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神 vs 少年

注意  この小説の中の神は、人間の延長上の存在として書かれます。

絶対的な宗教観などを持っている人は、回れ右する事をお勧めします。



ギリシャ神話とかを見ると、なんだ、している事、人間と大差ないじゃんと思う訳です。権力争いはあるし、疑心暗鬼になって息子食べるし、最高神ゼウスなんて色欲魔ですしね。

ということで、僕の想像する神様は、一応、永遠の存在(不老であり、不死ではない)であり、強大な力を持ち、良くも悪くも、人類を導く者と言う感じです。

襲い掛かる大量の水、向かい打つのは、その水に比べれば、点にしか過ぎない少年。

ぎりぎりの所で避けながら水を避けながら、(正確には、逃げながら)想う。


―――――――絶対無理、勝てないと


だって!!さっき試しで投げたナイフ、水に飲み込まれたら、団子虫みたいに小さく潰されちゃったんだよ!!もう、何百tあるんですか、その水!?それが、時速100kmぐらいで迫ってくるのだ!!!つまり、当たったら跡形も残らず、死ぬ。


「すごいね~、あと数cmの所で全部避けるなんて~♪よし、もっと水、増やすね」


また、神様の後ろから、大量の水が・・・・・・・・


「クッ!!≪風鉄槌エア・サークル≫ 最硬度重装(アブソリュート)展開・・・・・・・・・、行使!!」


バシャ!!


とっさに、全力で発動した≪風鉄槌≫を水に当てる。しかし、水の軌道をほんの少し変えただけで、消えてしまった。反動で飛ばなきゃ、絶対、水が当たっていた。


≪風剣陣≫が風を線(剣の形)に集中する魔導であり、≪風鉄槌≫が風を広範囲の面(槌の形)に集中する魔導である。相手が、広範囲で質量(この場合は水)を操る術なら、線である≪風剣陣≫は役に立たない、斬り損ねた水に、飲み込まれてしまう。だから、少年の≪風鉄槌≫を使った判断は、正しいのだが・・・・・


(ここまで全く通じないとなると・・・・・・・、奇襲しかないかな。うん)


そうとなったら、やることは一つ!

「≪風剣陣エア・サークル五月雨(クラド)、」


それは逃げること!相手の目から消えて、奇襲をやりやすくする。その為に、風で切り裂いて、隠れられる場所を、増やすことにする。


「展開」


その言葉と共に、無数の剣が現れる。その数、およそ、百本!大きさはかなり小さいが、

明らかに、高等魔導である。展開する時間も、まだ必要だ。そして、その間にも水は襲いかかる。


「よっと、・・・てっい!!・・・・・・・危なかった。」


それを、相変わらず、ぎりぎりで避ける。


「凄い凄いすご~い、私の使徒、強い!勝てるよ!今回こそは私が勝つ!私の願いが叶う!!」


本当に嬉しそうに、神様は、水を振るう。その目には少し狂気も宿っている。そのあり方に、少年は少し恐怖を抱くのだった。そして・・・・・


「完了、行使!!」


その言葉と共に、百の剣が神様に降り注ぐ!と見せかけて、意図的に外していた。まともに狙っても、超弩級の水に消されてしまうからだ。


確実に地面が削られていく。対する神様は


「あ~!私の神域に何するの!!戻すの大変なのに、もう怒った!」


ご立腹の様子であった。また、水が増えたし、精神年齢が低いのは、僕の気のせいなの?・・・・・・・この、世界大丈夫かな・・・・本気で心配になってきたよと、少年は悩む。



「侵蝕、『形纏う消滅矛盾』・・・・・・・・・・・・・・・・・展開!!」


少年の本来の力、その禁忌の力で空間に侵蝕し、変質させる。さらに、水を踏み台にして高く、水自体が、全く侵蝕されないことに驚いたが、一瞬で冷静な判断に戻り、遠くに飛んだ。さらに、着地して地面を駆ける。


(・・・・・・・、あんな危険な水、砂漠の緑化にも畑仕事にも使えないじゃないか。残念・・・・・)


そう考える少年は、やはり、どこかずれている。絶対、頭のネジが抜けている。ダース単位で!!戦闘に関しては、傭兵顔負けの実力なのに、

・・・・・・・壊滅的に普通の生活ができない気がするぞ。大丈夫か?いや、大丈夫じゃないだろう。


それはともかく


「消えた!?え、どこ!?」


少年の異能の力に、珍しく動揺する神様、それもその筈、神は人に比べて、比べるのがばかばかしいぐらいハイスペックだ。その人に遅れを取るなんて、ありえないことだった。


それなのに、少年の姿は見えない。高速で移動したのならば、音速だろうが、目でわかる。瞬間移動も、魔力の痕跡を辿れる。カモフラージュ、こんな事をしていたら、水に飲み込まれている。つまり・・・・・


「未知の手段ってこと!?凄い・・・・・・凄いよ!」


神の、霊長の始まりから全てを記憶した知識を持ってすら、理解できないイレギュラー、とんでもないジョーカーを引いたみたいである。勝つために、都合がいいことこのうえない。神様はまたも狂喜する。


「あ、でも、今勝たないと、私の使徒にならないよね~,よ~し、≪雨≫降り注げ~!!」


神様の言葉と共に、降り注ぐ雨、速さはたいしたことは無いが、圧力が問題である。雨一粒で、1kgと重い。だが、防げないことも無い。数千tの水よりはるかにマシである。隠れて場所にしていた岩を貫く雨を、迎撃するために呪文を紡ぐ、不可侵領域の盾である≪存在する矛盾の消滅≫は魔力を、『超』大量に喰うので使わない。


「≪風の導盾エア・サークル≫、展開」


風の盾が水の粒を分散させながら防ぐ、この魔導は質量が軽い風でも、攻撃を防げるようにする。『流れ』の盾である。受け流しながら防ぐのだ。この方法なら、防御力は少ない反面、音は少なくすむ為、『暗殺者』として身に付けた力だった・・・・・・・・・人生どこで、何が役に立つかわからないものである。


(よし、これで見つからない。)


≪風の導盾≫が雨を防ぐのを確認した少年は、緊張の糸を少し解く。ずっと、警戒しているのはさすがに疲れるのだ。


少し休んだ後、やるべきことにとりかかる事にした。


(≪風剣陣≫大量生産、・・・・・・奇襲を仕掛ける準備です!)


着実に、奇襲の準備を進める少年、しかし、見つからないという考えが、甘蜜の様に甘かったと思い知らされることになる。



――――――――――!?


不意に嫌な予感がして、その場から飛び去る。


次の瞬間、少年がいた場所に、巨大な水柱が・・・・・・・、比喩表現じゃなく、天を貫く高さの物が四本もである。柱がなくなった後には、大きな穴ができていた。


「お!あれを避けるなんて!?本当に君、ほんとに人間なの?」


水柱後の、穴の上に浮かぶ神様。その姿は、透き通る水のプロテクターを宙に纏い(一枚、1,5t也)二対の翼を広げた姿は、とても美しく、神々しいものだったが、その威力を、直接見てしまった身としては、恐怖しか浮かばないのだった。


・・・・・・・しかし、そこは、頭のネジが大量に抜けている少年である。一般の常識を、期待してはならないのだ。


この光景を目にして、最初に発した言葉は・・・・・・・


「綺麗・・・・・・・・・」


という、戦場にひどく不釣合いな言葉だった。少年は純粋に感じたことを言葉に出しただけなのだが。純粋というか、天然というか・・・・・


「な!?」


不意打ち、そう、相手にとっては、完璧な不意打ちだった。神様の顔が真っ赤に染まる。


今、神様の心中には、主に3つの感情が渦巻いていた。綺麗という、純粋な好意の言葉と、常に畏怖されてきた自分の姿を、褒められた事による『羞恥』と『喜び』。


後は、第二形体も出した自分の力を、馬鹿にされた(完全な誤解であるが)事による『怒り』だ。それぞれ、3対3対4の割合でミックスされている。


「ふ・・・・・ふふふふふ」


突然、不気味に笑い出した神様。ただいま、カオスと化した感情が暴れだしそうになるのを戸惑いながら、抑えているのだが・・・・・・・・・


「えっと・・・・・・えっと、・・・・・・どうしたの?」


心配そうに聞く少年=追い討ち=とどめ!!(自覚なし)、


真っ赤になったあと、笑い始めたのだから、心配にもなるのはわかるが、この場合においては、それは大失敗だった。それぐらい察したほうがいいと、思う。


「・・・・・ふふふ、覚悟はできてるよね!!」


はい、爆発!!


どうやら、このカオスな感情に折り合いをつけられず、八つ当たりで解消するみたいである。傍迷惑な話だと思う。

巨大な円筒が現れ、その周りに魔方陣が大量に刻まれていく。


「≪三叉槍・トリアエナ≫召還!!」


円筒の中から一艘の槍が現れた。遠目にも、それが『超一級品』であることがわかるような凄まじい槍であった。おそらく、世界で7種しか現存しないといわれる『宝具』クラスであろう。


「≪形纏う消滅矛盾≫!!」


直感的に、危険だと判断した少年は魔力消費も気にせずに、最強の盾を紡ぐ。

そして、その直感が正しかったのだと、すぐに証明されることになった。


「≪大海絶つ飛翔槍≫!!」


三叉槍が飛ぶ!すさまじい速度で!!普通の槍でも、あの速度で当たってしまったら、体が全部吹き飛ぶ。まして、相手は宝具だ。威力は計り知れない。


それを、少年は避けるために行動する。


ん?・・・・・・・・・・・・・・・折角、最強の盾を使ったのだから、ここは漢らしく真っ向から受けて立つのが、王道?そんなことは関係ない、そんな理由で、死にたくはないだろう。誰だって。何より、作者はまだ物語を終らせたくない。


そう、例えるなら、あなたは、城壁の後ろで、戦艦大和の大砲の弾を受け止められますか?と言う話だ。無理でしょう。多分、

それに、少年は戦闘中の(一応)『暗殺者』、合理的な手段を選ぶ。まあ。『暗殺者』にしては、かなり色々なものが抜けているが。


そして、むかって来る槍。結構距離はあったのだが、0,2秒でご到着である。通常の人間なら、瞬きする間に刺されていたであろう。


しかし、もう少年は槍直撃コースから外れていた。いくら速いといっても、軌道は直線固定だ。その軌道を槍が放たれる前から、神様の手元で予想した。


その為、実際は、1秒ぐらい余裕があったのである。その余裕をもって槍を避けたのだ。


そして、

――――――――着弾!!


地面に槍が刺さったその瞬間、槍の≪神秘≫が開放されたのだろう。槍が通った軌道上にあったものが、真っ二つに裂かれた。


地面には底の見えない大きな地割れが発生し、空も裂かれ、そこにあった空気が押し出されて、竜巻が発生していた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とにかく、凄まじい威力。


これが宝具の槍、≪三叉槍・トリアエナ≫、それに宿る神秘の力である。


≪宝具≫に宿る≪神秘≫は、最強の『概念』である。魔力を『奇跡』に変えて、籠められた『概念』を実行する。魔力の量によっては、世界の法則をも捻じ曲げて


この槍、≪三叉槍・トリアエナ≫に籠められた『概念』は、≪万物を貫く≫と≪その軌跡をもって絶つ≫であり、実際に当たっていたら、少年の不可侵領域の盾も、ただですまなかっただろう。実際、余波だけで竜種の魔物が十分殺せる威力なのだし


無限の魔力を持つ、神様だからこその芸当だ。


「ありゃ~………やりすぎたかな、魂まで消えてないよね?」


絶壁のクレバスを見下ろし、冷や汗を流しながら呟く。


≪王神≫を決める世界で一番大切といっても過言ではない戦いに、不参加なんて、神にとっては前代未聞の大恥である。


しかも、自分の使徒を、自分で消し去るという、自業自得としか言いようの無い愚行。ここぞとばかりに馬鹿にされるだろう。・・・・・・・・・末代までの恥!!


イヤ、この神様にとって、そんなことはどうでもいい。何より絶望的なのは、願いをかなえる機会を失ったかもしれないという事だ!!


(自分のすべてを差し出しても叶えたい願いだから。それを、私は……私は絶対、かなえるの!!)


必死に、少年の魂を探す神様。しかし、結果は・・・・・・


「え・・・・・・・・嘘だよね、まさかほんとに、ほんとに消えちゃったの?私の唯一の、希望なのに・・・・・・・・・・・」


神様の綺麗な顔に、絶望の色が宿る。


次の機会は一万年後、そんなに、待てるはずがない。


「う…………うぁ……ぁうああああああぁあぁあぁあぁああッッ!!」


だから、はちきれんばかりに、泣いた。もう何も残っていないから、『彼』に会うことが、『彼』を救うことが、全てだった。絶望が心を蝕む。













しかし、少年は生きているのだ!!見つからなかったのは≪形纏う消滅矛盾≫のおかげである。


で、少年が、今何をしてるかというと・・・・・・・


「えっと、泣いているの?・・・・・・? ? ? ? ? ? ? ? ?何故、何故、何故?」


事態が把握できず、思考がループしている。心配そうな顔して


攻撃する絶好の機会だと思うのだが・・・・・・、


優しさで、少年が滅ばないように祈ろうか!!


そんなこんだのぐだぐだで、少年は10分近く固まっていたそうだ。


『設定』


≪風剣陣≫(エア・サークル)


風の魔力の器

武具と言う概念を与えられた為、≪不可視≫と言う属性は失われたが、威力は激増している。

カインの技量も相まって、高速&複数展開を可能にし、それを舞うように振るう。

基本的に戦闘の要

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