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ラムネ ソーダ味

 

 中間テストが終わった。テストの開放感に皆が身を委ねて。遊びの約束を交わす人もいれば、テストの答えがどうだったとか。ぎゃー赤点との声も聞こえてくる。

 目の前には長い黒髪をパールのバレッタで髪を纏めた中原梓が暑さにだれて机に溶けていた。暑いのが苦手で時々倒れるらしい。

 なので暑さ対策グッズが家に沢山あるらしい。御座に冷えピタ、冷凍枕に風鈴とか冷たいシーツとか。どんだけ完全装備。クーラーつけると風邪をひくか喉を痛めるらしい。コイツはこれから残った夏を生きていけるのだろうか。


あの喫茶店での会合からちょこちょこと前の席にいる中原と会話するようになって、数ヶ月。

もう結構俺達仲良くなってきたと俺は思う。なので、


「俺のこと成瀬くん、はないと思うのー」

「いやだ、成瀬くん。それはなぜかな?」

この人俺の言いたいことわかっててこうなんだよな。多分。

コロコロと笑いながら冗談も言い合えるようになってきたのがじわじわと実感くるわ。


「あずにゃん、あずさっち、あずあずー」

「……殺されたいのかな成瀬くん」

可愛いあだ名はお気に召さないようだ。超キラキラ☆笑顔で首がギリギリと絞められる。


「だって梓ちゃん。もうそろそろ呼び名をもっとフレンドリーにしたいんですたい」

とバンバンと机を叩いて俺は主張した。

「何弁!? というかちゃんづけもやめて」

きっちり突っ込みを入れてくれる律儀な梓ちんが好きよー。

「でも女子でもちゃんづけしてる人いるじゃん。梓ちゃんとか呼ばれてたし。基本は中原さんだけど」

ていうか様付けしてるヤツもいた。梓様……ていうかアレは突っ込まないの?


「……様付けは突っ込んだら負けかな、と思っている。ちゃんづけはなんか可愛すぎて呼ばれるたびにむず痒いんだよ。だけど女の子に呼ぶなとはいえないし」

あ、女の子に呼ばれるのは許すんだ。……ていうかさ、

「……か わ いー。やーやっぱり俺梓ちゃんって呼ぶー」

と口を押さえてもごもごと口ごもる。梓は珍しく女の子らしかった。女の子扱いは苦手なようで、意外な弱点だ。ふにふにと頬をつつくもパシッと叩き落される。


「……成瀬君、もうナルシーって呼ぶぞ?」

「別にいいよ?」

むしろ仲良しアピールにはぐっジョブだと思うよ。

「……ゴメン。私が悪かったです。呼ぶほうがダメージ受けるわ」


「成瀬くん呼び。嫌なの? 無難じゃない」

「宮くんとかは?」

「え、ヤダ」

即答ですか、俺傷つくよ! ヒドイぜ梓。

「……宮はダメ?」

「え、いーけど。男子はミヤって呼んでるやつ居るにはいるし。」

少しの沈黙の末に提案された。なぜ宮くんはダメで宮はいいんだ。


「じゃあ梓って呼んでいい?」

「……わかった。宮」


こうして仲良しポイントが上がったのであった。テッテレー♪


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