表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

始まり

この作品は人生のどん底に突き落とされたある一人の男性の話です。

作者は自転車が趣味ですが、日本一周はまだしておりません。

なので、おかしな点もございますかもしれません。

あと、誤字も目立つかもしれませんがあたたかい目で見てくださると嬉しいです。

いつもの風景。

いつもの街。

いつもの会社と、いつもの家。

何も変わらないいつもどおりの日常。

そんな変わらない日常を変えてくれたのはこの月影だった。


俺の名前は水野萃夢。

会社勤めの二十歳である。

無事に成人し、会社も楽しく、彼女もいた。

しかし、会社は倒産。

二年付き合っていた彼女にもフラれ俺は人生の崖っぷちに立たされていた。

「死にたい・・・」

この単語も何回言っただろう。

カーテンを閉め切り、電気もついていない部屋で唯一の明かりであるテレビを死んだ魚のような目で観ていた。

今は何時なんだろう。

それすらも分からずにいた。

ボーと、テレビを観ていると、その番組では、芸人さんが地名しりとりをしていた。

「・・・・・」

俺はその番組を黙って観ていた。

しかし、そのときにはもう、死んだ魚のような目ではなかった。


その数時間後、俺は旅に出ることにした。


旅に出ることにしたと言ってももちろん、今すぐにではない。

物事には順序ってものがある。

第一に自転車を買おう。

最初はクルマにしようかと思ったが、時間はたっぷりあるのだし、じっくり、時間をかけて旅をしてみようと思ったからである。

俺は早速、近くの自転車屋に行った。

俺は出来るだけ早くにこの街を出たかった。


「いらっしゃいませ~」

お店に入ると店員さんが優しく出迎えてくれる。

「すいません。長距離用の自転車ってあります?」

「長距離ですか・・・でしたら、こちらの自転車はいかがでしょうか?」

そう言ってススメられたのはロードバイクだった。

「こちらで長距離移動をされる方は多いですよ」

「へー・・・」

俺は言葉を失ってしまった。

なぜなら、この自転車、値段が十万円もするのだ。

他のロードバイクも観て見たが、どれもそれくらいの値段はした。

「これ以上安いのはないですよね?」

「はい、こちらの店で取り扱っているのは全部これくらいの値段はしますね」

俺は友達はいるものの、なかなか遊ばなかったため貯金は四百万円ほどは貯まっていた。

しかし、自転車で十万円はキツかった。

俺はロードバイクを諦めて他の自転車を見てまわった。

そうすると、一台の自転車が目にはいった。

黒のカラーリングで一般的に『トンボ』と呼ばれている自転車だ。

特になにもない自転車。

しかし、俺はその自転車に目が釘付けになっていた。

「あちらの自転車、一回乗ってみます?」

俺はお言葉に甘えて一回乗ってみた。

一度、外に出て運転してみた。

やはり、特に特徴がない。

それよりか、一般の自転車よりも少し重かった。

しかし、このときにはもう、この自転車を買おうと思っていた。

お店の周りを一周させてもらい、自転車を降りたら店員さんにこれを買うことを告げた。

「ありがとうございます!」

まだ、若々しい店員さんは大きな声でお礼を言ってきた。

俺は恥ずかしかったが、お店の中にはお客さんが一人もいなかったのでまだ、俺の羞恥心は守られた。

この店員さんが自転車の最終点検をしているなか、俺は店長さんらしき人と契約よ話をしていた。

「・・・以上で書くものはありません。後はご自由にお持ち帰って下さい」

「分かりました。ありがとうございます」

自転車の最終点検も終わったらしく、俺はお店の外に出た。

すると、店長さんが見送りに出てきた。

「今日はありがとうございました」

「いえ、こちらこそ」

俺は店長さんに向かって頭を下げた。

「お客さんは通勤用にこちらを買われたのですか?」

「いえ、恥ずかしながら自転車で日本一周をしてみようと思いまして」

「そうなんですか・・・少々、お待ち下さい!」

そう言って、店長さんはお店の中に戻っていった。

少し待つとすぐに店長さんは戻ってきた。

店長さんの手には自転車用のボトルとボトルゲージが握られてきた。

「こちら、プレゼントです」

店長さんは笑顔で俺にボトルとボトルゲージを渡した。

「えっ!いいのですか?!」

「はい」

驚く俺を前に話を続けた。

「この店もご覧のとおり人も入らず、近々、店を閉めようと思っております。なので、最後くらいは誰かを応援したいと思っておりました」

店長さんは時より悲しそうな顔をしたまま話を続ける。

「なので、何か必要な部品などがありましたらまた、いらして下さい。サービスしますから」

そういうと、店長さんは頭を深々と下げた。

「またのご来店をお待ちしております」

俺は最後にありがとうと一言いって自宅に帰った。

店長さんは俺が見えなくなるまで頭を下げていた。

始めて投稿する作品です。

誤字などがございましたらメールを下さい。

ご覧の感想やアドバイスなどもありましたらメールをくださると作者は犬のように喜びます(^-^)

メールアドレスはyakyu-bakabon@yahoo.co.jpです。

よろしくお願いします。

では、また次回お会いしましょう*・゜゜・*:.。..。.:*・'(*゜▽゜*)'・*:.。. .。.:*・゜゜・*

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ