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宿命・憎しみの愚王


魔法陣は、無事発動した。あとは、彼ら自身がうまくやっていく、そう、願おう。


「うん・・・・・、あと、僕のやることは、あの隊長さんに討たれること、かな?」


4人も、部下を殺したのだ。怒り狂てるに違いない、純粋そうだったから。一目会っただけだが、きっとそうに違いない。なんか、変な確信だね.


ちょっと嬉しそうに、クスリと笑う。


「あんな綺麗な『光』を見たのは、久しぶりだね。なんだか微笑ましいや」


自分が殺されるというのに、緊張感に欠ける少年。その姿は歳相応にもみえた。


「気配・・・・・・、≪探陣≫(サーチ)≪同調≫(トレース)、展開」


探知結界と、結界に同調する初歩低級魔法をかけ、周りを探る


「え!3個大隊って、え~・・・・、な なんか、すごく数が増えたね。」


何でだろ?と疑問に思いながらも、団体さんの到着を待った。


3個大隊といえば、国家同士の戦闘に用いられるような人数である。


数にして1500人、明らかに、1人に差し向けるような人数ではない。


しかし、その疑問も、団体さんの親玉をみて、すぐに解けた。


「アヘン・S・ヘロイン・・・・・・・、おまえか」


少年の声が、その人物を見たとたん、底冷えするような、冷たい物に変わった


すさまじい殺気も放っている。


「久しぶりであるな、28番」








「・・・・・・・この罠も、お前が仕掛けたんだよね?王さま」


綺麗な笑顔で質問しているが、少年の殺気を見れば、激怒しているのは、明らかだ。


「ふふ、たった村ひとつで、我の身の安全を守れるなら安いものだろう。村の連中も本望に違いない」


少年の殺気が、数倍に膨れ上がった。この男、本気で言っているからたちが悪い。


アヘン・S・ヘロインは下衆だった。正真正銘の、本来ならば王と呼ばれる器ではない。


思考能力は劣るどころか、欠如していた。この少年、一人殺すのに、村を囮に誘い出し、両方殲滅する、という作戦しか、立てられなかったことからも、それが伺える。(さらに、最後は、1500人による力押しだし)際立った身体能力も無く。器はどこまでも小さい。


ナノ単位に違い無い(災厄最低の器)だろう。!!


そんな男が、今日まで、王でいられたのは、自身の魔導≪崩壊式洗脳ディケイ・ブレイン≫と優秀な、実験体達のおかげである。





――――――――――こいつのせいで、何万人死んだ?

・・・・・・・・・・風の村の仲間、そして、初めて『答え』をくれた。少女の姿が浮かぶ


―――――――――-こいつの欲を満たすために、何人の女が犯された?

・・・・・・・・・・顔も見たことがないはずの、母が思い浮かぶ


―――――――――こいつが、どれだけ、戦争を引き起こした?

・・・・・・・・・・・夢も希望も、無いよと言った。死んだような目の、難民の少年が思い浮かぶ。


・・・・・・・・なんで、なんで、こいつのために・・・・・・・・

「お前が、お前が、お前が・・・・・・・・・・憎い!!!」


「偉大なる我に、幾度も刃向った事は、大罪に値するが・・・・・・・・ヒッ!」


少年が放ったのは、投げナイフ、当たる前に、護衛に排除されてしまったが、当たれば必殺の1撃。それを、見ただけでも、この愚王は腰を抜かしてしまった。


「生きていても、現在進行形で、災難を撒き散らす。お前みたいな、『史上最低最悪の愚王』は生かしておけない。責任を持って地獄に連れて行く!」


「~~~~~~~~~~!お前達、あいつを叩き切れ!」


腰を、抜かした状態でも、自分の悪口に過敏に反応し、顔を真っ赤にしながら、『愚王』は叫ぶ。それに、反応した兵士は『人形』のように、突撃する。


勝てる確率は0%・・・・・・・それでも、僕はあいつを、連れて行く


もう、殆ど残っていない魔力を振り絞り、術式を紡ぎだす。


「僕と鈴・・・・・・・お願い、最後の力を貸して!!」


≪想いの双剣カイントライネ≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『開放』!!


三叉の双剣が消え、空間の質が劇的に変わる。


―――――1500対1の戦争が始まる。


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