねぇ?あの子は死んだの?そして君はあの夜彼女に会えたって事?警察に嘘の供述をしたって事よね?メディアは散々、日嗣尊が男子生徒を刺してその場から逃走したって事になってるけど?)」
僕は観念してそれに正直に答える。
「(……あの夜、僕は結果的に日嗣姉さんと会うことが出来ました。けど、血を流していて……商店街の町医者に連れて行ったのですが、その甲斐無く、そこで息を……)」
「(なんで警察では、マスコミでは失踪扱いになっているの?)」
「(それは……それが彼女の最期の意志だったからです)」
樹理さんが何かに考えを巡らせた後、何かを思いついたように僕の唇にキスをする。固まる僕と周りに居る女子と保護者荒川教員。
「(ホント、貴方達はいつでも私の一歩斜め前に胴体着陸をかましてくれるのね。そんな事実を貴方は1人で抱えて苦しんで……貴方の事情を知る私にぐらい教えてくれても良かったんじゃないの?)」
「は、ははっ……樹理さんの方こそ僕の一歩斜め前をいってますよ」
これ大丈夫かな?杉村に殺されるんじゃ?(フラグ)
「私の初めてのチューよ。ありがたく思いなさい(そして、死なないでね?必ずあの生贄ゲームを始めた子供達に勝って。奴らは必ず動く。貴方を殺して全てを無かった事にするつもり)」
「あ、ありがとうございます」
抱き合う僕らの下に荒川先生やってきて、樹里さんを僕からひっぺがす。
「おい、石竹。お前に樹理ちゃんは勿体ない」
「ぼ、僕もそう思います」
樹里さんが荒川先生に引っ張られながら、最期に微笑み僕に手を振って別れの挨拶をしてくれる。どうか、どうか彼女のこれからの人生が幸あるものでありますように。そう願って僕は泣きながら手を振り返した。
田宮と東雲もそれに併せて手を振りながら僕の肩を叩いて励ましてくれる。これでいい。
僕は隠者の宿命を持つ者。
僕自身が光を放ち、動こうとすればするほど周りの闇は一層深くなっていく。その前にどうか大切な人は安全な場所に退避していてほしい。
僕と田宮と東雲は、軽い食事を済ませた後、地獄の猛特訓は夕刻まで続いた。もちろん禁じ手は使わずに。
「義姉さん?」
見知らぬ番号から電話を受け取ると、我が愚昧からだった。どうやら公衆電話からかけてきているようだ。こちらのプライベート回線を知る人物は少ない。
「どうしたんだ?こんな夜遅くに」
「ちょっと義姉さんにしか頼めない事が出来て……」
風呂上がり、金色の髪にタオルを巻きながらの足の爪の手入れを中断させると手持ちのコンソールを起動させる。ハニーがいつも身につけている簪には、杉村誠一が仕込んだマイクロチップが内臓され、どこに居ても居場所はこちらで把握できる手筈になっている。その位置を衛星から傍受し、地図が表示される。
問題無い様だ。
彼女は現在も八ツ森に居る。
ほっと胸を撫で下ろし、頭に巻いていた白いタオルを解く。癖の無さ過ぎる真っ直ぐな金髪が重力に沿って流れて落ちる。
「私、しくじっちゃった。ろっくん、このままじゃ、殺されちゃう」
「何を馬鹿な事を言っているんだ。特殊部隊隊長の私と互角に渡り合う奴が傍にいればあの男も……って、ハニーは確か明日英国に帰る予定だったな。そういう事なら、お前が英国に帰った後、私が奴の身辺警護に当ろうか?」
「明日からじゃだめ?」
「ん?無論、お前が帰った後、ろっくんとやらを……」
しばらく間を置いて愚妹が言い辛そうに答える。
「ごめんね。お姉ちゃん。私、もう、ろっくんの傍に居られないの」
「何を言って!?」
GPSが現在差し示す場所は確かに八ツ森だったが、その居場所は誰も入らない様な深い森の奥を差していた。
「ハニー、今、どこに!?」
「今私とサリアお姉ちゃんが会ったら殺し合わないといけなくなると思うの。だからダメなの」
その言葉を最後に通話が切れる。もしかしたら愚妹は簪自体にチップが埋め込まれている事に気付いていたというのか?もしくはそれらの可能性を鑑みて身に付けているものを八ツ森に置いて外に出たのか?どちらにしろ、後生大事にしていたあの簪を放置するとは余程の事があったらしいな。
すぐ部下に緊急連絡を入れ、明日通信解析班をうちの部署に回す様に手配をする。この通話記録の下を辿れる様に。今、あいつはどこに居るんだ?
「……それともう一つ。本国への要人移送の件はキャンセルだと伝えてくれ」
同時刻、八ツ森全体を轟音と地鳴りが襲う。
それは杉村蜂蜜の父親「杉村誠一」が拘留されている刑務所からだった。裏社会で彼の事を知る一派の仕業だろう。恐らく、あいつの遺体すら現場には残されて居ないのだろうな。
「ハニー……お前は一体、何をしたんだ?」
(いつも愚妹がお世話になっております。私の事は140部ホームレスhttp://ncode.syosetu.com/n0528bw/140/を参照頂けると助かります。杉村家にも色々あるんですよねぇ)